大企業や億万長者は通常、政治論争とは距離を置き、自らの力を行使するにしても目立たないやり方を好むが、米起業家イーロン・マスク氏は違う。7月に米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領を支持すると表明し、8月12日には自身が所有するSNS「X」で一般公開の形でトランプ氏と友好的な対談をした。一方、ブラジルの最高裁判所とは公の場で激しく対立している。同裁判所が8月30日、Xの国内サービス停止を命じたからだ。8月上旬に英国で反移民や反イスラムを主張する極右の暴動が相次ぐと、英国は内戦が避けられないXに投稿した。8月24日に通信アプリ「テレグラム」の創業者パベル・ドユーロフ氏がフランスで逮捕された際はXにこう投稿した。「2030年の欧州では、ミーム(ネット上の面白動画などのネタ)に「いいね」をつけただけで市民は処刑されるだろう。Xの所有でマスク氏は自分の意見を広める巨大な拡声器を手に入れた。だがマスク氏の所有するSNSに注目すると、彼の地政学的な影響力の真の大きさとその源が見えなくなる。宇宙企業スペースXや同社の衛星通信サービス「スターリンク」、電気自動車(EV)大手の米テスラを統括する彼は、ウクライナ戦争や激化する米中対立で重要な役割を担うようになった。パレスチナ自治区ガザでの戦争にも少し関わっている。こうした紛争でのマスク氏の立場は、西側諸国で起きている保守派とリベラル派の価値観を巡る「文化戦争」での彼の立場より曖昧だ。同氏の予測不可能な形による様々な紛争への介入は、彼が持つすさまじい技術力と資金力も相まって、誘導不能な地政学的ミサイルのような威力を発揮する可能性がある。それは世界情勢を一変しかねない。
上記は、24年9月13日に日経新聞に掲載された記事の一部である。私も正にそのとうりだと思う。やはり彼は天才なのだろうか?行動が実に不可解である。常識で考慮すれば、どう考えても「地球温暖化」を「経済」の下に評価するトランプをサポートするとは思えない。しかもトランプは、「選挙」に勝利した際には、マスク氏を閣僚し抜擢するというのだ。残念ながらマスク氏はビジネスには天才だが「常識」がないまるでトランプ氏の兄弟みたいな人間性だ。これだけの実業家なのだからもっと地球の事を真剣に考え、一人の人間として「哲学」を学んでほしい。
このような人物が今、この時期に現れるという現実は「わが地球」の運命を定めているのではないだろうか。