マイナンバーカードのトラブルが連日報道されています。特にマイナ保険証のトラブルは命に関わる問題だとして、日本共産党は現行の健康保険証を廃止しないことを求める署名を開始しました。政府は来年10月から現行の紙の保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化するとしています。マイナ保険証を持たない人には新たに「資格確認証」を交付するとしていますが、これまで申請が必要だと説明してきました。
ところがあまりにも評判が悪く、ここへきてプッシュ型の「資格確認証」にすることを検討すると言い始めました。これを聞いて噴き出しました。
私は国保に入っていますが、申請をしなくても毎年7月には新しい保険証が市役所から送られてきます。まさにプッシュ型です。税金を使って新たな「資格確認証」を作らなくても、今の保険証を続ければ解決する話です。
なぜこうまでして国はマイナカードの普及に躍起なのでしょうか。マイナカードの交付が始まったのが2015年です。有効期限10年とされていますので2025年から更新が始まりますが、私は、更新しない人、更新忘れの人がかなり出るのではないかと思っています。
今でも取りに来ない人はかなりいます。今年の3月議会の予算委員会で私は資料要求し、マイナカードが出来ても取りに来ない人が奈良市でどれだけいるのか調べました。奈良市だけでも今年の3月7日現在、交付通知を出して6ヶ月以上経っても取りに来ない人が2,516人いることがわかりました。単純計算すると奈良県で1万人、全国で100万人いることになります。マイナカードは、etcカードや運転免許証と違って、なくても不便を感じないからではないかと思います。10年の有効期限到来の前に爆発的に普及させるためには、「なくても不便を感じないカード」から「なくてはならないカード」にする必要があるからではないかと思います。
資料要求してもう一つ重要なことがわかりました。マイナカードの申請数と交付数には大きな違いがあるということです。2015年から2023年2月末までの約8年間で奈良市のマイナカードの申請数は284,659であるのに対し、交付数は235,656枚で約49,000枚もの開きがあります。もちろん今年の2月末で区切っているので申請しても交付手続き中のものはカウントされないのはわかるが、どうしてこれだけの開きがあるのかと聞いたら、「スマホ申請などで内容に不備があり、再申請された場合には、申請回数を重複してカウントしている」との回答でした。そしてこのカウント方法は奈良市だけではないとのことでした。
今、政府は申請数は全国民の8割を超え、ほぼ行き渡ったと説明していますが、その実態は内容不備による再申請もカウントされているということです。