―「奈良市県域水道一体化取組事業懇談会」での議論からー

 

県が進める「県域水道一体化」への参加の是非を検討するため、奈良市は5月から懇談会を開催し、3回目が7月12日に行われました。毎回テレビカメラが入り、傍聴も数十人あり、関心の高さがうかがえます。

 懇談会に提出された資料や議論を通じて奈良市には参加のメリットがないことがいよいよ鮮明になってきました。

 

 県の財政シミュレーションでは市町村単独で事業を続けるよりも、統合に参加したほうがすべての市町村で料金安くなるとしています。統合により、①水道施設の維持管理が10%削減できる、⓶工事費が3%削減できる、⓷管理職28人が削減できる、などが根拠となっています。

 

 しかし本当にそんなに削減できるのか、奈良市はすでに広域化している香川県など複数の事例や企業債発行額の見直しなどを参考に現実的な条件で再計算を行いました。その結果奈良市は、単独で事業を続けたほうが統合よりも料金は低く抑えられるとの試算結果となりました。

 

 市民の負担はどうか。水道料金と下水道料金はいっしょに徴収されることから両方を足した上下水道料金(20立米/月)を比較すると奈良市は現状の6,402円から2025年の統合時6,812円となり、県下最大の値上げになることが明らかになりました。一方、16の市町村は統合により安くなります。奈良市の値上げ分はこうした値下げ自治体の減収分の穴埋めに使われることになります。

 

 県域水道一体化は、地理的条件が不利で高料金なっている自治体の値上げを抑えるために奈良市民が払う水道料金が使われる計画になっています。条件が不利な地域の高料金対策は、これまで通り県や国が責任を持つべきであり、市町村間の内部補助でやりくりすべきではありません。

 奈良市で水道事業が始まって今年でちょうど100年になります。この節目の年に「100年ブランドの奈良市水道事業」に幕を下ろし、「県域水道一体化」に奈良市が参加するかどうか、重大な決断の時期が半年後に迫ってきました。

 

 水道事業において、県は市町村への用水(卸売り)、市町村は住民への末端給水(小売り)とそれぞれ役割を分担して事業を行っています。この用水と末端給水とを事業統合し、広域水道企業団という新たな組織でこの事業を行おうとするのが今回の一体化計画です。その際、市町村浄水場は、奈良市緑が丘以外はすべて廃止し、県営浄水場から直接給水することになるので、県営水道の販売量は大幅に増えることになります。その背景には巨費を投じて建設された吉野の大滝ダムの供用開始による大量の「水余り」を解消したいとの県の思惑がからんでいます。

 

 大和郡山市は「市民の水道料金で2つの浄水場の建て替え費用を積み立ててきたのに一体化計画で浄水場が廃止された上、利益も企業団に無条件で差し出すしくみは認められない」として早々と不参加を決めました。一方、慎重な姿勢を見せている奈良市長に対し、5月6日には、26市町村長が連名で一体化への参加を促す意見書を発表するなど知事と他市町村長からの圧力が一段と強まってきています。

 

 いったん奈良市が「広域水道企業団」に参加し、その後なんらかの事情で脱退したいと思っても、他市町村すべての議会で承認されないと脱退できないしくみです。また今の事業認可を取り下げて企業団に参加することになるので、脱退した場合は再度認可を取る必要があり、途中脱退は事実上不可能です。

 

 奈良市は100年間、自前できちんと水道事業を運営してきており、①料金値上げによる生活圧迫、②市営木津浄水場廃止、③将来の民営化検討、など問題だらけの一体化計画に奈良市は参加すべきではないと共産党市議団は一貫して取り組んできました。

 

コロナ禍で行くお店と言えば、本屋さんか昼ごはんを食べるお店ぐらいになってきました。

 帯封の「なっちゃん81歳 夜間中学で文字と歴史を学び初めて知った自分がここにいる理由」にひかれて買い求め、久しぶりの一気読みとなりました。

 

 夜間中学で文字を獲得し、日本の植民地支配の歴史を学んだことが、奈良市行政を動かしたのです。家の前の橋が豪雨で流された時、なっちゃんは、市長に手紙を書き、直談判し、橋のない川に橋をつけさせることができました。本には出てきませんが、山村県議の尽力もありました。住むことが許されない河川地になぜ住まざるを得なかったのか、その様子が本書の最後の方にイキイキと描かれています。

 

 奈良市で夜間学級と言えば春日中学校の中にありますが、かつて私は、この夜間中学の補食費の問題を市議会で取り上げたことがあり、取材で何度か訪問させていただきました。奈良市が1人1食百円、年間にして総額70万円の補食費を全額カットしたことに抗議する質問を行ったことがあります。

 怪我もしていないのに右手に包帯を巻いて市役所の窓口で代筆を頼まなければならない生徒の気持ちがわかっているのかと。

 春日夜間中学は、「うどん学級」と呼ばれるぐらい、この補食費をやりくりして小腹を満たすために使われており、何より生徒と先生、生徒間の大切なコミニュケーションの場でした。他の不要・不急の予算を削ってでも補食費に回せと、予算の組み替え動議を出しましたが、否決されました。

 

 「なっちゃんの花園は」寮さんが散歩中に偶然見つけた花園の主・なっちゃんの波乱に満ちた人生の物語です。そのたくましさと機転に大いに励まされました。

3月8日に奈良市議会本会議で会派を代表して質問を行いました。いくつか取り上げたテーマのうち県域水道一体化で新たに明らかになった問題を紹介します。


 2月17日に「第2回奈良県広域水道企業団設立準備協議会」が奈良県コンベンションセンターで行われ、県の中間報告が示されました。今年11月の最終案の提示に向け、その骨格となるものです。奈良市は昨年9月、一体化に向けての奈良市の課題として、すべてのすべての市町村が一体化のメリットを受けること、下水道事業も一体化に組み入れることなどを県に提案してきました。しかし私の質問に対し、市長は、「すべての市町村にメリットを受けるという点では(中間報告は)納得できるものではない」と答弁し、奈良市の意向は反映されていないことがわかりました。協議会は知事・市町村長が対象ですが、市のコロナ対策会議を理由に2月17日の協議会に仲川市長は欠席し、代理も立てませんでした。
 しかも中間報告の新たな問題として、市町村の累積欠損(赤字)は企業団が引き継ぐ、赤字補填のために市町村が行っている一般会計からの繰り入れも求めない,としていることは重大です。露骨な一体化参加誘導であるとともに、相対的に人口密度の低い五條市など中南和の5市町村水道事業の構造的赤字分を奈良市などの黒字分で穴埋めしようとしています。
 企業団に奈良市が参加すれば、奈良市民の皆さんが払った水道料金の一部が、奈良市のために使われず、赤字団体の補填に回る計画であることも明らかになりました。
 今行われている協議会は任意の会議ですが、来年3月には各議会の議決を経て、法定協議会に格上げするとしています。ここに参加したらほぼ後戻りはできません。今年が正念場です。

 

先週の28日に行われた奈良市議会 建設企業委員会の冒頭、企業局から、下水道事業で負担すべき一部の費用を水道事業に負担させていた、として2021年度の決算で是正するとの報告がありました。総額で約3億円を下水道事業の経費から水道事業の経費に振り替えます。

 この問題で私は昨年9月定例会において、監査意見書も踏まえ、粉飾ではないのか、是正すべきだと追及していました。水道と下水は企業局で一体運営していますが、会計上は、公営企業会計としてそれぞれ独立した処理をしなければなりません。ところが一部の経費で「粉飾」が行われていました。

 例えば、下水道使用料は水道料金と一緒に徴収しており、検針・徴収にかかる経費4億円は2億円づつに按分して経費処理しなければならないのに、決算では水道3億円、下水道1億円で経費処理しており、水道側が過大な負担であることを指摘しました。

 また企業局長をはじめとした総務部門の人件費、企業局庁舎の減価償却費や維持管理などいわゆる共通経費については定められたルールに基づいて按分しなけらなならないのに、ほとんど水道事業が負担していました。

 是正を求める私の指摘に対し企業局長は「正しく決算したら、事業が潰れかねず、下水の職員の給料が払えない」と、開き直る始末でした。粉飾したり、赤字でつぶれた会社はあっても、正しく決算してつぶれた会社はありません。

 しかも水道事業に過大な経費を負担させていたことで、給水原価にも影響し、今、突き進もうとしている「県域水道一体化」への参加判断にも関わる問題です。ゆがんだ鏡では自分の姿を正しく見ることはできません。

 

 

 

 先週、集合住宅に住む男性から、生活保護の申請をしたいが、どうしたらよいのかという電話が入りました。翌日訪問すると狭いワンルームマンションで、交通事故の後遺症で車いす生活の方でした。エレベータのない集合住宅で外出は介護の方に頼み、布担架に乗せて階段を降り、車いすに乗り換えるとのことでした。訪問介護や看護を利用しながら生活がなんとか維持できている状態。貯えも底をつき、所持金は数万円でした。その場ですぐに生活保護課に電話して、訪問による生活保護申請を依頼しました。生活保護の申請はほとんどが来庁によるものですが、こうした場合は職員が訪問して申請することができます。

 

 日本共産党奈良市会議員団は1月24日、子育て世帯への臨時特別給付金について、所得制限をなくすこと、家庭内暴力などで受け取れない世帯にも対応し、受け取れるようにと奈良市に申し入れました。(写真)      
 現在、給付事務が進められています。しかし2年前の特別定額給付金(10万円)と違い、コロナ対策と言いながら、子どもがいなければ、コロナでいくら困窮していても支給されない事、所得制限があることから様々な問題が生じています。
 

 市民の方から、議員団に対し、「子どものいる世帯を支給の対象にするのであれば差別を持ち込まないためにも所得制限は設けるべきではない、撤回するよう市に働きかけてほしい」、などの要望が寄せられました。 生駒市ではホームページで「所得に関係なく、子育て世帯はコロナの影響を受けている」という見解を示し、所得制限を設けずに支給しています。
 そもそも今回の10万円は児童手当の支給システムに乗っかって制度が構築されており、所得制限もその関係から設定されています。 しかも世帯単位に支給されるため、救済できない方が出てきています。


 支給は昨年9月に児童手当を受け取った世帯が対象ですが、9月以降に離婚した場合、子育てをしていない元配偶者の口座に現金が振り込まれる事例が続出。また別居して実質的に離婚している場合や 離婚協議中で口座が変更されていなければ同様の問題が起きます。
 DV加害者や養育費を払わない元配偶者が受け取ることもあります。 コロナ禍で最も苦しい時期に、支援を必要としている子育て世帯に給付金が届かないということは避けなければなりません。 申し入れのなかで、市は所得制限をなくすことについては難色を示しましたが、昨年9月の基準日以降の離婚などで受け取れない子育て世帯に関しては、支給することを約束しました

 

正月明けからコロナ感染の第6波がきて、これまでにない急拡大です。日本で最初に感染が確認されてからあしかけ3年。

さて長引くマスク生活、友人や離れて暮らす家族やとの交流もままならず、行きたいところにも行けず、ストレスがたまり気味です。そんな中で良かったことはないのか考えてみました。

その1

在宅時間が増えたので、これまで忙しさにかまけて後回しにしていたことに手が付けられるようになったこと。本や文書の整理、部屋の掃除、皿洗いなど。

 

その2

 本を読む時間が増えたこと。ただし、買っても読み切れていない本がたくさんあり、いわゆる「積ん読」状態が続いていますが、買ったものはできるだけ最後まで読もうと思います。

 

その3

 家でできるストレッチや筋トレの時間が増えたこと。コロナで外出の機会が減るとどうしても運動不足になります。YouTubeで様々な動画が配信されているので参考にしています。

 

 

 

 

 

 

ようやくコロナも下火になり、収束に向かうのではと期待を膨らましたのも束の間。正月明けから一気に感染がひろがりました。奈良県で国内最初の感染が確認されてから足掛け3年目に入りました。共産党奈良市議団は昨年末、年末年始の住まいや食料で困る人への対応をとることに加え、感染再拡大に備えて、ワクチンの3回目接種や検査体制などの準備を万全に行うよう申し入れを行いました。当初奈良市は、3回目ワクチンはかかりつけ医などでの個別接種のみにしようとしていましたが、前倒しして接種することになったため、集団接種も組み合わせて行うことになりました。今年もコロナ対策に追われる1年になりそうです。

新型コロナの問題だけみても、残ったアベノマスクは結局廃棄、オリンピックの強行、米軍基地由来の感染拡大など、うんざりすることだらけです。しかしこうしたうんざり感や徒労感こそ警戒しなければなりません。私たちが生きてゆくために必要な施策や制度を国にあきらめずに強く要請していくことをしなかったら、政府の思うつぼです。

猛威を振るっているコロナ感染さえ、自業自得で本人が悪い、という考え方を持つ人が日本では11%とアメリカイギリスの10倍にも達しており、苦しい目にあっている人はその人が悪いという考え方、いわゆる「自己責任」論を乗り越えていかなくてはなりません。

 

 

12月議会には今年の春竣工予定の「奈良市斎苑 旅立ちの杜」の維持管理、運営にかかわる議案が提案されました。向こう15年間、24億7千万円の契約で、指定管理者としてこの事業を担うのは村本建設株式会社など4社で構成される「株式会社 まほろばの杜」です。

市職員の常駐体制もなく、これまで100年間直営で培ってきた実績が活かされないこと、火葬業務の管理運営を一手に担う株式会社が介在することで、市民や地元住民の要望が反映しにくくなることなど、市の責任があいまいになることから、私は、直営を継続すべきと指摘し、議員団としても本会議で反対しました。