前作はNEOFLEX25というニューカバーとニューコアを搭載して発売され、そのボールネームからも注目された3-Dオフセット、今回はソリッドバージョンとなります。

 

特にレーン中盤以降のコントロール性能とバックエンドリアクションを両立していたその性能はソリッドカバーになった事でどのようになっているのでしょうか。

 

 

 

【カバー】

今回のカバーはNEOFLEXではなくAGGRESSION NE SOLID。

なぜNEOFLEXではないのか。

NEは数々のボールに搭載されていて実績がありますので、勿論NEで良いんですが、なぜNEOFLEXではないのかが非常に興味深いです。

BWリアルモンスターソリッドのパフォーマンスを見るに、ソリッドだとかなりの強さになりそうなのでNEの方が汎用性は高まると予想されます。

 

 

 

【コア】

HIGH REV OFFSETです。

これは変更無しですね。

回転性能が高く、しかしバックエンドまでフッキングのための力を蓄えながらスキッドさせる事が出来るコアです。

 

 

 

【所感】

非対称の強いソリッドカバーのボールとしてはメリハリ感がかなり強調された仕上がりに感じました。

 

・スキッドは長いというわけではないんですが、割と直線的で素直に走ってくれるイメージです。

コアもしっかり転がっていて滑り感は無いんですが、重いスキッド感ではないです。

 

・ブレーキ感はしっかり止まってくれる安心感があります。

寄り感や柔らかさもありますが、ブレーキはそんなに長い距離を使って止まるわけでもなく、ここも中間的でクセの少ないブレーキです。

ソリッドカバーならではの安定感がありますが、柔らかすぎず丁度良いです。

 

・バックエンドですが、アークかシャープかで言うとシャープ寄りの中間って感じです。

戻り感も動き幅も大き目です。

非対称の強いソリッドとしては動きが軽快でやはり扱いやすさが優先して感じられます。

 

・オイルへの強さは上の中って感じです。

コアの優秀さが出ています。しっかり転がるのにバックエンドまでのパワーロスが少ないので動きは軽快でシャープなんですが合わせるカバーなりの強さはしっかり持ち合わせます。

 

かなり先の動きが強調されていて、それでいてソリッドカバーの安定感もあります。

この手のボールは最近多いですが、スキッドの直進性と安定感のバランスは随一ではないでしょうか。

 

かなりお気に入りでこのボールは随分と投げ込みましたが、アウトサイドは勿論、インサイドからのラインでも10ピンをしっかり飛ばせて汎用性の高さを感じました。

対称コアならまだしも、強い非対称の強いソリッドでここまで広い守備範囲を持つボールは多くないと思います。

 

 

 

【3Dオフセットとの比較】

先代の3Dオフセットとの比較です。

こちらはNEOFLEX 25のパールカバーのボールです。

 

・スキッドの長さ的には若干レッドソリッドの方が短いような感じです。

ソリッドカバーとパールカバーの比較なのでオイルへの強さには差が出ますが、表面処理が同じ#2000。そこまで大きな差にはなっていません。

 

・ブレーキ感は違いが表れています。

レッドソリッドは寄り感や柔らかさは控えめで明確に止まるポイントが見えるようなブレーキ。

3Dオフセットは柔らかく緩やかなブレーキです。

メリハリを感じるのはレッドソリッドの方かもしれませんね。

これはカバーの種類の違いによるものと考えられます。

 

・バックエンドは両ボール共にしっかりと動く特性です。

レッドソリッドの方がシンプルなメリハリ感で扱いやすく、3Dオフセットはブレーキの柔らかいイメージからバックエンドにかけてシャープさが増していくようなキレです。

 

・オイルへの強さはさすがにレッドソリッドの方が上になります。

ソリッドとパールと比べれば当然ですが、その強さの差的には丁度レッドソリッドの後に3Dオフセットを投げるような感じで、ラインナップ内で同居しても繋がりがある強さの差となっています。

 

・曲がり幅としてはレッドソリッドの方が大きくなっていますが、戻り感としては同じような感じで、ワイドなライン取りでも安心感があります。

 

全体的に見ればソリッドとパールの差として片付けられる部分もありますが、NEOFLEXカバーとAGGRESSION NE カバーの特性差も感じられました。

レッドソリッドの方がメリハリ感があったのが面白い点です。

 

 

 

【用途・適正】

・ミディアムコンディション~オイリーコンディションまで幅広く、また多くのシチュエーションに対応する汎用性の高い性能です。

 

・アウトサイドでもインサイドでもこなせる軌道で、特にシャープ目な曲がり形状はインサイドからのラインにも対応し、長時間の使用が可能です。

 

・スピードが回転より勝っているタイプやストローカータイプに良く合います。

ハイレブタイプに関しては、インサイドからでも動きが安定しててピンが飛ぶソリッドとして有効に使用出来ます。

また、多少スピードが遅めなタイプでも扱いやすいソリッドカバーのボールになりますので、このタイプのボウラーにとっては貴重な選択肢になります。

 

・ラインナップでは、30~35ml以上等のヘビーオイリーでもなければ1番上か2番目のボールとして使用出来ます。

 

 

 

【総括】

先代の高度で質の高い曲がりから、メリハリがあって素直で扱いやすいイメージのソリッドカバーのボールとなりました。

このコアにNEOFLEX 25 のソリッドを組み合わせた場合は相当にリアクションが強くなるでしょう。

実戦的でスコアメイク能力の高さを考えたとしたらAGGRESSION NEカバーは正解かと思います。

ソリッドになると動きが丸くなったりコアの特長がぼやけたりするボールが多い中で、この3Dオフセットレッドソリッドは安定感を足しながらもシンプル目で分かりやすい動きになりました。

これは珍しいケースで、こういうソリッドのボールを望んでいた方も多いと思います。

 

このHIGH REV OFFSET コアは回転性能の高さを謳っていますが、真骨頂はその転がりの強さにも関わらずバックエンドでもシャープで攻撃的な動きが出せる点だと思っています。

この手前の転がりの強さとシャープなバックエンドはワンコアが持つ唯一無二の特性でしたが、この3Dオフセットシリーズは軌道イメージは違いますが同様の特性を持つシリーズである事が分かりました。