–透過する光–渋谷Bunkamura個展 終了 | 1cmの宇宙 ガラス作家のブログ

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作家:中田昌秀が編み出した、オリジナルの技法で作り上げたオンリーワンの作品たちです。

2019年11月30日〜12月8日に開催しました渋谷Bunkamuraでの個展、終了しました。

毎回お越しくださる方、時々の方、久しぶりの方、初めての方…皆さんに見ていただき、作品はキラキラと輝き喜んでいる様でした。

今展のテーマは「透過する光」。

身に着ける/飾るの二用途に加え、今回ご提案したのが「遊ぶ」です。裏から光を通すことで新たに現れる表情を楽しんでいただく・・・普段は浴びる事のない裏からの光を感じることで、作品の表情は一変します。太陽/照明に翳すと、その光は作品の中の色ガラスを透過し、中に施した立体造形をシルエットとして網膜に届けます。正面から見た作品とは異なる性格を持った作品に見えてくるんです。

作品たちを演出する会場のレイアウトは、自作の本のディスプレイを高く積み上げたり、大→小に綺麗に揃えたり、かと思えば色とりどりの革張りの本を無造作に転がしたりと、リズム感を大事にしました。高く積み上げた本は、知識/教養の積み重ねを。整頓した本は、理屈や凝り固まった常識を。転がした本たちはそれらを無効にしてしまう不合理さを表現しました。

私の作品は、この世に存在するものから空想のものまで幅広い世界観です。これまで見聞きしてきたものが絶対的なものではなく、まだまだ知らない側面もあるし、未知の世界はすぐ隣に広がっている。分からないものは肯定も否定も出来ない。未知とは探究心の糧であり寛容さの種だと思うのです。

また来夏、皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

お越しいただいた方も、残念ながらお越しになれなかった方も、どうもありがとうございました。