今 通常国会にて

通常国会も残すところ後2週間。
いよいよ大詰めとなってきました。
安倍政権になって民主党にはなかった流れを感じるものの、通常国会がスタートした時点の威勢がかなりトーンダウンした状態です。
　
政府が既に4月19日付けで国会に提示した自衛隊改正法案についても、今回取り下げることもその一つでしょうか。この法案は、先のアルジェリアにおけるテロ事件（10名の邦人が殺害）を受けて、車両による輸送を可能にする内容を盛り込んだものでした。
　
私自身、予算委員会でも安倍総理や小野寺防衛大臣に対して、今般の改正案がアルジェリア事件の教訓を活かしてのことなのか、もしそうであるならば、同じ事案が仮に他国で起こった場合に日本人の命を救うことができるのか否か、を問い質しました。単に車両輸送を追加しただけならば、人質に取られた場合の救出は、あくまで我が自衛隊ではなく相手政府に任せるしかないということになります。
　
そもそも政治の最大の使命は何でしょうか？それは国土の保全と、国民の生命・財産を守ることであるはずです。それを出来ずして国家は成り立たず、政府の存在意義が問われることとなります。
　
自衛隊法を改正するならば、我が自衛隊が当然に相手国に乗り込んで、邦人を救い出す。そのための武器の携帯および使用は、自己防衛の手段に加えるべきであるとの主張です。
中途半端な改正でお茶を濁そうとしたのか否かは分かりませんが、こうした小手先の法改正は見透かされました。現行法の根本的な問題点にスポットを当てて、本質的な議論をしていかなければ、そのツケはどんどん将来へと先送りされて大きな禍根を残すことになりましょう。