2007年を騒がせたセレブたち

【12月24日 AFP】ポップ歌手、ハリウッド女優、そして才能のある者もない者も、2007年は女性が好ましくない理由で芸能紙の紙面を独占した年だった。

■アンナ・ニコル・スミスの場合

　中でも最も人々の注目を集めたのが、『プレイボーイ（Playboy）』誌の元プレイメイト、アンナ・ニコル・スミス（Anna Nicole Smith）さんの突然の死と言えるだろう。

　2月、フロリダ（Florida）州のホテルで、薬物の過剰服用が原因で39歳で死亡したスミスさんのニュースは、その死因を明確に説明できる人がいないにも関わらず、世界中のメディアで熱狂的に取り上げられた。1990年代初め、Guess Jeansのモデルをクラウディア・シファー（Claudia Schiffer）に取って代わるなど、モデルとしても活躍。そして1994年に石油王J.ハワード・マーシャル（J. Howard Marshall）氏と結婚し話題となった。しかし、その後の約10年はまるで階段を転げ落ちるかのような人生で、自身の死のわずか数か月前には、バハマ（Bahamas）で最愛の息子ダニエルさんを亡くしていた。

■ブリトニー・スピアーズの場合

　幸せを見つけようとしたスミスさんの生き方は、ポップ歌手ブリトニー・スピアーズ（Britney Spears）や女優リンジー・ローハン（Lindsay Lohan、21）にも見られる。次から次へとタブロイド紙を賑わせたのち、人生と仕事を取り戻そうと必死にもがいたスターの中でも、最も注目された2人だ。2人とも、今年はリハビリ施設への入出所を繰り返した。スピアーズはさらにその目に余る行動から、元夫のケヴィン・フェダーライン（Kevin Federline）に2人の息子の親権を奪われている。

■リンジー・ローハンの場合

　ローハンは1月、ゴールデングローブ賞授賞式のあと、ホテルの廊下で気絶しているところを発見され、その後、リハビリ施設へ入ることになった。さらに5月と7月に飲酒運転と薬物所持で逮捕され刑務所に収監されたが、わずか84分で出所した。

　10月にユタ（Utah）州のリハビリ施設を出所してからは、目立った問題は起こしていないが、その気まぐれな行動が今後も女優活動に影響する可能性はある。

　ある業界関係者は、エンターテイメント・ウィークリー（Entertainment Weekly）誌に対し、「今、彼女が映画に出るには、逆に制作会社にお金を払ってもらわなければならない」とコメントした。この関係者は、ローハンや他のセレブの苦悩を、子役を商品にしようとするハリウッドの姿勢と、ローハンたちをまばゆい鳥かごの中に閉じこめてしまった21世紀の過熱したメディア文化の責任だと語った。

■パリス・ヒルトンの場合

　ローハンが2時間足らずで出所できたのに対し、パリス・ヒルトン（Paris Hilton）はそれほど幸運ではなかった。5月、飲酒運転に関わる保護観察違反で45日間の禁固刑を下されたパリスだったが、本当の騒動はそのあとに起こった。収監されてわずか3日後に自宅謹慎となるが、裁判所から召喚され、再収監を言い渡されたのだ。そして6月下旬に出所した。

■ニコール・リッチーの場合

　皮肉なことに、リアリティ番組でパリスと共演したニコール・リッチー（Nicole Richie、25）も今年、わずか82分の収監ではあったが、飲酒運転の罪で刑務所を経験した。歌手ライオネル・リッチー（Lionel Richie）を親に持つリッチーには、さらに2048ドル（約23万円）の罰金と3年間の保護観察処分が科された。

■エイミー・ワインハウスの場合

　そしてセレブたちの騒動はロサンゼルス（Los Angeles）のみにとどまらず、海を越えた。その中でも良く知られたのが、自伝的なシングル「リハブ（Rehab）」がヒットした英国の歌手エイミー・ワインハウス（Amy Winehouse、24）だ。アルバム『バック・トゥ・ブラック（Back to Black）』も大ヒットし、今年のグラミー賞には6部門でノミネートされたが、その私生活はしばしばレールをはずれている。

　8月には薬物の過剰服用が報じられ、その後リハビリ施設に入所。そのため米国でのツアーを中止した。10月にはノルウェーで薬物所持で逮捕され、11月には夫のブレイク・フィールダー・シビル（Blake Fielder-Civil）被告（25）が、暴行を加えたとして訴えを起こした男性を、起訴を取り下げるよう買収しようとしたとして、司法妨害容疑で勾留されている。

　ワインハウスのキャリアは汚された。17日間の英国ツアーのオープニングではステージ上でふらつき観客をののしり、その後、健康状態を理由にツアーは中止となったのだ。12月には、ブラとジーンズだけで朝早い時間に自宅の周りを疲れ切った様子で歩く姿がタブロイド紙に掲載された。ワインハウスの広報担当は、あるメディアの複数のカメラマンが自宅に押しかけ、不安を増幅させ、騒ぎを起こしていると語り、ワインハウスが現在治療を受けていることを明かした。しかし、18日には夫の司法妨害に関与した疑いで逮捕、保釈されている。(c)AFP/Rob Woollard