伝統の乳製品「馬乳酒」 | MASAHARUオフィシャルブログ 「世界一弱いプロテニスプレーヤーのブログ」 powered by アメブロ

伝統の乳製品「馬乳酒」

※このコーナーでは、JICA(独立行政法人国際協力機構)の職員や青年海外協力隊員が、世界各国の赴任先で体験した「HOTな世界の現状」をお届けします。

 馬を颯爽と乗りこなす遊牧民の少年・少女達。日本人が三輪車や自転車の乗り方を覚える頃、モンゴルの遊牧民は馬を自由自在に操れるようになり、大自然の中で馬と心を通わせながら成長します。更に、伝統的な遊牧生活において、馬乳を原料にして作られる「馬乳酒」が彼らの健康維持に欠かせないものとして存在しています。

 この「馬乳酒」はモンゴル語で「アイラグ」と呼ばれています。ちょっと調べてみると、「初恋の味」のキャッチフレーズで有名なカルピスが開発されるヒントになったという話とか、ビタミンやミネラルが豊富で結核や肺炎、高血圧・糖尿病などの生活習慣病に効果があるらしいとか、へぇ~と思うようなことが結構紹介されています。

 馬乳酒の作り方はシンプルですが手間がかかります。搾った馬乳は全て馬乳酒に利用されますが、1回にとれる量が少なく1日5~7回に分けて搾乳する必要があります。1日かけて搾った馬の生乳は、冷ましてから牛の皮で作られた「フフール」という袋に入れ、一晩かけて5000~10000回以上攪拌すると出来上がりです。

 アルコール分を2~3%含んでいますが、お酒というより健康飲料として位置づけられ、子供にもよく飲ませます。モンゴル最大のお祭り「ナーダム」が近づく6月末から冬支度が始まる9月頃までが馬乳酒のシーズンで、多くのモンゴル人達はこのアイラグが出回る短い夏を心待ちにしています。

 実際に飲んでみると、舌触りはサラサラしていて、炭酸を含んだ酸味が強いヨーグルト? という感じです。馬が食べる草の種類や管理方法が味に大きく影響するようで、各地域や家庭によって微妙に味や風味が異なります。「フフール」という牛の皮が各家庭の味、美味しさを生み出す秘訣だそうですが、最近では扱いやすいポリ容器を使う家庭も増えているようです。

 ちょっとした管理で味が変わる発酵乳製品「アイラグ」。その作り方はどことなく「ぬか床」と共通する部分を感じさせられます。
【モンゴル】伝統の乳製品「馬乳酒」
 馬を颯爽と乗りこなす遊牧民の少年・少女達.........≪続きを読む≫