中山七里『恩讐の鎮魂曲』読了 | バブル期のシステム屋の長いつぶやき

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10年の沈黙を破って、復活を目指すシステム屋のくだらないつぶやきです。

 

内容(「BOOK」データベースより)

少年時代の凶悪犯罪が暴露され悪評が拡散する弁護士・御子柴。勝率九割の敏腕も依頼者が激減、事務所移転を余儀なくされた。そんなとき少年院時代の教官が殺人容疑で逮捕され、御子柴は恩師の弁護を力ずくでもぎ取る。御子柴の弁護法廷は驚愕の展開に!「贖罪」の意味を改めて問う傑作リーガル・サスペンス。

 

凶悪犯罪を犯し、少年院で更生した弁護士・御子柴シリーズ。

 

過去を暴露され、世間から非難されながらも

 

弁護士活動を続ける。

 

少年院時代の恩師を救おうと弁護するが、

 

恩師の贖罪の重さの前に・・・

 

展開が重いけど、物語はテンポよく進む。

 

罪を犯した贖罪の意味は

 

複雑で様々な手法がある。

 

罪を背負って気力で生きること、

 

責任を負うために刑期を受け入れること、

 

どれも間違いではい。

 

人が選び、決定すること。

 

犯罪の悲惨さ、卑劣さしか見えない

 

我々に加害者の想い、

 

被害者の想いが深く心に響く。

 

この作品の前半にあった

 

「救われないことが、どれだけ過酷か

 

裁かれないことが、どれだけ苛烈か」

 

この御子柴の心情が

 

モーツアルトの鎮魂曲に

 

深く込められているように感じる。

 

法律って、裁判lって、

 

人の倫理って、道徳って

 

何なんだと考えてしまう