内容(「BOOK」データベースより)
少年時代の凶悪犯罪が暴露され悪評が拡散する弁護士・御子柴。勝率九割の敏腕も依頼者が激減、事務所移転を余儀なくされた。そんなとき少年院時代の教官が殺人容疑で逮捕され、御子柴は恩師の弁護を力ずくでもぎ取る。御子柴の弁護法廷は驚愕の展開に!「贖罪」の意味を改めて問う傑作リーガル・サスペンス。
凶悪犯罪を犯し、少年院で更生した弁護士・御子柴シリーズ。
過去を暴露され、世間から非難されながらも
弁護士活動を続ける。
少年院時代の恩師を救おうと弁護するが、
恩師の贖罪の重さの前に・・・
展開が重いけど、物語はテンポよく進む。
罪を犯した贖罪の意味は
複雑で様々な手法がある。
罪を背負って気力で生きること、
責任を負うために刑期を受け入れること、
どれも間違いではい。
人が選び、決定すること。
犯罪の悲惨さ、卑劣さしか見えない
我々に加害者の想い、
被害者の想いが深く心に響く。
この作品の前半にあった
「救われないことが、どれだけ過酷か
裁かれないことが、どれだけ苛烈か」
この御子柴の心情が
モーツアルトの鎮魂曲に
深く込められているように感じる。
法律って、裁判lって、
人の倫理って、道徳って
何なんだと考えてしまう