今日はギターを始めた方が挫折する壁 
と都市伝説的にいわれる「Fコード」についてです。 
※数年前の記事を新しく編集しました。

 
このバレーコード、たしかに曲者で、余裕で一瞬ですぐに 出来る人はそうはいません。
 
が、どれだけどうやっても永遠に出来ない という人も、まずいないと思っています。
 
マスターするにあたって、いくつかの必要な要素が考えられるので、紹介していきます。
 
 
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①一番大きいのは「気持ちの面」です。
 
よく、「才能がなくて、Fで挫折した」という言葉を聞きます。
この「才能」という言葉の意味がわかってきました。
断言します。「才能」はさほど必要ありません。
本当に出来るようになりたい気持ちさえあればどなたでも大丈夫です☆
精神論はあまり好きではないのですが、これは本当で、実際にやられてみたり、変な癖が付くのが怖いと思う方はレッスンに通われると本当の意味が分かるはずです。
 


全くの初心者の方以外にけっこう多い状態は、
セーハの表記が出た瞬間に気持ちが力み、身体が力み、余計な無駄な力が入り、余計に上手く弾けなくなる状態。
この場合、とにかく焦らずにリラックスして下さい
セーハがすぐに出来なくても死にはしません(笑)
 
また、時々聞くパターンは、日本社会や教育からか、『がむしゃらに力いっぱい頑張らないと、''やった気がしない''』という状態。
これは''やった気になる'''頑張ってる気になる''ことは満たされるかもしれませんが、楽にスムーズに演奏することとは相反することなので、''上手に音楽を演奏する''ということからは遠ざかってしまいます。
 
こういったセーハを使う箇所でお困りの方には、
木を見て森を見ずにはならないようにがオススメです。
セーハを完璧にしようと力み過ぎて音楽が固く、全体的な演奏の良さが失われるよりは、
多少セーハがびびろうと、全体が良い音楽を奏でた方が私はいいと思います。
そうそう、国際的ギタリストたちも「Fは俺だってたまにビるよ」という話を本当にします。

 目的はセーハではなく、曲の演奏。あくまでセーハはひとつの作業。
その人差し指をガンバって全弦セーハからいったん離れて、どの音を押さえないといけないかを改めて考えてみるのも大切ですね。




②実践(身体的要素&技術面) ※これは文章だけでは厳しいので、どうしてもお困りの方はお近くの教室などでレッスンを受講されてみることをオススメします。
 
さて、実際にセーハをする際には、
 
まず、手の甲、肘、腕に余計な力が入らないように、すること。

・親指も使って重心のバランスを取る
・人差し指はややアーチ状に曲げ、親指側の側面寄りで押さえる。
・他の指は他の弦に触れないように立て気味にします。
・ローポジションのセーハは全体的に親指と人差し指、手のひらとネックの空間を狭めに、引き付け気味に構える。
 
気を付けることは、
 
・力を入れすぎずに力を抜かない。
的確なポジションを、必要最小限の力で軽く押すコツを掴むことです。

・力で押さえつけるというより、人差し指がタコの足になって吸盤で吸いつくようなイメージでしょうか。
・必要なのは弦を押してる感覚です。抑え込む力ではありません。

・そして腕の重さや重力を利用します。
 

これら複数弦の押さえに関しては、いきなりガムシャラにでも出来るといえば出来ますが、場合によっては必要以上に力んでしまい、後で損をしてしまう危険もあります。

初期段階に順を追って学び、ギターの自然なフォームを自然と身に付けていけば、より早くはマスターできます。
 
ちなみにセーハで実はかなり重要なのは、人差し指というよりは、全ての指の、各指の独立(それぞれの指のコントロールを出来ること)でもあります。
その点でも、焦らずやっていかれることをオススメしています。
*人差し指から小指まで全て使いながら、教本や好きな曲でメロディを滑らかにリラックスして弾いてみることなどもオススメです。
 
 
③実践(耳)
 
何より重要なのは、セーハに限らずですが、自分の音を聴くことです。
セーハの練習においては、例えば上手く鳴らなかったら、6本まとめてではなく、1弦ずつ弾いてみて、どこが鳴ってないのか、犯人を捜してみましょう。

 
④楽器
 
どうしても難しい場合や、出来たけどキツイ場合、試してみるのは、
 
・弦のテンション(張りの強さ)を弱いものに変えてみる。
 
・ネックが反ったりしてないか見てみる。
 
・そもそも楽器の大きさが自分に合っているかを考えてみる。
 
主にクラシックギターの場合ですが、弦長640mm-630mmの小ぶりなギターや、ネックの細身なものもあるので、小柄な女性は試してみる価値はあります。子供に子供用ギターを選ぶように、小ぶりな楽器を選ぶということです。

※クラシックやエレキに比べてアコギは、特に2弦が押さえにくい場合があります。特にクラシックはやはり弦が柔らかいので最初はこちらで慣れてみるというのもいいと思います。
 
 
⑤外からの客観性と経験によるアドバイスなど
 
一生懸命やっていると、気づかないうちに力が入りすぎたり、フォームが無理やりになったりすることがあります。
場合によっては、間違った方向に練習をしてしまう危険性があります。
 
そうした場合には特に、経験者のアドバイスや客観的視点、レッスンは有効です。例えば我々ギターを教えている者は、苦手なことの対処法、練習法をいくつか持っているので、それを施すことができます。
 
楽器講師は魔法使いではないので、結局最後は練習しかないのですが、やみくもに誤った(非効率的な)道を進むことはないのは利点です。
 
また、YouTubeなどでは不可能な、間近で手本が見れる、相談が出来る という事も大きなメリットです。


 
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いくつか挙げましたが、どれだけどうやっても永遠に出来ない という人は、まずいないと思っています。
 
オススメは、『気長に気楽に』。この逆は・・・『焦って力む』。 
間違いなく後者は上達が難しくなります(笑)
 
ほとんどの場合、楽しんで取り組めば出来ると感じています。
 
 
あえて逆の例を出すと、自分の場合、体育のマット運動が苦手で嫌いでした。苦手だから、やりたくないから嫌いで苦手なのです。
 
そう考えたら、ギターをやりたいと自発的に思い、楽器を手にしているあなたには、その時点で、十分にマスターできる要素を持っているのです。
 
 
一瞬では無理でも、じっくりやって楽しく弾けるようになれば、自分で、仲間と、家族と、過ごす時間に彩を与えることになると思います。
そうしたギターライフは素敵だと思います☆ 楽しみながら、頑張らないように取り組んでみてください☆