世界の税金3
今回は、「通貨取引税」、通称「トービン税」をご紹介したいと思います。
この税金は、為替相場安定を目的に、為替取引を対象とした取引に対して課税するもので、
イギリスのトービンという経済学者によって1972年に提言されました。
取引回数を多くした分だけ相対的に税負担が重くなることから、
投機的な短期の為替取引を抑制する効果があるといわれています。
特徴としては下記が挙げられます。
・定率(例えば0.01%)、もしくは平常時に定率、異常時に割増率の適用
・500億ドル、1000億ドルともいわれる莫大な税収
・国際的な連携を必要とする
近年、金融自由化や取引のグローバル化、電子取引環境の発展、FX取引等、
外国為替の取引量が飛躍的に増えています。
その規模は1日当たり約5兆ドル(2010年)といわれています。
特に、投機的な短期の為替取引が活発に行われ、為替取引が不安定化しており、
1997年のアジア危機等、通貨危機も多発しています。
IMFによれば1975年から1997年の間に158もの通貨危機が発生したそうです。
このような通貨の安定化の必要性が高まる中で、このトービン税が注目されてくるようになりました。
その実現については、国際的連携の実効可能性、税率、徴収の方法、徴収機関、分配の方法等、
課題も多く指摘されています。
しかし、実現した場合には、国際金融の安定化、金融監視機関の運用資金、環境問題への対策費用や
発展途上国への支援等、様々な国際的な問題に対処する資金源となる可能性を秘めていることから、
国際的にも注目度が高い税金といえます。
最近でも、EUや韓国等で導入に向けた動きについて報道がありましたが、
今後、議論の行方によっては、日本でも導入に向けた動きがあるかも知れません。