何気なく使っている話し言葉 | マスエージェントブログ-絆-

何気なく使っている話し言葉

先日、日本人の国語力が低下していることが話題になっていました。

そこで今一度、自分の知識を再確認してみましょう


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次の話し言葉のうち誤って用いられているものを選びなさい


①学生時代は部活動に取組み、忙しい毎日でしたが、全然充実感があり満足しています。

②ボランティア活動に力を入れ、色々な年齢の人ともコミュニケーションが取れるようになりました。

すごい勉強になったのでよかったです。

③バスケット部の練習では、「持久力のなさ」という自分の弱点をとらまえた上で、その克服のために毎日5キロのランニングで鍛えてきました。

④私の幼い妹が、海岸で菓子パンを食べようとしたその瞬間、トンビがあっという間にパンをかっさらっていきました。目の前から一瞬でパンが消えたので、妹はまるできつねにつつまれたような顔をしていました。

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間違って表現されているのは、④です。

④以外の①、②、③については、「間違い」とは言い切れませんが、知っておいていただきたいことがあります。用い方についてそれぞれどのような指摘ができるでしょうか。

まず、④は正しくは「きつねにつままれる」という慣用句なのですが、私が高校生のころに友人と、「きつねに『つつまれる』か『つままれる』か、どっちが正解?」という話をしたことがあり、間違える人もいるのだ、と実際に思ったことがありました。

「きつねにつままれる」とは「思いがけないことが起こって、わけがわからず、ぼんやりする」という様子を表す言葉です。

①は「全然~ない」というように、本来は否定語を伴った表現をします。

例えば、「全然怖くない」「全然問題ない」などです。最近は若い人だけではなく、一般的に「全然おもしろい」というように、肯定的な言い方も耳にするようになりました。実際辞書にも載っているのですが、俗的な表現だとされており、まだまだ違和感を覚える人もいます。毎日のなにげない会話では許されますが、面接のときなどは本来の用い方ができるように日ごろから意識しましょう。

②の「すごい」についても①と同様、このような表現は、改まった場や状況ではあまりお勧めしません。辞書にもこのような言い方が載っていますので間違いではありません。ただし、「すごい」は俗語的に話し言葉で用いられます。

国語辞典などによると、もともと「すごい(凄い)」とは「ぞっとするほど恐ろしい」ことを意味するものでしたが、そこから派生して、「びっくりするほど程度がはなはだしいこと」を意味するようになりました。そして、「すごく寒い」「すごく大変だ」など副詞的に用いられるようになり、後には「すごい評判」(いい評判または悪い評判)「すごい暮らしぶり」(豪華または極貧)というように、プラス、マイナスの両方の評価のどちらにも用いられるようになりました。

②の例の場合、「すごい勉強した」というよりは、「すごく勉強した」の方が耳障りはよいでしょう。そして、エントリーシートなどの書き言葉にするならば、「大変勉強になった」などと書き換えたほうがよさそうです。

③の「とらまえる」は、辞書などには載っていますが、そもそも「とらえる」と「つかまえる」が混交してできた俗語とされています。

従って、この文例の場合は「とらえる」が正しい言い方です。


以上を理解した上で、話す場面や状況に応じて、言葉遣いが適切か判断して用いましょう。