現在公開しているスパイノワール映画『無名』を観に行った!

 

今人気のワン・イーボー(王一博)と、ベテランのトニー・レオンが共演しているのでファンはたまらんらしいが、私は特にファンではないんだけど、今回、映画館に2度足を運んでしまったのだった・・・!

 

ワン・イーボーが煽っちゃうんだけど、なにあれカッコよ目がハート!となり、その姿がもう一度見たくなっちゃってね…笑

というのは半分冗談で(半分本気真顔)、ストーリーがおもしろかったのだ~。

 

 

これもらったんだけど……💧

 

 

この映画の時代背景は、満州事変(1931)を経て日中戦争(1937)~日本敗戦(1945)まで、わりとおもしろい時代! え、しぶい?(偶然にも、ちょうど現在とりかかっている大学のレポートの課題作品に、この時代の文学作品を選んでいたのだ!)

なかでも、主に汪兆銘(=汪精衛)政権の中、潜入する共産党スパイに焦点が当てられていた。2度目に気づいたけれど、ちゃんと汪兆銘ご自身の写真が飾られていたんだね~。汪兆銘といえば日本の傀儡政権、日本からすればとても印象が良いけれど、中国では「漢奸」と扱われているのだ。よーするに民族の裏切り者。

 

なお『無名』は中国映画だから、中国から見た日本ということになってる。

この辺の時代は、すでに歴史が分かっている我々にとっては、どうしても日本人の思考や行動が滑稽に思えてきてしまう……ということで、この映画でもそんなところが見えちゃうよ~。。

 

 

国民党と共産党、そして日本軍、時代背景がある程度分からないとハテナになる部分もあるかもだけれど、基礎知識は持ち合わせている(つもり)。しかーし! 初見では、ところどころでハテナになってしまい、迷子に陥った部分が…

 

それもこれも、この映画では、時間の流れが直線で進まずに、パズルのように分解され、バラバラになった状態から始まる。ピースが少しずつ埋め込まれていき、最後に完成する~。だからちょっと分かりづらいかも~。

しかもピースが一つ一つ重要で、ある場面にたくさん伏線が貼ってあるのだよ。

また、所々で「1945年 日本敗戦3か月前」など、年号が表示されるので、それが道しるべにもなるかも。けど、その画面すぐ消えちゃった気が。

 

 

そんなこんなで、この映画は1度目よりも2度目の方が、はるかにおもしろい!!

「あれ、こんなところにこの人出てきたんだ!」とか、「あのセリフ、このために言ったんだ!」とか、色々なことが腑に落ちてきてより鮮明に楽しくなってくるよ~!二度目は時間もあっという間に感じたよ~!

 

 

 

メインはこちらのお二人でーす。

 

フー(トニー・レオン)

オールバックがとけた瞬間雰囲気変わった。。

 

イエ(ワン・イーボー)

女性より肌綺麗じゃなかったか??


 

 

個人的に気になった点(ネタバレで見た人にしか意味通じない)

  • 軍幹部の日本人渡部(森博之)、軍服もスーツも袴も着こなして雰囲気いいけど活舌悪すぎてセリフが聞き取りづらかった!
  • フー(トニー・レオン)の聴取の時とかの仕草が欧米人っぽかった。
  • 日本軍の航空機体に一緒に乗せてられていたワンコ。なぜかルーズベルトという当時の米首相の名をつけられていた(ワンコも服着てサングラス😎していたけど)。後の話で、広州爆撃の帰りにその機体は墜落したと言っていたが、日本も米も墜落ということを言いたいんだろうか。なぜわざわざ犬を乗せたんだろう?色々と皮肉に思えてくる~。
  • スパイの連絡手段がナポレオンパイだったけれど、「ナポレオンパイ」に暗喩はあったのかな。美味しいナポレオンパイ食べたくなっちゃった。あ、映画の中で、上海と香港で同じケーキ屋さんがあると思ったけど、レジの位置とか微妙に違うじゃん! あと、香港のケーキ屋さんの目つきがケーキ屋らしからぬ…まるでスナイパーのような…意味深なおめめ👀だったぞ…。
  • イエ(ワン・イーボー)の婚約者、きれいに着飾って「私は労働者と結婚する」と言われると妙な感じがした。二人は同士だったのに残念だった。が、彼女が殺された新聞を見た際、イエが突然咳き込み始めて、なんかおかしかった。ショックな時って人間咳き込むのかも。
  • 終盤のフー(トニー・レオン)とイエ(ワン・イーボー)のファイトシーン、彼らは同じ共産党であり仲間であるはずだけれど、日本の信用を確実に得るためにあえて行った死闘なんだよね。見られていない所でもあんなに手を抜かずにやるというのがプロのスパイなのだろうか? しかし、60代と20代で体力差を感じさせない見せ場。おそるべし。
  • そのファイトシーンに挑む前に、イエがあえてネクタイを変えたけれど、この意味が分からなかった! はじめにもそのシーンが出てきたから意味があると思うんだけど、なんだったのかな? 血が目立つから濃い色に変えたってそんな単純な理由じゃないよね? それにしてもみなさんスーツで機敏に戦うのすごいね。
  • 軍の渡部によれば、日本が敗戦したとしても満州だけは生き残る、「満州は帝国が生んだ奇跡だ」と言っていたが(「奇跡」じゃなくて「軌跡」なら分かるんだど)、彼の言葉も虚しく敗戦後あっという間に軍は崩壊、その理由は渡部がイエを信頼し軍の機密を教えたからだという。この渡部はやたらおしゃべりな日本人だったなあ。見てて心配になっちゃった。全体的に日本人の滑稽さがソフトに描かれていたね。   ちなみに、終戦後の歴史的な事実はちょっと違っていて、大陸では、日本軍(支那派遣軍。汪派も入る)、国民党軍、共産党軍の三軍隊が勢力を争ったといわれているよ~。日本軍は数は少なかったけど武器があったので敗戦後もはあった。むしろ、日本が負けたのは米軍であり中国ではなかったとの思いが強かったみたいしかし命令により降伏。その後は共産党が力を増し、すでに皆さんも周知の通り毛沢東によって中華人民共和国が建国されたのは1949年、日本敗戦から約4年後のこと(新潮社『日中戦争』一部参考)。
 
 
 
おまけ

 

「ちょと、考えさせてください」
 
劇中のとあるセリフ。促音や長音は中国人が苦手な発音とされている(職業柄気になっちゃう人)。「天皇陛下万歳」まで言っててなんかすごかった。
とにかく日本語をとてもがんばって話していた~。
 
ということで、『無名』でした~👏
一度だと物足りなかったから、二度みれてよかった~。
 
今期は学校に中国人留学生がたくさん入ってきたから、王一博のように日本語勉強しようぜと伝えよう~流れ星