今日は…、もうすぐ終わりだけれど、井伏鱒二の命日でしたね。

今日は仕事があってあまり時間がなかったけど、せっかくなので、短編をひとつ読みました。

 

 

 

こちら作品は、短いのに不思議な世界にいざなってくれます。

そして、色々なことを思い出させてくれました。

人生経験が長くなればなるほど、本を読むと過去の経験を思い返すことが多くなります。

本を読んでいなかったら、思い出すことがなかったことも思い出させてくれるかもしれません。

・・・ひょっとすると嫌な思い出も。

 

へんろう宿は遍路宿のことで、遍路をへんろうというらしいです。

方言でしょうか。

 

舞台は高知ですね。

井伏鱒二は旅が好きなイメージがあります。

この作品もそんな旅の途中のお話。

室戸岬の途中のバスの中で偶然目にした宿を空想したお話だとか。

 

 

 

注意ね・た・ば・れ注意

 

バスを寝過ごしてしまい、立ち寄った宿。

今だったら、たいていはバスの本数もあるだろうけど、思いっきり地方へ行くとバスの本数1日2本、3本、とかありますね。

 

その宿は、捨て子だった者たちによって成り立っているようです。

宿に子を捨てていく者がいるようで、その捨て子を育てながら宿をやっているのです。

捨て子だった子はやがて成長し宿を継ぐことに。

嫁にもいかず、戸籍も作りません。

 

遍路宿に棄て子、ということで何か深い意味もありそうだが、ちょっと頭が働かないので今回は、深く考えません。。

 

 

このような宿はさすがに無いだろうけど、この時代は十分ありそうだな、と思った。

今でいうと、多大な借金をして日本に労働に来て失敗した外国人が集まり、宿を経営し労働する、っていうのが想像できてしまい、怖くなった。

 

 

これを読んだら、昔の旅を思い出した。

 

夜行列車で北海道へ行き、北海道を鉄道でブラブラしていた旅。

新得っていう駅で降りてある宿に泊まった。

もちろんへんろう宿のような宿ではないけれど、昔ながらの宿だった。

泊まっている客はおそらく近辺で働く土木工事のおっさんとお兄ちゃん。

 

朝、部屋をまちがえたらしく、開けられちゃったよね…。

(ひとり旅。)

油断して鍵ちゃんと閉めてなかったのが悪いんだけどね。

 

さらに、北海道のどこだっけ、場所わすれたけど、古い宿。

障子が破れていて、畳は柔らかくなっていて、明りが薄暗くて、お化けが出そうだった。

住み込みで働く女中さん、そして若い子。

丁寧だったけど、暗い雰囲気で接客してくれた。

ここで働く女中さんは、どんな理由でこの宿に行きついたんだろう。

人生何があったんだろう、って余計な想像しちゃうよね。

一緒に働いていた若い子は、短期のバイト?

そうならまだいいけど、ずっと住み込みで働いているとしたら、、何があったのかな、なんてね。

 

こんな過去の旅の思い出を振り返るのも読書の醍醐味かな。