先週は、とても久しぶりに、山口周氏の「世界のエリートは、なぜ「美意識」を鍛えるのか?」、を読み直しました。


そして、印象に残った一つは、マツダの自動車が、デザインで審査されるWorld Car Design of the Year での受賞歴が数回あること、これは、他の日本車メーカーでは、経験のないことであったという記載でした。


同書曰く、そして、私自身も感じていますが、一般的に、日本車は高い評価を得ています。ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーでも受領歴がありますが、それは、品質や技術に依るものなのだそう。


しかし、マツダは、社内でCar as Artを掲げて自動車開発を進めており、デザイン面でも欧米の大手メーカーと並び評されるためには、日本の伝統的な美意識を生かすことが重要であり、具体的には、凛とした佇まいや、品の良い艶やかさを意味するということでした。その結果として、国際的に認められ、受賞につながるというのは、誇らしく思います。


書籍のこの箇所を読んだ時、日本の伝統芸能もこれにとても似た傾向があると思いました。

私の好きな能楽も、おびただしい数の海外公演がなされ。また、米国人ドナルドキーン氏の「能・文楽・歌舞伎」のなかでも、時代の変化を反映させながら継承される能楽の醍醐味について紹介されています。


日本の伝統美が、他の文化圏で認識されたり、好まれたりすることは、とても嬉しく思います。それと同時に、私自身も自分の国の伝統やそれの持つ美しさに、より敏感でありたいと思いました。