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永久指名おねがいします!【特装版】 1 (恋するソワレ)

 

『永久指名おねがいします!』――オネエ系ホストが主役の少女漫画、と侮ると痛い目を見る。

作者:カナエサト

出版社:シーモアコミックス

雑誌・レーベル:恋するソワレ

ジャンル:恋愛

完結:〇 16巻完結

 

キラキラした夜の世界、口の上手い男たち、華やかでちょっと危うい空気。

そういうイメージを持っていると、「これは自分向けじゃないかも」と一瞬思うかもしれない。

でも、そのイメージを軽々と裏切ってくる。

 

主人公は引きこもりの女の子だ。

ホストクラブとは一番縁遠いところにいたはずの彼女が、兄のせいでその世界に引き込まれ、少しずつ変わっていく。

 

本作の魅力を、評価表・あらすじ・見どころ・感想・おすすめな読者層という流れで紹介していきます。

 

 

 

 

  評価表

 

作画  ★★★★☆
ストーリー  ★★★☆☆
キャラクター  ★★★★☆
世界観  ★★★☆☆
おすすめ度  ★★★☆☆

 

 

  あらすじ

 

嶺岸十和子(みねぎしとわこ)、20歳。

引きこもりの女の子だ。外に出るのが怖くて、人と話すのが苦手で、家の中で縮こまって毎日を過ごしていた。

 

そんな十和子の日常を変えたのは、兄・マキの存在だ。

マキはホストクラブで働いており、その職場の先輩たちがなぜか十和子の生活に絡んでくることになる。

No.1ホストの蓮次(れんじ)、18歳の息吹(いぶき)、25歳の里央(りお)。

三者三様の個性を持つホストたちと関わるうちに、十和子は少しずつ外の世界へ踏み出していく。

 

特に、蓮次との関係が十和子を変えていく。

仕事では完璧なホストとして振る舞いながら、十和子の前では別の顔を見せる蓮次。

「恋なんて自分には縁がない」と思っていた十和子が、初めて誰かに惹かれていく。

 

 

  見どころ

 

1. 十和子(とわこ)の成長が、見ていて嬉しくなる

最初の十和子は、本当に外に出られない。

人の目が怖くて、声をかけられるだけで怯えてしまうような女の子だ。

その「小ささ」が、序盤では読んでいてもどかしく感じるくらいリアルに描かれている。

でもその子が、少しずつ変わっていく。

可愛くなっていく、というのは外見だけじゃなくて、表情が豊かになって、自分の気持ちを言葉にできるようになって、外に向かって踏み出せるようになる。

そのトータルの変化のことだ。

十和子を見ていると、心の底から「がんばれ」と思う。

 

2. 蓮次(れんじ)のギャップが、反則級

蓮次は、No.1ホストだ。

仕事では完璧で、口が上手くて、どんな女性の心もほぐしてしまう。

そういうキャラクターは、えてして「実は空虚」「本当の感情がない」という方向に流れがちだ。

でも蓮次は違う。

「紳士的で完璧」でありながら、十和子に対してだけ違う顔をする。

「穏やかな口調と優しい性格」の中に、どこか不器用な純粋さがある。

 

3. じれったいのに、心地いい

すぐにくっつかない。

すぐに告白しない。

でもその「じれったさ」が、ストレスではなく心地よさになっている。

十和子が少しずつ蓮次を意識して、蓮次も十和子への感情を持て余す。

その「縮まりそうで縮まらない距離感」が、先へ引っ張り続ける。

 

 

  感想

 

十和子(とわこ)の変化を見ていると、不思議と自分のことも思う。

「外に出るのが怖い」「自分には関係ない世界だ」と線を引いて生きていること。

人間なら誰しも何かしら持っている。

引きこもりの度合いは人それぞれとして、「あの場所には自分は行けない」「あの人たちとは違う」という感覚は、割と普遍的だ。

十和子の「小ささ」は、その感覚を丁寧に形にしたものだと思う。

誇張されていないし、かといって過小評価もされていない。

リアルな温度で描かれている。

 

蓮次(れんじ)については、最初は「ホスト設定だから、どうせ計算高いんでしょ」という先入観があった。

夜の世界で生きる男、口が上手い、女心の掴み方を知っている。

でも彼の十和子への向き合い方は、仕事の延長じゃない。

ホストとしての技術と、蓮次個人の誠実さが、きちんと別物として描かれている。

オネエ感は、思ったより薄い。

 

そして蓮次を含めたホストたちのキャラクターについて、ホストというより「ちょっと特殊な職場で働く普通の人たち」に近い。

ホスト漫画に慣れていない人間でも、すんなりと世界に入っていける。

 

十和子の成長はゆっくりだ。

彼女は急に変わったりしない。

外に出られるようになるまでの時間、誰かを好きだと気づくまでの時間、自分の気持ちを言葉にできるようになるまでの時間。

「この子は本当に変わった」と思えるのは、その変化が時間をかけて積み上げられているからだ。

 

じんわりと温かい気持ちが残る。

それは単に恋愛がうまくいったからじゃなくて、一人の人間がちゃんと「自分の居場所」を見つけた、という満足感だと思う。

十和子が最終的に手に入れたものは、外の世界と、人との繋がりと、自分自身への信頼なのだ。

 

 

  こんな人におすすめ

 

  • 引きこもりや人見知りの女の子が成長していく話に共感できる人
  • じれったい純愛展開が好きな人
  • ホスト設定に抵抗はないが、恋愛メインで読みたい人
  • 家族愛・友情・恋愛が混在した人間ドラマが好きな人

 

 

  作品が読めるところ