【大家MASA】大家MASA選書No.27『クオリティ国家という戦略』 | 大家MASAの世界まるごと不動産投資

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大前研一先生の「クオリティ国家という戦略」をご紹介します。


クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道/小学館
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これは日本の将来の方向性を示す書で、目からうろこの発想が盛りだくさんです。

バブル崩壊から早20年あまりを経過し、日本は、従来の加工貿易立国モデルの呪縛からなかなか解かれることなく今に至ります。
そして、このモデルでの成功体験を持つ、“旧体制(アンシャンレジーム)”が未だにリードしているため、新たな国家のグランドデザインが無いまま時間が経過していると言えるでしょう。

クオンティティではなく、クオリティ。

今後人口が伸びず、労働人口が減少、高齢化する日本において、取らなければならない方向性はまさにこれだと思います。

クオンティティを求めるのであれば、何百万人単位で外国人を大量に受け入れて内需を創出しなければなりませんが、内向きな日本にはいろいろな意味で数多くのハードルがあり、現実的ではないかも知れません。

GDPでは、中国に抜かれ3位となりましたが、まだ経済大国です。
しかしながら、国民一人当たりは、18位と平凡です。昨今の円安で実際はもっとランクが低下している事でしょう。

シンガポール、ノルウエー、スイスといった本書で登場するクオリティ国家は国民一人当たりの

GDPがとにかく高い。

例えば、98年に韓国は通貨危機を受け、事実上、破綻しました。
一次産業を捨て、基幹産業を国家主導で育成し、また同時に英語教育を徹底したのです。当時、私はバンクーバーに留学しておりましたが、同じ学校にいた当時の韓国人留学生の英語の勉強へのスタンスは鬼気迫るものでした。
日本に対する憧れとともにライバル意識も相当なもので、政治、経済、学校教育など様々な事を聞かれた記憶があります。

その後、約15年で周知の通り、当時最強と言われた日本の家電勢はことごとく、韓国勢にマーケットを奪われました。

これは旧来の垂直統合モデルにこだわったことも一つの要因でしたが、グローバルな人材育成でも負けたのです。

また本書は、クオリティ国家のモデルとして、スイスを取材しています。
スイスは、国際的に知られる企業を多く有していますが、中でも時計産業は、過去日本企業のクオーツの発明により、伝統の機械式時計が壊滅的になりました。この精度技術が安価になったことにより、時計は“実用品”と“宝飾品”に分かれました。

ところが、実用品としての時計は人件費の安い中国製が台頭し、宝飾品としてスイスの時計産業は復活した結果、日本製品は中途半端な存在になってしまいました。

このように、一時は世界のマーケット(特にコモディティ)を席巻した日本企業主導の産業が戦略性に欠くが故に海外企業に負けている例は少なくありません。
戦略的に産業、国家のグランドデザインを描き実行すること、シンガポール国民のように、国家イニシャティブをみんなが日常的に意識している事が重要なんだと思います。

英経済誌『エコノミスト』の「2050年の世界」にはこのような事が書いてあります。
・2050年、ますます日本は没落。1人当りのGDPは韓国の50%になる。
・日本をはじめとする先進国の経済減少は高齢化と過度な政治的圧力により高齢者偏重の社会となる。

こんなことが予測されている以上、日本はクオンティティからクオリティに舵を切る必要があると改めて思います。


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◆バンコクの帰国便で読破しました。



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◆今日のお昼は皿うどんでした。

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