タイトルからご想像の通り、かの名作映画「十二人の怒れる男」のリメイク。舞台を陪審員制が施行された近未来の日本に移し、シビれる密室劇に仕上がっている。原作を知らなくても充分楽しめた。ソース俺(汗)
登場人物に女性が入ることで、また独特の展開があり。原作を知る人はその対比もまた一興。
12人それぞれの人物描写も個性が際立っており、個々の人となりも気になるから1時間20分がとても短い。でも、むしろコンパクトにまとまってる位がちょうど良いのかも。
陪審員という形で他人の命にコミットするということに、当初は清々しいまでにドライな11人だ。で、ボクが共感したのは11人の方だった。そりゃ満場一致だったらすぐ帰れるのにねぇ。現実社会だったらぶちかますんだろうな。袖の下(笑)
終盤のたたみかけは、実に見事だった。
有罪に疑義を呈した8号(男性)が、最後まで有罪に固執した3号(女性)に、改めて他人の命にコミットすることを説く。
しかし言葉の数は極めて少ない。そして去り際、8号は3号に無言でカバンを渡す・・・。それは3号の現状を知ったから。
あの現状の女性であれば、命の尊さなんざ男性が到達し得ないくらい深く身に沁みているのだろう。
ボクも男なので推察の域を出ないのだけれど、今の3号を知れば、8号は長々と話すだけ野暮ってもんだろうな。
劇中ありとあらゆる怒りが飛び交うのだけれど、感情に任せたもの、道理を説くもの、はたまた退屈のままに描き上げたもの等、まぁ終始怒っておられた。劇中でピックアップされないものもあるけど、その(そこまで怒ることないんじゃない?なんで怒ってるの?)という違和感そのものを楽しむものかと心得た。
9号の顔のアザとか、11号?のたどたどしい日本語とかは殊更劇中でほじくり返されるものではないのだけれど、そういうものからにじみ出る裏設定が本編に良い奥行きをもたらしている。セリフにしないことで、より心に迫ってくるのが演劇の妙だ。
今日のお目当ての役者は下京慶子さん♪12号は抑制の利いた、そして良く気がつく所で舞台を引っ張る縁の下の力持ち。初舞台から慶子さんをずっと追いかけてるけど、こういう慶子さんも良いね。どんどん演技の幅が広がっていくなぁ。

明日も良い日でありますように。
