TPP | まーちゃんのブログ

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誰かに読んでもらうつもりで書くと、自分の考えがよくまとまってすっきりするので、このブログを始めました。

TPP

環太平洋戦略的経済連携協定のこと。加盟国間の関税を廃止することが目標だそうです。日本ではこれに参加することに対して、賛成派と反対派が真っ二つに分かれて議論を繰り広げています。テレビで見ただけですが、私は反対派です。A型ですから。

なぜ反対なのか、それを自分に問うてみました。1)協定の内容が不透明。2)日本が損をしそう。3)アメリカだけが得をしそう。この3点でした。

なぜそう思ったのか。テレビで言っていたからです。もちろん賛成派は、TPPに入らなければ日本は世界に遅れをとり損をする、と言っていました。日本にとって損か得かの議論だったのですが、私は損をすると判断したのです。

そして、あることに気づきました。誰も世界にとって損か得かとは言わなかったことです。日本が米の関税を撤廃しアメリカの米を輸入しやすくすると、日本の農業は大打撃ですが、世界的に見るとどうなのかということは誰も言いませんでした。もちろんアメリカは得をするでしょう。そのほかの世界はどうなるのか。東南アジアのどこかの国が潤って、日本に感謝したり、お金持ちになった外国の人が、高くてもおいしい日本の米を買うようになったり、自分の国でもおいしい米を作りたいと、日本の技術を輸入したり、日本の農業はだめになるが、世界的に見ると日本の輸入のおかげで世界の農業は飛躍的に進歩したり、ということはないのでしょうか。そして進歩した各国の農業は、安くて安全でおいしくて健康的な食べ物を日本の、いや全世界の庶民に届けるようになったりしないのでしょうか。

テレビのコメンテーターは「どの国も自国の利益のために策略を巡らしている。」と言っていましたが、私は「なるほど、そりゃそうだ。」と思っていたのです。でもそれは、自分さえよければ他人はどうでもいい、というのと同じではないでしょうか。相手の気持ちになって、相手のことを考えて行動しなさいと、優しいお母さんは子供に教えます。困っている人がいたら助け、社会のためになるような仕事をしなさいと、お父さんは言います。その社会とは日本の中だけなのでしょうか。

世界で最も幸福な国はブータンだそうです。世界で最も思いやりがある国は日本だと思います。自分よりもまず相手の幸福を考える、それが日本文化の伝統です。

でも、私が見たテレビの討論会で、「日本はともかく、世界が良くなるようにしましょうよ。」なんて言ったら袋叩きに会ったでしょう。それより、その政治家を選んだ国民が黙っていません。

人と国は違うから、国際間では相手の有利になるようにしてはいけない、ということなんでしょうが、どうもすっきりしません。国境にとらわれる世界は、戦争、貧困、搾取が絶えません。

国境にとらわれる原因は恐怖です。誰かに略奪されるのではないか。日本人全員が餓死するのではないか。今のような文化的な生活ができなくなるのではないか。収入が減るのではないか。仕事がなくなるのではないか。自然が破壊されるのではないか。自分の思い通りにならなくなるのではないか。国境がそれを守ってくれていると信じているのです。しかし、その国境の外側から見たら、「あいつら儲けるだけ儲けて、あっち側に逃げ込みやがった。」と思うでしょう。汚いもの、辛いこと、不便さなどはみんなこっちに押し付けておいて、とんでもないやつらだ、と思うでしょう。

日本の国境の外側の人たちが、もしそのような敵対的感情を持たなかったらどうでしょう。「私たちのおかげで、日本人は豊かで幸福になれた。よかった、よかった。」と思っていたらどうでしょう。日本はその国を滅ぼすでしょうか。最後の最後まで搾り取るようなことをするでしょうか。そんなことはしません。それどころか、もしその国に何かがあったら、自分たちの不便も顧みず援助に駆けつけるでしょう。二国間の友情は永遠のものになります。

そういう国際関係を築くことはできないのでしょうか。国際協定というのは、国と国を遠ざけるだけのような気がしてなりません。国連などの、国境を強く意識した組織は、世界を引き裂いているだけなのではないでしょうか。今の外交や国防は、誠意という言葉からは遠くかけ離れた何かなのです。人間の最も醜いもので取引をしているように見えます。

こんな甘いことを言っていると、真っ先に私が痛い目に合うことになります。仕事もお金も自由も、命さえも失うかもしれません。領土は取られ、競争に敗れ、国力は落ち、戦後のような暮らしに逆戻り、ということになるかもしれません。(戦後10年で生まれた私は本当の戦後は知らないのですが。)

それでも私は、誇り高い日本の精神を失ってはいけないと思うのです。第1に世界を考え、第2に日本を考え、第3に家族を考え、第4に自分を考える。そういう順番で行きたいと思います。

この精神を取り違えてしまったのが、第2次世界大戦の日本でした。お国のためなら家族や自分の命を犠牲にしてもいい。そういう行動に実際に出てしまったのです。それが本当に日本人を何百万人も救うのだったら仕方がありません。しかし、戦争という人殺しのために自分の命を犠牲にするのは、日本を命がけで殺人国にしようということです。尊い命をさらに奪う結果になってしまいました。

他人を優先すると自分が不幸になるという恐怖は、誰にでもあると思います。他人を信じることもできないし、自分の強さを信じることもできないからです。しかし私は信じたいのです。どんな悪人も、何かの間違いからそうなってしまった。その間違いさえなかったら、彼、もしくは彼女は、優しい人だった。そして私は自分が、最も辛く苦しいときに、人に優しくする強さを持っている。そう信じたいのです。

人が国になり、国が世界になっても、誠実さを失ってはいけません。私は搾取され、傷つけられ、虐げられることは望みませんが、人の役に立ち人を幸福にすることだったら苦労は感じません。むしろ喜びです。私はマザーテレサのように献身的に、人生を他人のために捧げることはできませんが、自分の傲慢な権利を放棄することや、相手を許すことはできます。

私は個人として誠実になろうと思います。日本も国として誠実になって欲しい。みんなでそういう国を作って欲しいのです。他国の気持ちを考え、他国の誠実さと、自国の強さを信じてもらいたいのです。

ところで、TPPですが、やはり私は反対です。関税を撤廃することには賛成です。でもTPPには誠実さが感じられません。戦略的というのが良くない。だから理由は変わりました。TPPは国の友情を壊すような気がするから、というのが理由です。


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