トミーさん、来熊。 | マサーヤンのブログ

マサーヤンのブログ

農ライフ、音楽、コーヒー、デザイン、縄文

先日(25日夜~27日朝)、スーパーカブ110で日本一周中の旅人トミーさんが、わが家(厳密には自分の家ではないんですが・笑)に遊びに来て下さいました。トミーさんとは、昨年の8月僕がリヤカーで北海道を旅していた時、帯広のライダーハウス、ヤドカリの家さんでお逢いして以来、久しぶりの再会となりました。
その帯広で出逢った以降も、僕のブログをちょくちょく読んで下さっていたようで、Bライフや里山資本主義などにもともとご興味があったそうで、旅のことだけでなく、そういう思想的?なことを僕は旅中にもこのブログによく書いてましたが、そういった内容にも共感して読んで頂いてたようで、旅の日程を調整してここ三重県熊野まで逢いに来て下さいました。ありがとうございます!m(__)m

トミーさんと言えば、ブログ村日本一周ジャンルのランキングで、もう一年近く、不動の断トツ1位をキープしてる方で(すごい…)、旅に興味のある人の中ではもうすごい有名人です。





そして26日は、これから移住する予定の熊野市須野町に2度目の下見をしに行って来ました。もう少し早いタイミングで移住できるかと思ってたんですが、、まあ焦らずボチボチと移住計画を進めて行きます。

以前もブログに書きましたが、この須野町、いわゆる限界集落で、現在の住人が3世帯の3人、すべてがご高齢者で(里山資本主義の本の中では高齢者と言わず、輝ける年齢に達した人として光齢者と呼ぶという記述がありましたが、ほんとそのとおりだと思います)、そしてこれからこの町に、僕と咲恵さんの二人が移住して住人が5人に増えるわけですが、世間的に見れば僕自身も結構いい年齢のおっさんなんですが(笑)、それでも2人が入ることで、住人の平均年齢は若返ります。

こうした日本各地のいわゆる「過疎地域」「限界集落」と呼ばれる場所で、既存の流通システム、マネー資本主義の仕組みから一歩外に出た、新しい動き、懐かしくも新しい仕組み作り、そんなものが静かに着実に日本中のいたるところで始まっている、そんないろんな例が里山資本主義の本の中で紹介されていましたが、まさに、そのような例の一つとなるようなものをこの須野町で築き上げていきたいです。

里山資本主義の本にも書いてますが
---------------------------------
「里山」とは一般に、人が出入りして活用している身近な山や林という意味です。江戸時代や、一部では戦前の日本人は燃料としての薪も水も、さまざまな食べ物や資材をこうした里山から得て里山とともに生活していたのです。こうした歴史を念頭において、著者たちが主張する「里山資本主義」とは、お金では買えない大切なものに大きな価値を置く考えかたで、できる限り地域社会で生産し消費する、いわゆる「地産地消」の循環型社会経済を指します。
(里山資本主義より抜粋)

---------------------------------

お金というものに頼らず、人間が生きていく上で最低限必要なものを(食や水や薪などのエネルギー)をその地域の中だけで賄っていく(一家族や二家族だけでは不可能なこともその地域の人たちと助け合い分かち合い協力し合えれば、可能なことだと思っています)、循環型で持続可能型な新しい時代のライフスタイル、社会の雛形の一つをこの須野町で創っていきたいです。


というわけで、トミーさんにこれから移住する予定の須野町に見学しに行くんですと言うと、興味があるので一緒に行ってもいいですか?と言われ、もちろんですと翌日トミーさんと咲恵さんと3人で須野町にいってきました。


これが今度貸して頂けることになった家。
もともと古民家だったのを、あとから現代風?にするため、囲炉裏を隠したり天井の梁を隠したり、何度か改装工事が施してあるようで(結構、日本中の家
にこういうパターンがありそうです)、これらを自由に改装してもOKだと言われているので、また床を剥がしたり天井を剥がしたりして、むかしの古民家の状態に戻す作業をやります(笑)





この床の下に囲炉裏が眠っているという話です。





こちらは台所。電気は来ているようです。しばらくは中部電力さんにお世話になります。





こちらは2階。畳を干したり、ほこりを拭いたり、だいぶ掃除をしないといけないようです。





こちらは2階の窓から見える海。






そしてこれが須野町の真ん中にある廃校となった小学校校舎。





中は、町人の人の物置小屋となっていたり、天井の一部や壁の一部が剥がれていたり、少し修繕作業が必要です。





ただ、建物自体はしっかりしてるので、ここに手を加えて、ゆくゆくはbook cafe kujuさんのような、学校跡の建物を使ったオシャレなカフェやお店が中に入ってくれることを妄想しています(笑)。そうするとここは外からも人がたくさんやってくる場所になるでしょう。






須野町見学を終えたあと、家に戻ります。
今回遊びに来て下さってるトミーさんが、なんと1から火おこしを自分でできるという素晴らしい技術を持っていることを聞いて、実は以前から興味があったことなので、ぜひぜひ教わりたいと思い、実演してもらいました。
トミーさん、地元の茨木のほうで、そういうワークショップに参加されたりして、サバイバル能力を昔からずっと意識して生きてこられた方で、旅ということ以外にもそういうことにも自分との共通項を感じたりしてとても嬉しかったです。

人間がある日突然、野原に放り出された時、(お金も文明の利器も何も通用しない世界がやってきた時)、まず必要なのは、雨風から体を守る場所の確保(葉っぱや小枝を集めてそういうものを作れるそうで、つくり方によっては真冬でも中でスッ裸で寝てても温かい状態を作れるそうです…すごい)、次に必要なものは水で、それから火、そして食べ物という順番なんだそうです。だいたい多くの人は一番最初が食べ物だという答えが帰ってくるそうです。知らなかった…。

というわけで、ライターやマッチを使わず、その辺にある材料だけを使って火起こしを実演してもらいます。檜の板と棒と枝。(本当は杉の板が良いそうです。十分に乾燥してることがキモで、火が付く確率を高めるため、今回はホームセンターで乾いた板を購入)





原理としては単純で、板の上に棒を回転させその摩擦熱により、火種が出来て火がつくというもの。安定して高速回転させるためには、安定したフォームが大切だそうです。





高速回転しています。辺りにこげ臭い匂いが漂ってきて





板の下に敷いていた麻ひもをほどいたものに点火したようで火種ができました。





火種をもう一回りおおきな麻ひもにくるんで、息を吹きかけます。





つきました!ライターもマッチもガスもいっさい使わず、まったく1からおこした火。感動です。



トミーさんのブログにもその時の模様が書かれてあります。→こちら