これは、ライダーハウス「ヤドカリの家」さんの大部屋の天井に描かれたアートなんですが、太陽(SUN)が描かれています。このアートを描いたのは、以前この「ヤドカリの家」に奈良から旅人としてやってきた京都大学に通う学生さんだそうです。この「ヤドカリの家」はほんとに不思議な場所で、いろんな過去を持ついろんな旅人が、ここに来ると普段の生活の中ではけっして口にすることのない、つらい思いやつらい過去、苦しみなど、心の奥底にある本音をぽろっと安心して吐き出して行くそうで、この奈良からやってきた学生さんも、父親との3年間もの間、口を聞いたことがなく、今まで親の敷いたレールに乗って父親の言うがままに生きてきた自分が、本当にこれでいいのかと悩み、結果父親と3年も口を聞いたことがない状態が続いていたそうです。そんな苦しい思いを涙ながらに「ヤドカリの家」のオーナーさんにぽろっと話したところ、「父親がいて、そうやってお前は悩み、いまこうして旅ができるんだ。世の中には父親のいない人もたくさんいるし、旅をしたくてもできない人もたくさんいる。電話でなら顔も見えないし、いまこの旅先からお父さんに電話を1本かけてみたらどうだい」と言われ、その後、勇気を振り絞り震える手で電話をしたそうです。すると、子供から電話が初めてかかってきた父親は何か大変なことがあったのではないかと驚き、震えながら受話器をとったそうです。その後、父親との長い確執もじょじょに薄らいでいき、この学生さんは大学を中退し、現在は今まで歩いてきた道とはまったく真逆の自分のやりたい方向に進み、頑張っているそうです。天井のアートの太陽は、おそらく彼の父親に対する思いを描いてるのではないかとオーナーさんは言っていました。
この話はわずかに一例なんですが、その他、オーナーさんに今までここにやってきたいろんな旅人の話を聞きました。涙なしには聴けないような話もたくさんありました。人の数だけいろんな人生物語があり、そんないろんな人生を背負った旅人が、オーナーさんの、旅人みんなに対する兄貴的人柄と優しさ、オーナーの奥さんの愛情、そんなものに惹かれここにたくさんの旅人が集まってくるのだと思います。ここを題材にした映画や小説がもしあれば絶対に見ますし、絶対に面白い作品になる気がします。

"旅"というのはその場所に行くことのようで実はそうでなく、そこにいる"人"に会うのが旅だと思っていて、美しい景色、素晴らしい観光地、それらは1度見ればもう十分で、やはり、そこにいる"人"に会いに行く、これが旅の本当の醍醐味なのではないでしょうか。
いままでリヤカーでいろんなところを旅して歩いてきましたが、そういう意味で、例えばお店、宿、観光地、家、なんでもいいんですが、もう一度訪れたくなる場所、また行ってみたいところ、そう思わせてくれるものは、そこにいる"人"が作り出しているものなんだと思います。
道の駅、観光地など、そこで働いてる人が、ただお金のために定時で働いてるのか、それとも働いてる人がほんとうに楽しんでいて、心から来た人に喜んでもらいたいからと働いているのかでは、そのお店、宿に入った瞬間、なんとなく分かります。

「ヤドカリの家」さん、1泊800円で、旅人にとってほんとに居心地のよい場所にするため、あやしい人や、ただ安く泊まりたいという団体客などみんな断って「旅人限定」にこだわって、採算的にはまったく合わないことをやってるとオーナーさんは苦笑していますが、だからこそ、ここを気に入って何連泊もしていく人やリピーターがこの宿には絶えないのだと思います。

旅には、たくさんの出会いがあり、そして同じ数だけの別れがあります。出会いは嬉しいしワクワクしますが、別れはつらいですね。
昨日「とかるね」の千葉さんに「いつまででもゆっくりしてって、いいですよ」と言ってもらいましたが、ほんとに「とかるね」も素敵なところで、いつまでもここに滞在していたいと思いましたが、断腸の思いで自らを奮い立たせ「ありがとうございます!今夜はまたヤドカリさんに戻って、明日また歩き出します」と言いました。
千葉さんとは、リヤカーハウスを積載し送ってもらう車の中で、これまでの千葉さんの人生の話を少し伺いました。自分なんかの人生なんて、なんて平凡なんだと思えるくらい壮絶な千葉さんの人生の話を伺いました。ここに書いていいのか分からないので詳しくは書きませんが、5年前に東京で仕事中に脳梗塞で倒れられて、左半身が付随になり、その後、いろんなことが重なって北海道にご夫婦で来られたそうで、イベント前日も不眠不休でだいぶ無理をされてるようだったので、心配になりました。どうか今後も無理をなさらないようにお願いします…。
自分のブログとかHPをかなり詳しいところまで読んで頂いてたようで、自分がブログや音楽を通して本当に伝えたいことの真意を100%と言っていいほど汲み取って頂いてて、ライブが終わったあと「涙が出た」と言ってもらいました。それを聞いて自分も目頭が熱くなりました。。
「とかるね」では、オーナーの加藤さんともいろいろお話をさせてもらって、なんでも僕がリヤカーで歩いてるところを違う場所で違う日に合計3回見かけたそうで、気になってしょうがなかったけど、仕事中だったので声をかけられなかったと。仕事に追われ声をかけられなかった自分がくやしかったよ…と言ってもらいました。それでイベントで、千葉さんから「マサーヤンを呼んでライブをしてもらうのはどう?」と聞いたときには、ぜひぜひ来てもらおうと、言って頂いたそうです。
そんないろんな経緯があり、「とかるね」のみなさんには事前に僕の情報が行き渡っていたようで、みなさん本当に温かく迎えて下さいました。雑貨店で出店されてる方々にも「どこどこで見た」とか「だれだれのfacebookで見た」とかほとんどの人に言ってもらい、自分が思っている以上に、いろんな所でいろんな人に見られているんだと驚きました。
むかし映画で「フォレストガンプ」というのがありましたが、主人公はただ歩きたいからという理由であちこちを歩いていたら、それを見た周りの人がそこからいろんなことを感じ取っていくというような内容の映画がありましたが、結構それに近いことがリヤカーハウスの旅で起きているのかなと。
加藤さんに言ってもらいましたが、1歩踏み出し歩いてるからこそ、そうやっていろんな影響を与えることができるんだよと。もし歩いていなかったら、誰にも何も与えることはできない。誰だって、心ではああしようよかこうしようとか思ってても、その1歩を踏み出すのは怖いんだ。だからいろんな理由を付けてやめてしまうんだ。
そう言ってもらえた時に、自分がやっていることにも何らかの意味があった、本当にやっていて良かった、心からそう思えました。



おととい、「とかるね」さんで十勝毎日新聞さんの取材を受けました。これは十勝地方で発行されている新聞で、これから歩いていくえりも岬はもう十勝地方ではないそうで、あまり先へ進むとこの新聞が買えません。だから十勝にいる間に自分の記事の載った新聞を読みたいので。
いろいろ悩んだ末にもう1日だけ、帯広の「ヤドカリ」さんに滞在することにしました。今日は、夕方から帯広駅前近辺でストリートライブしに行きます。





・・・続き
そして夕方から、帯広駅前でストリートライブをやりました。
この日は、ブログ更新を15時頃にしたので、そのブログを読んで、先日、ホームセンター前でお会いした、あきらさんが、なんと駅前までかけつけてくれました。CDも買って頂きまして、ほんとありがとうございました!あとは自衛隊員の方が「寮ではCDが聞けないので残念ですが…」と歌を聴かせてもらったお礼にと千円頂きました。。


10曲ほど歌いライブを終えて、ヤドカリの家に帰る途中の銭湯、アサヒ湯に立ち寄り風呂に入り(銭湯価格の420円で、風呂は少し狭かったですがお湯が温泉で素晴らしく良かったです)今日は終了です!