【政策提言】若年雇用問題をめぐる「3つのミスマッチ」を打開 | 谷あい正明 オフィシャルブログ「参議院議員 谷あい正明ブログ」Powered by Ameba

【政策提言】若年雇用問題をめぐる「3つのミスマッチ」を打開

公明党青年委員会(谷合正明青年委員長)は、全国若者雇用実態調査の結果に基づき、「若年雇用問題をめぐる『3つのミスマッチ』を打開」と題して政策提言を発表しました。
以下、提言を掲載します。


(岡山事務所)


   若年雇用問題をめぐる「3つのミスマッチ」を打開


                             公明党 青年委員会
                               2011年12月17日
  

Ⅰ 学生と中小企業とのミスマッチを打開

1.多くの中小企業がハローワークを通じ求人する一方、学生側は就職支援サイトを多用しているという情報のミスマッチを解消するため、ハローワークと就職支援サイトの連携強化を図ることや、中小企業の魅力が学生側により直接的に伝わるよう、ハローワークの求人票の内容改善を含め、ハローワークにおける中小企業に関する情報提供体制の充実・強化を進める。

2.ジョブカフェ強化型事業やドリームマッチ・プロジェクトの継続、または同様の取り組みの発展、拡充を図り、学生と中小企業の接点を強化する。

3.既卒3年間の新卒扱いの定着を目指すなかで、未就職卒業生に対するフォロー体制を充実させ、卒業後3年間も高校、専門学校、大学等のキャリアセンターを利用できるよう学校側の受け入れ体制を強化する。また在学中早期からハローワーク、ジョブカフェによる支援体制を強化するとともに、大学への出張所設置などを通じた「ジョブ・サポーター」の配置を促進することで学生が地域の中小企業の求人に接する場を増やす。

4.就職活動の早期化・長期化是正のため、就職活動の開始時期を大学3年生3月以降(短期大学の場合は大学1年生3月以降)とする。また、大学就学前後の一定期間に留学、ボランティアなど様々な社会体験を通じて見聞を深めることを可能とする「ギャップイヤー制度」の導入を促進する。

5.高校・大学在学中に、職業意識の啓発やキャリア形成支援を図るために実施されている職業体験(インターンシップ)や「就業力育成支援事業」のいっそうの充実を図る。一方でインターンが、安直な労働力確保のために利用されることのないよう適正な運用確保に努める。加えて学生用ジョブカードの開発・活用により学生が学んだ成果を「見える化」する。

6.早期離職率が高いことにかんがみ、地域の中小企業団体が協力して、新入社員への基礎的な職業訓練・能力開発を一体的に実施など、中小企業への定着支援の充実を図る。


Ⅱ 職業訓練と訓練生とのミスマッチを打開

1.多岐にわたる訓練メニューの中から、希望者に最適のコースを提供できるよう、ハローワークの職業訓練コース選択に係る斡旋機能を強化する。

2.求職者支援制度においては、職業への移行が困難な若者の利用機会が奪われないよう適切な運営をする。また給付金の支給条件(出席率等)についても、第2のセーフティネット機能が損なわれないよう適切な運用をする。

3.職業訓練学校施設の環境改善(耐震化や老朽化対策)や訓練用情報機器や資材等の充実、また職業訓練学校に在籍しているキャリア・コンサルタントの資質向上(国家資格有資格者の増員等も含め)を図るなど、訓練生のキャリアアップに資する教育環境の整備を推進する。

4.職業訓練の利便性向上のために、育児中の訓練を支援するための託児所の拡充や、身体的障がいなどの理由により通学困難な者に対する職業訓練の「eラーニング化」を推進する。

5.職業訓練紹介用のインターネットサイト機能を改善、強化するなど、職業訓練に関する広報の充実を図る。

Ⅲ 職業訓練と中小企業とのミスマッチを打開

1.職業訓練については、地域の求人に見合った内容、適正な期間となるよう改善するとともに企業の求人情報と同時に、その仕事に必要な能力を得るために有効な職業訓練内容の情報提供の促進を図る。

2.職業訓練が企業への就職にどの程度結びついているか常に検証し、インターネット等でも就職率を公表するとともに、就職率が更に向上するよう訓練内容の改善を図る。

3.企業内における有期実習型訓練を通し、国が認定した資格等を得られ、仮に職業訓練を受けた企業とは異なる所に就職したとしても通用する能力を若者が養うことができるよう環境を整備する。

4.有期実習型訓練を実施する中小企業に対する助成金制度を充実させる。