本日は二月三日、節分である。

節分は二十四節気のひとつ、立春の前日で……
なんてことはスマホを見ればAI様がすぐに教えてくれる時代か。

歳の数だけ豆を食べる。恵方を向いて長い巻き寿司を無言で食べる。
いったい誰が考案したんだろう。
歳をとる度、食べることがしんどくなるのに。

まだ豆がいくつも食べられた頃の話を思い出した。
息子が保育園に通っていた頃、小さい彼はとても怖がりで。
保育園で絵本の読み聞かせでは、その空想上の怪物に泣きわめき、年始のイベントでは、獅子舞から逃げ回った挙句、保育園から脱走する。
彼はそれほど怖がりだったため、節分の朝は元気がなかった。

理由を聞くと、保育園に鬼が来るから、と。
大丈夫だよ。あれは先生なんだよ。
服をよく見てごらん。先生の服だから。名札もきっと付いてるよ。
夢を打ち砕くような攻略法を授けたが、やはり登園するのを渋っていたな。

先生方の努力のおかげで、何とか無事一日を終えたお迎えの時間。
福豆の代わりでいつもより豪華なおやつだったらしく、すっかりと元気になっていた彼を見てホッと胸をなでおろし、自転車のチャイルドシートに彼を乗せ、家路に就いた。

家に着き食卓を見ると豆と鬼のお面。
どういうことになるのか、来週へ続く!

……と節分が終わるので、続きはWEBで、あ、ここか。

でもって晩御飯、当時はまだ恵方巻の風習はなかったかな。
いや流行りものが好きな母のことだ、きっと孫たちにも食べさせるため買ってくれていたのかもしれない。夕食を食べ終わりメインイベントのおうち豆まき大会!パフパフどんどん
盛り上がっていたのは家族4人のうち3人だけ。

約1名は怯えていた。
いいか。大丈夫だ。父ちゃんがこのお面を着けるから、鬼だけど父ちゃんだからな。
お豆で、えいや!と鬼を追い出すんだ。でも父ちゃんはちゃんと戻ってくるから、な。
と怯える息子をなだめ、我が家のイベント開始の時間となる。

お面を着けまーす!
声高な宣言とともに私がお面を着けるやいなや、彼は大声で泣き出した。
うわーん!
町中に響き渡りそうな大きな泣き声で、鬼のお面を着けた私の後ろに身を隠す。

あなたがつかんでいるそれ、鬼の脚ですよ。


 

もう20年以上前の話で、オチもない。
しかも昼間のテレビでおんなじネタ流してるし。
書こうかどうかちょっと悩んだけど、まぁ書いてみた。

そんな息子達も今ではすっかり大人になり、長男は夜勤へ出かけ、その小さかった次男は今や背丈も横幅も私以上のわがままボディ。その背中を丸め、夢中でゲームをしている。きっと今の君を見たら、鬼の方が泣き出すに違いない。
歳を重ねた母は、すでに眠りについて布団の中。

私は独りで今年の恵方、南南東に向かい黙々と恵方巻を食べる。
そして歳の数だけ豆を取り掌に並べ食べ始めると、途中でむせた。
仕方なく今年は28歳とサバを読むことにした。

そんな過去と今年の節分の話でした。