いつもここは懐かしのアニソンやらをBGMで流していて、それを背中で聴いていたところ何やら聴きなれない歌声が。。。
『10人の娘が旅に出た~♪』
どうやら数え歌的なやつのようだ。
『滝に打たれて一人目が死んだ~♪』
・・・いきなりなんと物騒な歌詞なのか。。。
続けて耳を傾けていると、どうも一人ずつ死んでいく歌詞のようである。
こんな暗くて怖くてやばい曲がアニメかなんかの主題歌であるの!!??
帰宅後、耳に残った歌詞の記憶を頼りにぐぐってみた。
すると「死神の子守唄」という曲だということがすぐに判った。
そしてその曲が使用されたのは「怪奇大作戦」という番組だったということもわかったぞ。
こんな怪しい歌を流した奇特な番組は一体どんなもんなのかと調べてみたらば。
なんと円谷プロ制作の特撮番組らしい!
しかもウルトラセブンの次の番組!
おまけに主演が岸田森!!!
岸田森氏は帰りマンで坂田健役でワイのハートを強く揺さぶった激シヴ俳優さんである。
その俳優さんが帰りマンの前に演じていたストーリーにも興味津々である。
これは、、、、観るしかないっしょ!!
、、、と思い至ってから随分と時間が経った先日。
期待に震える指でBlu-rayボックスを購入ぽち。特典ディスクを含めて5枚組のボックスはすぐに届いた。
ドラマのボックス買うのなんていつぶりだろう。。。
昔はウルトラセブン、ウルトラマンのDVDをバラでちょっとずつ買い集めたなあ。。。
その後はグラナダ版シャーロックホームズに始まり、マイアミバイスにエアウルフ、特攻野郎Aチームといった80年代の米ドラマのボックスを買いまくったものである。
尚、最終回まで全部見たのはシャーロックホームズのみだったりする。。。
第5シーズンまであるやつなんかは流石に途中でつまらなくなるもんです。
しかし!
この怪奇大作戦は、たったの26話しかない!
しかもうち1話は欠番になってるのでBlu-rayも25話のみの収録。あっという間に見終わってしまうことでしょう。
おおっ、ディスクの印刷は各サブタイトルのロゴになってるのね。
なかなかのホラー仕様である。
そして本編以外にスペシャルディスクも。
こいつは全エピソード鑑賞後のお楽しみですね。
さあ期待を胸に、いざ再生、、、、なんだけど、件の「死神の子守唄」は第5話。
なんせ関心の発端はこの話なんだから、いきなり5話から視聴してみることにした。
~以下ネタバレあり~
SRI 科学調査研究所?なる民間?の組織があり、これが警察からの依頼などにより怪奇な事件を調査・解決していくというお話。
なんせ、怪事件発生→調査→こんな背景が!→解決 という流れを30分番組で収めるもんだから実にテンポがよい。
こんなん本来60分番組にしたいっしょ!?
いやでもこのテンポの良さが魅力ということもあるな。
続けて1~10話らへんまで一気に視聴。
さすがは60年代のドラマで、第二話にはトヨタ2000GTやVWタイプ2ワゴンも登場。こういった「風景」もこの時代のドラマの魅力のひとつだ。
当時のクルマが「現役」としてイキイキ走っている姿は実に目を惹く。
路面に目を移せば、大半は舗装されているもののデコボコの土路面結構な頻度で登場する。
主人公たちは話しながらタバコを吸うし、なんならその辺にポイ捨てまでするぞ。
お店の軒先には公衆電話もあるし、もちろんご家庭の固定電話もダイヤル式。
う~ん、画面の中の全てが懐かしい昭和の光景である。。。
そんな時代に世の中が夢見た「未来の科学」が、このドラマの中では描かれている訳だ。
その際たるものはやはり「専用車」に現れる。
第一話のしょっぱなからいきなり登場する、その名も「トータス号」!
こいつがスペシャルディスクのジャケ写ということですね。
SRIの若手職員たる野村が乗って登場するその車体は、適度な未来感が!
低くコンパクトなボディはオープン形状で、そのスクリーンは大きく湾曲していてスタイリッシュ。
後年のタロウに出てきたラビットパンダやウルフ777のような「足し算オンリー」なデザインとは異なる「未来の解釈」と言えるだろう。
調べてみるに、そのベース車両はなんとサンバー。
360㏄の、当時のお手頃商用車がかくもかっこよくアレンジされるとは。
そういえばラビットパンダもベースは360㏄のバモスでしたね。
どちらも原型を留めぬアレンジに脱帽せざるを得ないんだぜ。。。
↑坂田さん、否、牧さんのフィギュアはこれしかあるまい。。。
ただ、全体的にストーリーがなんというか説明不足?粗削り?感を感じることも。
火山の火口に落ちた男がいきなりその環境に適応して特異体質を獲得(ジャミラみたいな)してしまったり、一度死んだ女が吸血鬼として甦ったけど投身であっさり死んでしまったり。
なんかこう、急なのですよ。理由の言及に乏しいのですよ。。。
「科学を悪用した犯罪に、科学で立ち向かう」的なテーマで大変かっこいいのですが、些か強引さが目立つというか。
でんじろう先生みたいな説得力は皆無である。
その辺は初代マンのスカイドンやシーボーズのお話レベルと思って差し支えないでしょう。
これも30分枠の弊害なんだろうか。。。
とはいえ。
やはりこのドラマは岸田森なのである、、、、!!
レギュラーとしては他にも小林昭二氏も登場するし、ゲストとしては櫻井浩子、古谷敏の両氏も登場。
実に華やかな俳優陣が、60年代を舞台に、オモシロ強引科学を振り回す。
それでいい、否、それがいいんですよっ!
特典ディスクのインタビューやらを早くみたいけど、全話見終わってしまうのもまた勿体ない。
そんな感情を久しぶりに感じさせてくれる「名作」なのです。