MGCパイソンはガチャガチャと気軽に動かして遊べる用の位置づけとして

まずまずなデフォルメを採用して、実銃の再現性の高さよりも

作動性や耐久性を優先させたモデルだった訳だが

コクサイのパイソンはその真逆であると思う。


なんせとにかく美しい!

色んなエッジがかっちりとしていて、安心感があるのよ。

ベンチリブの直線・直角もちゃんと直線・直角。「ヌルさ」が見当たらず、ひたすらシャープ!

このかっちり感。マルシンの金属M712のボルトの「直角」のような心地よさ。。。

当然、金属製であるが故、本体に軋み撓みヒケは見当たらない、まさに完璧なフォルムである。

 

しかし、実銃の再現に全フリされたこのモデルには最大にして致命的な弱点が。

内部メカも実銃を精密に再現したがため、トイガン用に許される材料(亜鉛合金やらアルミやら)だと

圧倒的に強度が足りないのである。

具体的には、シリンダーハンドやリバウンドレバー、シリンダーストップなど

新品の時は動くものの、摺動を繰り返すうちに擦り減ったり折れたりしてしまうのだ。

これについては購入当時も非常に有名な話であり

ショップのお兄さんに「今日中に必ず壊れます」なんて言われたのを思い出す。

実際、超丁寧に扱っても1週間はもたなかった気がする。

でも当時も今も、そんなことは割とどうでもよかったりする。

完璧な外観に、完璧なメカ(の外観)。これ以上何を望む!?

リボルバーなんだから発火しても動作をする訳でもなく。

ましてや当時からカラ撃ちに対しても嫌悪していたわたくし。

まさに、この銃については神格化して大切に扱っていました。

購入後随分長い事、触る前には必ず手を洗っていたぞ。

 

 

あ、でも一個だけこいつに些細な不満。



グリップのメダルが、購入時から片側ないのねん。。。

箱に収まっているときには見えない側なもんだからヒキョーである。

ほらなんか、ウルトラマンのソフビとかってさ、正面は塗り分けしてあるけど

背面の塗装が省略してあったりするじゃん。

あーゆー感じなんか!?と思っていたが、最近Webでコクサイパイソンの姿を見るに

どうもうちのやつだけらしいということが判明してげんなりなのである。

そのうち、ついてる側のメダルから型を取ってレジンとかで複製して嵌めようかなあ。

でもキレイに剥がせるかなあ。。。

 

あ、そうそうコクサイ金属パイソンに関してはもうひとつ。

わたくしが、ことリボルバーのモデルガン・ガスガンで最も重要な部品と考えているのが

クレーン(またはヨーク)の強度!!!!

この、フレームに固定される部分の強度が弱くてへし折れ、シリンダーのスイングアウトで

シリンダーごと落っこちるモデルに当たったことが過去に2回。

あれは切ない。本当に切ない。スイングアウトしたシリンダーを片手で支えながら装填せにゃならん。

方法的には、

①左手親指でクレーンを前から押さえつつ残りの指でフレームを保持、右手で装填。

②本体をグリップした右手の人差し指のさきっちょでぎりぎりクレーンを押さえつつ左手で装填。

などで、見た目上はさりげなくすることは出来るんだけどさ、なんかこう、不満じゃん。。。

だからクレーンに負荷がかかる押し込むタイプのスピードローダーなんかも超怖い。

装填した瞬間にシリンダーを落としちゃいそう。ぼとって。

 

 

 

 

しかし、だ。

しかしだよ。

このコクサイ金属パイソンのクレーンを見よ!!!!!!!!!


なんという安心感!

ただでさえ金属製で強度が頼もしいのに、この形状である。

絶対に折れないという強い意志を感じる。

 

 

もっと目に付くステキディテールももちろんある。

 

パイソンの好きなとこのひとつ、ハンマースパー。


刻まれた滑り止めのチェッカリングが「ぬるい」のだ。

S&Wの「ザリザリ」なエッジのワイドスパーハンマーも好きなんだけど

この何とも言えない楕円形スパー。絶妙にぬるいチェッカリング。

親指を置いてハンマーを起こそうとすると確かに滑るんだけど

妙にやさしい手触りがお気に入りなのである。

 

 

あとはこのラッチ。


MGCのものと全然形が違う。

MGCのやつは1段盛り上がっているだけなんだけど

コクサイの方は階段状になってて立体感が段違い。

掴みやすさが圧倒的なのである。

これはもしかしたら実銃のバージョン違いみたいなものかもしれないけど

それなら断然コクサイがモデルアップした形状の方が圧倒的にいいでしょ。

 

 

あ、そうそう。

よくリボルバーでS&W対コルトの比較になった時に、トリガーメカを理由にS&W

優勢のジャッジになってたりするんだけど、おいらはココを理由にコルトの優勢を語りたい!


リアサイトなら、S&Wもフルアジャスタブルじゃん、って思うでしょ?

ところが、サイトリーフに注目してみるとそこに大きな違いが!!

S&Wは「出っ張っている」がコルトは「ガードがついている」のだっ。

これは僅かな違いではあるんだけど、例えば上面を下にして落っことした時なんかに

S&Wのリアサイトは折れてしまう可能性がコルトより高い訳よ。

シリンダーのセンターを捉えるピンの太さもそうなんだが、コルトのリボルバーは

とにかく耐久性・強度への拘りを感じる。気がする。モデルによって違うかもだけど。


が、このパイソンはとにかくメカも含めたルックス全振りのモデルで、メカ的な耐久性はほぼ皆無。カラ撃ちはもちろん、発火もせずに大切にガンケースの奥に保管してます。

「再現度」という意味での最高峰と言えるコレは、モデルガンという歴史の中の偉大なマスターピースのひとつだと思うのです。