回りは真っ暗。
歩いても前に行ってるのか後ろに行ってるのかわからない。
そもそもどっちから来たのかもわからない。
さっきまで少し明るい場所にいたが、また真っ暗闇の中。
「ここどこ?」
もちろん返事はない。
どこからか音がする。
カツ カツ カツ ……。
どうやら靴の音らしい。
音が大きくなるわけでもなければ小さくなるわけでもない。
うるさいわけでもなく、小さいわけでもない。
だけど、気になる大きさ。
ただ、
カツ カツ カツ ……
とゆっくりしたリズムで聞こえてくる。
誰かいるのかとあたりを見回すが人影はない。
真っ暗の中に黒い服を着ているのだろうか。
靴音の聞こえる方と反対に歩く。
でも、靴音の大きさは変わらない。
だんだん早足になり、逃げるように走った。
しかし、靴音は追いかけてくる。
止まると、靴音も止まる。
気持ち悪いほど耳に入ってくる不快な音に耳を塞ぎ、うずくまった。
「何なの!?」
それでも靴音は聞こえてくる。
耳を塞いだ手をまるで無視するかのように。
僕は、なすすべがなく、ただ嵐が過ぎ去るのを待つばかりだった…。