小さいけど地道な漢方勉強会② | 漢方&アロマで健康生活の勧め

漢方&アロマで健康生活の勧め

漢方薬やアロマテラピーを取り入れて、日常生活を健やかに過ごす方法を提案します。

今日は、以前少しお話しした、漢方の勉強会についてお話しします。
前回は葛根湯の中の葛根だけ書きました。今回は残りの生薬についてもお話ししておきます。


甘草

  カンゾウはマメ科カンゾウの根。非常に甘みがあり、ゆえに漢方原料よりも、菓子

  の甘み付けや醤油の原料など、食用としての輸入の方が多い。非常によく使わ

  れる生薬で入っている処方の数も多い。中国での輸出量もすべての生薬の中で

  おそらく一番と思われる。
  

  中国内でも採取しすぎの状態で、採ったあとの土地が砂漠化するという問題が起

  きている。中国政府はその問題の解決のために採取の制限を作ったので、日本

  の輸入量が減少する懸念がある。
      

効能は鎮咳、鎮痛、消炎などだが、このうち消炎作用はグリチルリチンによる。鎮

  咳の他の作用はグリチルリチン以外の成分により、逆にグリチルリチンの存在が

  邪魔になることもある。グリチルリチンは皮と木部の間によく含まれる。故に鎮咳

  の目的でない処方の場合は、甘草の周囲を焼いて、グリチルリチンを排除してか

  ら使われ  る。


  甘草の周りを焼くことを「炙」という。傷寒論ではのどの炎症などに使われる甘草

  湯と桔梗湯以外は、甘草を炙していない。このように生薬に何らかの加工を施し

  て、生薬の薬効を高めたり、毒性を減弱させることを、「修治」という。


桂枝
  

  ケイヒはクスノキ科ケイの樹皮です。桂皮はいろいろな種類があります。

  現在日本で流通しているものは、広南桂皮、東興桂皮、ベトナム桂皮が主です。

  他にセイロン桂皮やジャワ桂皮がありますが、これらは薬用以外の用途が多い

  です。日本産の肉桂はニッケイの根皮として、京都の八つ橋に使われたりします。
  

  日本ではケイには「桂」という字を当てますが、カツラ科の「カツラ」という植物も同

  じ字を書きます。中国では桂と言えば「キンモクセイ 」のことを差します。キンモク

  セイから作ったお酒は「桂花陳酒」と言います。履行下りで有名な桂林は町中に

  キンモクセイの木があることから名付けられました。



麻黄
  マオウはマオウ科マオウの地上茎です。
  

  成分はエフェドリンで興奮作用があります。覚醒剤メタンフェタミン(ヒロポン)の原

  料でもあります。ゆえにスポーツ競技ではドーピング検査での禁止薬となってい

  ます。
  

  効能は発汗、鎮痛、鎮咳作用がありますが、これらはみな体温を上昇させることに

  より起こる反応です。言いかえれば、麻黄の主たる作用は体温を上げることによ

  り、症状の改善をはかっていると言えます。
  

  体表に血液を回す作用がありますので、食後に飲むと胃の血流が悪くなって消化

  不良を起こすことがあります。



残りの生薬については、また次の機会にお話しさせていただきたいと思っております。




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