9月22日の続きになります
だんじりを見るのは
曳航だけではなく停車している時に
しか見れないのがあります
そう動く美術館と言っても良い程
見ると大きな溜め息が出ます
そうです彫り物です
地車には様々な動物や人そして自然をかたどった彫り物があります
各町の地車によって皆彫り物は
異なりますし又似たような題材が
彫られていてもそれを彫った人
より全く異なった趣のあるものと
なります
中には120年以上の時を経ても
大部分は現存している地車も
あります
1は
隣縣魚 となりげぎょ
別名降縣魚くだりげぎょ
拝縣魚の左右に位置していて桁の
先端を隠す役割をした彫り物
桁隠しとも言います
2は
車板
くるまいた
上地車で特徴的
縣魚の内側に位置し龍や唐獅子が
みられます
3
拝縣魚 おがみげぎょ
破風正面下
元々は棟木を隠す役割を担います
青龍や朱雀などが多いですね
4
破風 はふ
屋根の形状を言います
切妻造り形態で簡単に言うと三角の
屋根の一つで直線ではなく湾曲が
みられるのがおおいです
5
鳥衾 とりぶすま
一般の瓦屋根の家にもみられる
鬼瓦の上に配置する円筒状の瓦で
鳥衾の衾は本来 平安時代に
用いられた寝具のことをさすそうで
転じて寝る所=寝所
鳥の寝る所で鳥衾と呼ばれるように
なったという説もあります
装飾的な目的が強いですが一説に
よる鬼板を鳥の糞から守るためとも
言われているそうです
6
獅噛 しがみ
一般的には鬼板と呼ばれますが
獅子が噛み付いていることから
ここでは獅噛と呼びます
唐獅子を意匠化したものが多く
武者や神話の人物なども見られる
7
虹梁 こうりょう
四本柱上部の架け橋になるもので
虹のように曲線を描く梁から
来ています
8
脇障子 わきしょうじ
地車の中柱の部分で側方に張り出し
地区により彫り物の題材は異なります
9
笠木 脇障子の上部
水平方向に走る柱です
10
刎勾欄 はねこうらんこうらんの
先端部は上方に向かって反ります
建築技術的に非常に難しく現代の
地車工匠でも一本の木材でこの
湾曲を再現するのは非常に難しい
と言われています
11
張菜棒 ちょうさいぼう
地車を動かす際に曳き手が力を
こめる場所
12
縁葛 えんかずら
勾欄を支える土台となる横木
細かい彫刻が施されています
13
土呂幕 どろまく
土呂台と欄干の間を埋める木板で
透かしの彫り物が入ることが多く
テーマは牡丹に唐獅子や武者などが
多いそうです
14
土呂台 どろだい
地車の底辺を形作る土台の役割を
担う柱で彫刻は波など水に関する
ものとなります
15
コマ 車輪
コマそのものに補強のため鉄輪を
はめることもあるそうで地車に
より内ゴマと外ゴマがあります
16
箱棟はこむねと呼ばれ屋根の頂を
3枚の板で箱状の棟としています
側面には龍などの彫刻が多いです
17
男屋根 おやね
2枚板になる地車の前部で前屋根
ともいわれる
18
女屋根 めやね
地車後部の屋根や後屋根とも
言います
19
桝合 ますあい
虹梁の上部を埋め別名欄間で
枡と枡の間を埋めることから枡合
とも呼ばれています
20
三枚板 さんまいいた
地車後部、両側面と後面を埋めます
大きな板に彫刻がされ三枚板は
住吉型地車に特徴的で神戸型地車は
この部分に装飾のなされた幕が
付くそうです 見送り幕
21
角障子 すみしょうじ
地車後方角左右一対ずつ配置され
住吉型地車の特徴ですね
22
架木 ほこき
勾欄を構成する柱で地車上半部は
神社を模した形となってるみたいで
勾欄には要所要所に金物が施されて
おり材木としては黒檀を用いる事が
多いですね
23
勾欄の彫り物
部位としては非常に小さなスペース
ですが武者などの彫刻がなされて
います
24
木鼻 きばな
はな とは端を意味し唐獅子等の
彫刻がなされることが多いみたいです
25
担い棒 にないぼう
11の張菜棒と同じ?かな?
地車を動かす際に力をこめる
それぞれに意味合いがあるのですね
だんじりと聞いて
まず思い浮かべるのは街中を豪快に
走る姿ですよね
待って下さい
それ本当に もったいないですよ
だんじりの至るところの彫物の
素晴らしさも決して見逃す事は
出来ないんですよぉ~~
だんじりの彫物は漆塗りや金箔等を
施さずに欅の木目を活かした
仕上がりで彫り物の種類は人物
馬や霊獣そして花鳥ものから
唐草などの文様に至る実に様々
なものがあります
見どころとしては腰回り 見送り
土呂幕 枡合等で戦記物語や神話物語
の名場面が彫刻されています
彫物の題材に取り上げられる物語は
大衆に親しまれた歌舞伎や
人形浄瑠璃そして講談での演目が
多く だんじりには史実と虚構が
入り混じった物語の世界が
繰り広げられているのです
彫刻師はそれらの物語を題材として
描かれた錦絵や絵本の図柄を参考に
下絵を描き その下絵をもとに
立体的な構想を膨らませて欅に
匠の技を刻み込みます
江戸時代
だんじりの製作に あたっては藩の
許可を必要としたそうで
これは庶民に質素倹約を強いていた
理由もありますが彫物図柄の検閲
の意味合いが強かったようです
当時は彫物に政治批判と
受け取られるようなものや織田家
豊臣家に関連する題材は規制を
受けていて江戸時代のだんじりは
主として三国志や水滸伝などの
中国の物語や仙人に唐子遊び
そして源平合戦や川中島合戦などが
彫られている所が多いですね
ところが明治に入り自由な題材を
選べるようになると地元大阪の
太閤びいきから太閤記や上方講談を
代表する軍談難波戦記そして人気の
高い忠臣蔵などが取り上げられる
様になりました
また明治政府が国家主義的教育を
推進したこともあり日本神話や
後醍醐天皇に忠義を尽くした
楠木正成らの活躍を描く太平記
なども登場していますね
岸和田では大阪夏の陣もありますね
近年では各町に伝わる伝承や
伝説に基づいた独自の彫物図柄も
数多く見られるようになりました
これは説明でも書いた獅噛
しがみと読みます
獅子を象っており地車の顔の様な
もので単に鬼板とも呼ぶ事も
多いです
地車前後に1匹ずつ男屋根の
最後尾にもいます
抹茶も凄く驚いたのは昨日も書いた
この(@ ̄□ ̄@;)だんじりです
もう
見事としか言いようがありません
この細かい彫り物は今まで見た中で
ダントツ一番かなと抹茶は思って
います
だんじりには大切な彫り物を守る
ために金網に覆われています
が
金網がありませんので撮り放題です
岸和田型だんじりの製作費用は
平均1億円以上もする走る芸術品で
だんじりは樹齢300年を超える
欅の大木から作られているのが
多いですね
樹齢数百年を超える良質の
欅の大木なんて("⌒∇⌒")そんなに
あるものではありません
その材料費も高く軽く数千万円は
するらしいですね
だんじり大工は原木を製材し
製作するだんじりの図面を書き
一つ一つの部材を製作します
だんじりの製作には約4~5年もの
歳月がかかるそうで
だんじり製作に費やす日数と手間
そしてなによりも出来上がった
だんじりの完成度を見ると
そのお値段が1億円以上するのも
納得いただけるものと思います
もっとマクロレンズでパチパチ
撮りたかったですが(T_T)(T_T)
また見に行ってみたいなぁ~と
感じた抹茶で御座います
この表情と言い表現と言い
本当に飛び出てきそうな立体感
見事と言うのと本当に溜め息が出て
今回は撮れませんでしたが
桑津天神社のだんじりは大阪で2台
しかない屋根の上にも彫り物が
施されています
屋根を撮らせて欲しいと言う方も
いらっしゃるほど凄いのです
そう聞くと早く見て撮りたいと
思ってしまいますがぁ("⌒∇⌒")