まさまるは、仕事帰りに飲みに行くと帰れなくなる。ただでさえ遅くまで働かされてますから、その後、飲みに行って帰れるわけがないのである。いつも一緒に飲みに行くのは、ごんざぶろうである。週に2回は飲みに行っていた。行くところは決まっている。新宿歌舞伎町の海峡である。あそこの鳥のからあげを食うのが目的だ。ここの唐揚げは、最高にでかくて、うまい。これに野獣のように喰らい付くのが、好きだった。しばらく二人で飲んでいると、だいたい、ごんざぶろうの携帯に同期仲間から電話が入り、合流させろ、というケースが多い。だから、帰れなくなるのだ。後からきた奴らは、たいてい家が新宿から近いから帰れるが、まさまるだけは、クソ田舎から出勤している。すぐ帰ったら途中から合流する奴らに失礼じゃん・・・そんな事を言ってるから帰れなくなるのだ。23時頃になると、ごんざぶろうが、今日は、カプり決定だな。と笑いながら言う。カプりとは、カプセルホテルに泊まるの意。日付が変わるまで、たっぷり飲んで、喰らい付くして、帰る頃。ごんざぶろうは、決まって、カプセルホテルに着いてきて、俺も、まさまると一緒にカプるぜー。と言う。これが、ごんざぶろうの優しさなのだ。ごんざぶろうは、帰ろうと思えば帰れるのに・・・。断っても勝手についてくるのだから仕方がない。別にホモじゃねーよ。そうと決まれば、二人で、歌舞伎町に、あっそびに行っくぜ!・・・朝方、4時とか5時まで、飲んで、次の日は、ほとんど虫の息・・・。それでも、けんちゃんには、そんなの関係ねー、はいっ、おっぱっぴー状態。今、思えば、けんちゃんって、コジマよしおさんに、くりそつだ・・・