桜が咲き始めましたね〜🌸
夜桜、綺麗〜
新美南吉記念館・企画展
”「一枚の葉書」は「蟹工船」のオマージュか?”
4月16日(土)〜7月3日(日)
展示パネルのための
「一枚の葉書」の挿絵。。。
完成しました〜!
こちらは、郵便配達の少年です。
全部で9枚描かせていただきました✨
「一枚の葉書」。。。
美しく悲しい物語なのですが、
この物語が、「蟹工船」のオマージュとして
書かれたかもしれない。。とは。。!
びっくりです。
最近になって、そのことが分かったそうで
物語が生まれた時代背景や、
南吉さんがどのような思いから書いていたのか、
様々な角度から、資料や日記などなど、
展示されるようです。
とても見ごたえがありそう。。。!!
ぜひ見に行きたいです。。(いけたらいいな〜)
ご存知ない方にも物語を読んでいただけたら嬉しいので、
何回かに分けて、こちらに書かせて
いただきますので、よろしかったらお付き合いくださいね
「一枚の葉書」 新美南吉
その葉書が書かれたのは美しい四角な机の上でした。
熊のお人形や、緑色の時計や、青いおおいのかむさった
電気スタンドなどものっかっている美しい四角な机の上でした。
その葉書を書いたのはお手々の白い可愛い女の子でした。
ーーーお母さん、ついでだから田舎のおとみちゃんとこへも
一本書きますよ。
ーーーそうね、それがいいわ。
そこで女の子はこう書いたのでした。
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おとみちゃんおかわりありませんか。
せんだってはリンゴを送って頂いて
ありがとう。
もう冬が来ますね。
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それから女の子は葉書を裏返して宛名を書きました。
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北海道、××郡 △△村 字蟹江
森 吉太郎様方
とみ様
東京市大森区〇〇一五
石川道子
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そしてこの一枚の葉書は街角に立っているポストの口に
投げこまれました。
女の子はその晩、柔らかいベッドの中でお母さんにいいました。
ーーーお母さん明後日にはもうあの葉書が北海道までゆくのね、
ほんとうにゆくんでしょうか。
するとお母さんは答えました。
ーーーちっとも心配しなくっていいのよ。北海道くらいなんでもないわ、
ロンドンだって、パリへだって出せばゆくんですもの。
けれどこの葉書は先方へ届いたでしょうか。
次回につづく。。。
最後までお読みくださり、ありがとうございます!