今回はマニアからのお買取品で、IWC(インターナショナルウオッチカンパニー)のポルトギーゼブラックダイアルK18に付いてその機械調整と新品の仕上げに付いてお話したいと思います。
このほどお客様からお買取させて頂いたのは、時計好きな方なら誰でもご存知のポルトギーゼのK18ホワイトゴールドのブラック文字盤。
以前のオーナーが大切に使用されていただろう事は時計の状態から充分理解出来ますが、やはり時計本体に打ち傷はないものの細かいスレが見られ、ベゼルの間にかなりの埃や人体から出る油も見られましたので機械調整と新品仕上げをする事にしました。
新品仕上げと言っても様様なケースがあり、イエローゴールドやプラチナ素材などはそのまま研磨機で本体の仕上げをすれば良いのですが、ホワイトゴールドはK18(750)の場合下地がシルバー色では無く、少し黄色いのが一般的です。
例としてブルガリのホワイトゴールドのリングを長い間指に着けているとロジウムメッキがハゲて来ます。この加工を知らない方はコピーではないかと疑う方もいる訳ですね。
話はもどりますが、先ほどの様にホワイトゴールドの時計を研磨すると下地の黄色い部分が出て来てしまいますので、時計本体からキャリバーを取り出して、ケースに研磨を掛け、シルバー色のロジウムメッキを施します。
そしてケースのメッキをしている間、抜き出された機械にオーバーホールもしくは機械調整します。
当社の基準は、プラス、マイナス10秒以内は機械調整の必要なし、プラス、マイナス30秒以上は機械調整、そして1分以上は必ずオーバーホールを施して出品します。
全ての作業工程が完了する迄約2週間前後です。
磨き前の写真はアップ出来ませんでしたが、磨き後の時計本体は写真の通り新品同様になっています。
IWCとROLEXのファンは全く分かれているようで、両方の時計をコレクションされている方は非常に少ない様です。
あくまでも筆者の主観ですが、IWCのコレクターの方が機械好きでこだわりが有る様に見受けられます。
1868年 - アメリカ人技師で以前ハワードで働いていたフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ(Florentine Ariosto Jones )が時計職人のヨハン・ハインリッヒ・モーザー(Johann Heinrich Moser )と協力し、アメリカ市場向けに懐中時計を販売するためスイスのシャフハウゼンで創業。
その為にスイスメーカーとしては唯一英語名のメーカーである