TBS日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』は、馬主である山王ファミリーを中心に物語が展開していきます。
そこには、多くのファミリーや馬の血統も描かれ、血縁を超えた「ファミリー」の形が主題となってドラマが展開されいきます。
観ていて、自分の人生と重ね合わせながら、ドラマに引きまれていきました。
父を亡くした税理士・栗須栄治は、馬主・山王耕造に拾われ、競馬界の頂点「有馬記念制覇」という彼の夢を支えることになります。
血縁や世代を超えた家族の絆、競走馬との出会いと別れを通じて、夢の継承と新たな人生を歩み出す人間ドラマです。
JRA全面協力のもと、毎回“本気のレース”を物語の中核に据えるという贅沢さに、まず拍手を送りたいです。
単なる題材として競馬を語るのではなく、その緊張感や高揚を真正面からドラマに落とし込み、観る者の拳を自然と握らせてくれました。
この作品を通して、有馬記念というレースが、これまで以上に特別なものとして胸に刻まれた――そんな体験をさせてくれたドラマでした。
競馬という題材を軸にしながら、「情熱」「継承」「人と人の関係性」を真正面から描いた、非常に熱量の高いドラマだった。
セリフが生っぽくて時に不器用なセリフ回しが全編徹底しており、登場人物たちの感情がむき出しでぶつかってきます。
その中心にいるのが栗須。彼の何度となく見せる男泣きは、回を追うごとに物語の重みを背負い、観る側の感情も否応なく揺さぶってきました。
物語の推進力として何より印象的なのは、レースシーンの高揚感。
思わず拳を握り、「いけー!」と声を出したくなるクライマックスが何度も訪れる贅沢さは、日曜劇場らしさの真骨頂でした。
そしてこのドラマを語るうえで個人的に欠かせないのが、山王耕造と椎名という二人の社長の存在です。
ヤクザの親分のような語り口がクセになる山王と、彼を静かに意識し続ける椎名。
椎名の「何かを心から楽しんでいる人といると、こちらの孤独が癒える」という言葉に象徴されるように、この二人の関係性は、勝敗やビジネスを超えた“人としてのつながり”を感じさせ、作品の大きな感情の支柱になっていました。
後半は「継承」というテーマがより色濃くなり、親から子へ、先代から次世代へと受け渡されるものの重さが描かれています。
山王社長の血をひく耕一の実直でクールな強さと椎名ジュニアの生意気さの中にある魅力や、次世代を担う若者たちの存在も、物語に新たな熱を加えています。
最終話では、シンプルな熱血展開を予想していたところを、良い意味で裏切る構成に興奮させられました。
椎名社長が大きく活躍しつつ、最後の最後まで山王社長が物語の中心に“生きている”感覚を残した締めくくりは見事でした。
観終わったあとに残るのは、熱さと満腹感、そしてなぜか天ぷらとジンギスカンとビールが無性に恋しくなる余韻。
『ザ・ロイヤルファミリー』は、情熱を受け継ぐことの尊さと、人が本気で生きる姿の眩しさを、全力で描き切った日曜劇場でした。

