数日前のテレビ番組。
なにげなく見ていると、「ハマスとイスラエルの戦争」という言葉が耳に入ってきた。
一瞬、我が耳を疑った。
が、その言葉は間違いなく数回繰り返し使われていた。
が、現実はイスラエル軍の無差別空爆によって病院や学校が破壊され37,000人もの民間人が殺されている。
空爆による直接的な殺害だけではなく、国連や赤十字による民間人への食料や援助物資の供給さえをもイスラエル軍は妨害している。
正しく報道するなら、イスラエルによるパレスチナの民間人に対する一方的な虐殺と報ずるべきではないのか。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)もイスラエルの戦争関連の国際法違反が指摘している
なのに日本のテレビは「ハマスとイスラエルの戦争」と報じる。
未だにイスラエルを援助し続けている米国やヨーロッパの一部の国の思惑を忖度しているからだろうか。
また次の日の別の番組では、南シナ海におけるフィリピン軍の船と中国海警局の船が衝突したことを報じていた。
領海や国境の争いなどには歴史や複雑な問題などがからんでいる。
ぼくなどが軽々に論じられる問題じゃない。
が、ぼくが気になったのはそのニュースの解説者の方。
解説者は元海上自衛隊の一等海佐にして、現在は笹川平和財団(創立者:笹川良一)の上級フェロー。
何もその経歴を見てケチをつけようというのじゃない。
誰であろうと自分が正しいと考えるを主張することに異存はない。
しかしながら、その方はこの衝突をロシアによるウクライナ侵攻と結び付けて解説していた。
さらには台湾有事にも。
そのことが気になった。
テレビは政治に係わるような問題があると、必ずといっていいほど専門家と称する人を呼び解説をさせている。
そして、コメンテーターたちがその解説にそったかたちのコメントをする。
その結果、その解説内容は間違いなく正しいのだとのイメージが視聴者に植えつけられる。
なぜテレビは異なる見解を持つ人をも呼んで両者を対比させないのだろうか。
おそらく、そうなればその番組は討論番組になってしまい視聴率などは取れなくなってしまうからなのだろう。
当然そのような番組にはスポンサーはつかなくなる。
番組制作者が意識していようといまいと、結局テレビは洗脳装置として機能しているのではないか。
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(今日の別冊付録)