読み終えた本が2~3冊たまっている。

ということで、今日は久々に「読書」というテーマでブログを書いてみようと思う。

宮口幸治著「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書)

この本を読みたいと思ったのは、本のタイトルもさることながら、その表紙に掲載されていた「非行少年が“三等分”したケーキの図」に衝撃を受けたからだ。

 

 

著者の経歴は、

京都大学工学部を卒業し、民間企業で務めた餅に神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院医療少年院に勤務。現在は立命館大学産業社会学部教授。

とある。

本書は医療少年院での勤務経験を元にかかれているという。

 

本書を紹介するといっても、ぼくにはこの本の著者の考えを肯定する能力も否定する能力もない。

ただ、読み終えて非行少年に対する認識が変わったことは事実

だ。

なので拝聴するという姿勢で本書を紹介するにとどめる。

無責任なようだが、本書の受け止め方は各自のご判断にお任せする。

 

面接の中では他に、罪を犯した自分のことをどう思っているのかいつも聞くようにしていました。自分のことを正しく知ることが更生へのスタートだからです。

(中略)

しかし、わたしが驚いたのは役8割の少年が「自分はやさしい人間だ」と答えたことでした。どんなにひどい犯罪を行った少年たち(連続強姦、一生治らない後遺症を負わせた暴行・障害、放火、殺人など)でも同様でした。当初、私は耳を疑いましたが、どうやら本気で思っていたのです。

(中略)そこで「どんなとところがやさしのか?」と尋ねてみると「小さい子どもやお年寄りにやさしい」「友だちからやさしいって言われる」と答えたりするのです。

(中略)そこでさらに私は「君は○○して、人が亡くなったけど、それは殺人ですね。それでも君はやさしい人間なの?」と聞いてみますと、そこで初めて「あー、やさしくないです」と答えるのです。

 

箸休めです。中2になる孫息子の生け花。

 

この例の他にも、「人を殺してしまいたい気持ちが消えない少年」「幼児ばかり狙う性非行少年」との会話なども本書には記されている。

そして著者は、非行少年に共通する特徴は認知機能の弱さなどにあるとして、

・認知機能の弱さ・・・見たり聞いたり想像する力が弱い。

・感情統制の弱さ・・・感情をコントロールするのが苦手。すぐに  キレる。

・融通の利かなさ・・・何でも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い。

・不適切な自己評価・・・自分の問題点がわからない。自信があり過ぎる、無さ過ぎる。

・対人スキルの乏しさ・・・人とのコミュニケーションが苦手。

・身体的不器用さ・・・力加減ができない、身体の使い方が不器用。

の5点を挙げている。

 

と、ここまで書いて、急に今日のブログの主訴を変えたくなった。

牽強付会我田引水、どのような言葉でもお使いください。

 

・認知機能の弱さ・・・貧富の差の拡大への想像力の欠如。新型コロナに対する認識と対応のお粗末さ。

・感情統制の弱さ・・・こんな人たちに負けるわけにはいかない発言。すぐにキレる。

・融通の利かなさ・・・思いつきのアベのマスクの配布やPCR検査の拒絶。オリンピックや総選挙の日程を横目で見ながらの緊急事態宣言。

・不適切な自己評価・・・美しい国ニッポンだとかアベノミクスで経済回復した等のやってる感のみの政治。原発へのアンダーコントロール発言やコロナに打ち勝った証しのオリンピック発言。

・対人スキルの乏しさ・・・まるでかみあわない国会答弁や、記者会見におけるその指摘はあたらない発言。

・力加減ができない・・・集団的自衛権の行使容認や等にみられる憲法無視の閣議決定や特定秘密保護法の強行採決。

 

あれあれ、これらってまるっきり「自分はやさしいという殺人少年」と同じじゃないか。

安倍、菅、麻生、二階堂たちにケーキを三等分する図を書かせてみたくなった。

はたして、どのような分割線を書き込むのだろか。

 

 

「ケーキの切れない非行少年たち」という本に話を戻そう。

著者は、認知能力の弱さのサインは小学2年生のころから 子どもたちは発し始めるという。

そのためには、教科教育だけではだめだと言う。

著者はその対処法も記している。

ぼくにはその方法の是非は判断できない。

が、学校の先生だけではなく、子どもに関わっている人は目を通してもよいのではと思う。

ひつこく繰り返すが専門家ではないぼくにはこの本の正当な評価はできない。

したがって、その評価はあくまでもご自分で。