京都旅行で、「東福寺」さんに行ってきました。

 

通天橋の紅葉は超有名ですが、この時期の青もみじもすごく素敵です。

そして、何と言っても、一番のおすすめは、方丈のお庭です。

 

東福寺さんは、お寺の名前の由来が、「東大寺」、「興福寺」から来ていることからも分かるようにとても規模の大きい立派な寺院です。京都五山にも列せられており、俗称で「伽藍面」と呼ばれ、幾つもの大伽藍が並んでいます。

 

 

日本最古の「三門」(国宝)

 

昭和期木造建築では日本最大級となる「本堂(法堂)」

 

非公開ですが、天井の「蒼龍図」を覗くことができました。

堂本印象さんが、16日間で書き上げたそうです。

 

 

いよいよ方丈のお庭を拝見します。

方丈の周りには、ぐるりと4つのお庭(「八相の庭」)が配されています。

作庭家「重森三玲」氏による、80年以上前の作品です。

 

「北庭」

まず目に入るのが、北斗七星の石の配置。

苔の曲線が天の川を表して、お庭に広がりを与えています。

柄杓のお水で清めるとの意味もあるようです。

星を表す円柱型の石は、東司(とうす)=トイレを解体した際の廃材だったものとのことです。

禅宗寺院らしく何も無駄にしない精神の現れでしょうか。

 

 

「南庭」

方丈前のメインのお庭になります。

左手には、仙人が住む島に見立てた巨石が配置されています。

躍動感あふれる巨石の配置が素晴らしいです。

 

右手には、苔山で表した京都五山。

 

渦巻く砂紋によって「八海」を表しています。

 

西庭(井田の庭)

きれいな四角で刈り込まれたサツキを市松模様になるように配した庭園

苔の曲線も美しいです。

 

北庭(小市松模様の庭)

苔と石板による小市松模様の庭。

西(天竺)から東(日本)へ、仏教が伝わる様を表すとも言われています。

彫刻家イサム・ノグチはこの庭を「モンドリアン風の新しい角度の庭」と評しました。

 

 

「通天橋」方丈と開山堂を結んで架かる橋です。

ここから眺める渓谷は、紅葉の名所として知られています。

紅葉シーズンには1日数万人が訪れますが、この時期も新緑の素晴らしい眺め。

 

 

 

 

 

「唐かえで」

開山の聖一国師が宋から持ち帰ったと言われます。葉先が三股に分かれているのが特徴です。(もみじは、五股に)

 

 

また、東福寺で、このような歴史を感じるお話を伺いました。
 
「深夜の送り鐘」

『送り鐘』は毎晩深夜23時45分に鳴り響きます。

東福寺を開山した聖一国師は建仁寺の職務も兼ねていて、夜になると建仁寺に移動するという日々を過ごしていました。

東福寺は聖一国師の出発を建仁寺に知らせるために鐘を鳴らしました。この伝統は聖一国師が亡くなって以降も毎日続き、今日まで約800年受け継がれています。

 

まさに京都の歴史の長さを感じる素晴らしいお話ですね!
是非、深夜に響き渡る鐘の音を聞いてみたくなりました。
 
この時期の東福寺は、さほど混んでおらず、のんびりと緑、お庭を楽しみたい方にはぴったりだと思います!