今日は形成外科にこだわらず、手術全般に関係することを勝手に書きます。
清潔という言葉を聞いてどういう感じがしますか?
きれい、無菌、掃除した後、気持ちいいなど好意的な言葉が浮かぶと思います。
では、不潔という言葉を聞いてどういう感じがしますでしょうか?
汚い、ばい菌だらけ、掃除をしていない、だらしない、汚れ、、など悪い印象の言葉が浮かびそうです。
これらには皆様異存がないかと思います。
これを踏まえまして、、、
医療の世界では道具や医療材料、手術機械全般に対して、滅菌しているものか、滅菌していないか
という分類をしています。
滅菌の方法にはガス滅菌とか、オートクレーブとか、いろいろあるのですが、、
とにかく菌がいない状態にして封をしたものかそうでないか、という風に分けています。
当然、手術などで使うものは滅菌したものなので、「清潔な機械」「清潔なガーゼ」を使います。
では、、清潔ではない=滅菌していないもの、の存在意義はないではないか。。
とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
すべて滅菌してあればよいと考えるのが通常です。
しかし、、滅菌にもコストがかかります。同じガーゼでも滅菌しているものとしていないものでは、
封をしたり維持しておくために滅菌代がかかるのです。
ですから、汚染したもの、、例えば最初から細菌まみれの便などで汚染した陰部のふき取りなどに
滅菌ガーゼを使うのは無駄なのです。
滅菌していないだけであって、ばい菌まみれというわけではないからです。
人間が生活している世界は、細菌にまみれています。
人間の体の皮膚表面もブドウ球菌という菌におおわれています。
ですから、滅菌しているものを利用する必要がない場合もあるのです。
これらを説明して、何が言いたいかといいますと、、
僕たち形成外科医は局所麻酔で意識がある状態で手術を行うことも非常に多いです。
そのような場合は、看護師と医師のやり取りなど、
患者さんは聞こえていながら手術を受けることになるのです。
例えば手術前の局所麻酔の注射あとから出てきた出血をふき取る際などには、
滅菌ガーゼを出してもらうよりも、すぐそこにある未滅菌ガーゼなどをすぐもらう方が、出血を早く抑えられるし、無駄にならないのです。
以上の動きを、看護師と医師のやり取りとして再現しますと、、、
医師「ガーゼください」
看護師「不潔(ガーゼ)でいいですか」
医師「いいよ~」
どうですか?
自分が患者だったら。
え??不潔なものでいいってどういうこと??
いやいや、清潔なガーゼで拭いてくださいよ。って思うのが普通だと思います。
自分は未滅菌という言葉を使うようにしているので、
看護師が不潔でいいですか、、などと言ったら、「未滅菌ね。」
といいます。
医療用語、業界用語なのですが、むだに患者さんの不安をあおるような言葉は避けたいものです。
運悪く傷が術後に感染をおこしたりしたら、不潔なガーゼで拭いたから??
などという余計な心配につながることもあるかもしれません。
おそらくご自分でそういうように対応していらっしゃる院長先生やクリニックなども多いと思いますが、私の属しているところはまだ清潔不潔です。。
本日の番外編 清潔、不潔と言わずに、 滅菌、未滅菌といいたいものです。