さて、この本は非常に含蓄に富むので、もう一つ大切なことに触れます。
それは、
- 「できないことの割り切り」
- 「できることへの集中」
を意識化 する以前に そもそもメンタルがマズイっす、フラつくっすという方(私もその代表格ですが)への
- メンタルマネジメントの処方 です。
以下が内容ですが、極限状態で実践されたものなので、メンタルで悩まれる方への参考になると思います。
著者 湯澤剛
ある日突然40億円の借金を背負う――それでも人生はなんとかなる。
湯澤さんが背負ったものは...
莫大な借金だけでなく、言うことを聞かない従業員ら。
そんな従業員でも辞められてしまうと売上が立たず、会社が潰れてしまう。強く注意したら逆に「社長 謝れ!」と呼び出される始末。 人間関係にも苦しんだ著者。
国税庁からの帰り道では、フラフラと無意識に電車へ飛び込みそうになった。それ以降ホームの一番前に立たないそうな。
そんな 地獄 にいた 湯澤さんの死なないメンタル処方です。
【正気を保つ方法】
1. 自分の心の状態を常に把握する
鏡をみるように自分の心を客観的に見る。感情的になった時は、「いまどんな感情が
でてきたか?」を取り出し観察。
微熱があるかな?といった体調ケアと同じように、ネガティブな心の調子もケアし、
原因を捉え、’自分のできることだけをやろう’ との段階に持っていく。
2. 言葉遣い
マイナス・被害者思考の言葉に気をつける。つい出てしまってもその場で言い換える。 自分の言葉を一番聞いているのは自分。
3. 自分が見る・聞くものに気を配る
戦没学生の手記『きけ わだつみのこえ』を何冊も購入し、事務所、自宅、電話の横、車の中などに置く。
自分が苦しいとき、より苦しい時にいた (そして死んでいった)彼らの手記を見る。
自分を奮い立たせる曲、映画をなんども見る。逆に落ち込むような演歌は禁止。
4. 原因は自分に探すこと
起こることはすべて必然。偶然はない。自分にコントロールできない原因によって辛いことが起きると考えると恐ろしすぎる。
自分の考え方や行動で道は拓けると信じてきた。
5. 宇宙に思いを馳せる
心が折れそうな時は、たいてい視野が狭くなっている。目の前の問題に心が囚われいる。
なので自分のことなど些末な事象に過ぎない と思うために広大な宇宙に思いを馳せていた。宇宙は150億光年。
6. 睡眠
どんなに疲れても仕事がよぎると寝つけない
鬼平犯科帳や剣客商売などの朗読CDをきいてストーリーに集中すると眠りに落ちれた。
夜中に目が覚めたら、もう一度聞く。
日記や借金返済表も夜の慰めであった。
こういったことを習慣化し
なんとか立ち上がっていった。
【突き詰めると】
1. まず、自分の心を覗き、感情や囚われをきづき、認める。
2. 他者の苦難や宇宙と比較し、その囚われは些末なものであるとする。
3. 元気がでるもの、集中するものを持ち、囚われを抜く、離れる
4. 前向きな言葉に置き換え、実際に自分の心に語りかけ、昇華する
世間一般によくあるのが、瞑想、単調な運動(ウォーキングや階段の昇降、雑草抜き)、ストレスをゴミに捨てるイメトレ、趣味の世界・・・は3.
1. 2. 4. も 意識化できたら 自分も世の中も明るくなりますね。無理もしない。
以上、紹介でした。
湯澤さん、素敵な本 ありがとうございます。また、誰かのアメブロにあったことでこの本を知りました。ネットの発展も素晴らしいですね。