学生時代から雑記帳みたいなものをつけていました。
つけていたというか、仕方なく書いていたというか。
考え事や悩み事を相談するのは苦手だったので。
大学を卒業した時、一度全部捨てました。
なんとなくゴミ箱に入れました。
社会に出てからも時間があると何か書いていました。
ノートやコーヒースタンドの紙ナプキンやコンビニのコピー用紙なんかに書きました。
ファミレスの店員にボールペンを借りたことも。
そうするしかなかったから。
何か形にしておかないと自分の存在意義がなくなってしまう気がして。
怖かった。
頭に浮かんだ言葉をつかまえたかった
消え去る前に。
今、ノート3冊分あります。
多いのか少ないのか判りません。
たぶん誰にも見せないでしょう。
見せる類のものではないから。
でもたぶん今度は捨てないでしょう。
そういう類のものでもないから。
さっき押入れから引っ張り出してきました。最後にノートに書いたのは2年前くらいのようです。
2年間何も書いてなかったというのは驚きでした。
そして嬉しかった。紙とペンがなくても普通でいられる自分が。
最後のページにこんなことが書いてありました。
「今日あったことを全部覚えておこうと思った
あの人たちの言ったこと 一言一句くまなく全部
でもたぶんそれは無理な話で 自分の力不足を残念に思うばかり
下り電車のあの人たちを見送った ママのくれたおしぼりの 石鹸のいいにおいが指に染み付いていた」
これだけであの夜のことを思い出しました。
ノート3冊分の言葉は私の宝物なのかもしれません。