第3章:線引きの基準と許容範囲 ⑧-1
現在は企業の相関関係が複雑になっていることも多く、基本“どこまで”を“どの会社”が“どのように”というある程度の担当範囲は決まっているのだが、これは社内規約で決まっている内容に関しての範囲であって、カスタマーハラスメントでの範囲ではないことから、エリアを越えてしまうと対応が難しいというケースも多い。 また、同じ系列の企業であるからと言って取り扱っていない商品やサービスを強要するケースも増えていることから、カスタマーハラスメントを減らすことも大事なのだが、お客さま側の考え方を変えられるように周知する、正しい情報を発信していくということが社員を保護する観点からは大事なのだが、問題は企業のトラブルが新たな問題を引き起こさないかという直接的なカスタマーハラスメントが起因となっていないケースだ。 これは実際にあった事例なのだが、ある企業の商品を買ったお客さまがパッケージの内容を読んで購入したにもかかわらず、パッケージの内容と実際の内容が異なっているということで問い合わせ先に連絡をしたのだが、このお客さまが購入した商品は“プライベートブランド”であったことから、記載されている企業は“製造”は担っているのだが、お客さま対応などはプライベートブランドの商品開発部が担っていたことから、異なる窓口に回されたことでかなり激怒していたという事例があった。 この事例は一見すると問題がないように見えるのだが、お客さま側からすると“プライベートブランドだからといってメーカーが対応しないのはおかしい”という製造している企業に対する攻撃につながってしまう可能性や“この商品を1番知っているのは販売しているメーカーなのだから、全部まとめて対応しないのはおかしい”のようにプライベートブランドの商品であってもメーカーが責任を取ることが常識であるかのような発言も出てくるのだ。 その他にも“予約していた商品が実際に購入したときの内容量と異なっている”ということでお怒りの電話がメーカーにかかってきたなど企業側がきちんと説明をしておくことで防げた問題が結果としてカスタマーハラスメントにつながってしまったという事例は多いように感じる。 これもグレーゾーンではあるのだが、現在の消費者契約法では“予約した商品を販売する場合には売約時に締結した条件が基本となり、条件や内容量等を変更する場合にはあらかじめ事情等を購入者に通知し、同意を求めた上で了承してもらう必要がある”という内容があることや景品表示法でも“企業側が購入者の同意を得ずに内容量を変更する、価格を変更するということは出来ない”となっているのだが、このような事例が今後増加するという可能性は否定出来ないのだ。