最近、夜空の月を見上げることがなくなったなあ、と思っていた矢先、『お月見コンサート』なる篠笛の演奏会の誘いが舞い込んだ。場所は中区のとても個性的な設えの居酒屋である。美しい笛の音色を聞きながら、おいしい膳を美酒とともにいただく。月を愛でるには、ちょうどその日は雨模様だったが、兎も角も、なんと贅沢な夜か、なんと幸せなことか。料理は”お月見膳“と銘打った凝った懐石風で、集まった客が板張りの座敷のまわりをぐるりと囲み、座敷の中央の奥まったところに篠笛奏者の梶川純司さんが座って笛を吹くという一風変わったシチュエーションでコンサートは催された。
篠笛は、篠竹を切って、1、2年の間、囲炉裏の上につりさげて、いわば“スモーク”して仕上げるのだそうだ。匂いを嗅ぐとまさにスモーク・ハムのようである。
演奏する梶川さんはフルート奏者である。9歳からフルートを始めて、19歳の時にソリストとしてある楽団のコンサートツアーに加わった。先日もG8のサミットが広島で開催されたが、そこに招かれ、晩餐会で演奏した程の人である。篠笛は45歳のときから始めたが、年齢を重ねるにつれて“和”に惹かれるらしいのだ。フルートに形こそ似ているが、“似て非なる”ものだそうだ。
彼が演奏する篠笛は、涙が出るほど美しい。梶川さんの素晴らしいところは、オーケストラでも演奏するし、数人のファミリーパーティにも気楽に出掛けていって、素晴らしい演奏をじかに聴かせてくれることだ。
みなさま、梶川さんの演奏会があるときは、日程をお知らせするので、ぜひ一度、足を運んでみては如何かな。
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