1月3日の夜遅く、帰省先から戻った。

年末からずっと留守にしていた自宅は、全く火の気がなかった為

外気と変わらぬくらいの冷え方だった。

慌ててファンヒーターを点ける。

あわせて、エアコンも。

 

寒くて、暗い。

もう5回経験したけど、

子供達が一緒でまだ良かった。

賑やかな正月の帰省から、ひとりでこの家に戻って

ひとり暖を取る、この流れをすることになったら、

きっとまだ私は泣いてしまうと思う。

 

ポストを覗くと、年賀状が数枚入っていた。

夫亡き後、年賀状じまいのお知らせこそしていないが

こちらから出す事はなく、

返事も寒中見舞いで出しているのだから、

だいたいの人は、察して来なくなったが、

それでもまだ、10枚ほどが届く。

 

夫が亡くなったのを知っていながら

年賀欠礼の葉書も受け取っていながら、

告別式から2ヶ月後の正月に、家族勢揃いの写真入り年賀状を

送りつけてきた、父方の私のいとこ。

私は彼女が、幼い頃から嫌いだった。

暗くて、真面目で、意地悪で。

こちらから一切、返信もしていないのに、

また今年も送ってきた。

 

娘が結婚しました、と勢揃いの家族写真。

ハワイの青い海と、ウエディングドレス。

要らないわ。

よっつにちぎってゴミ箱に捨てた。

 

義母からも来ていた。

年末に書いたのだろう。

その数日後に、大地震に遭うとも知らず。

 

「今年は〇〇の(私の亡夫の)七回忌です。

 とても悲しいです。」

とだけ書かれてあった。

 

それを見た瞬間、涙が溢れた。

とんでもない地雷だった。

 

義母の素直な気持ち。

何年経ったって、悲しいよね。

悲しくて。悲しくて。

 

所詮他人でしかない、実家の私の実父や実母には

到底想像もつかない気持ち。

 

お義母さん、私はわかるよ。

何年経っても、悲しい気持ち。

 

実際、死別して直ぐの頃、

6年も先の自分なんて、もっともっと元気になって、

夫と死別した事など、遠い過去のことになっていて

もっとカラッと、サラッと、割り切れるようになっていると思ってた。

 

オギャーと生まれた赤ん坊が、

小学生になるほどの長さの年月。

長い長い年月。

 

夫との死別を完全に受容して、元気に逞しく生きていると思ってた。

たしかに傷は生傷ではなくなった。

でも、こんなに時々強く疼くなんて、5年前の私は想定していなかった。

 

私は、もっと動じなくなりたい。

人生最大のストレスと言われるこの配偶者との死別すら、

本当は、飼い慣らしたい。

10年選手になったら、それができるようになるの?

20年?

いったい、いつまで?

いつまで頑張れば、それが可能に?

 

 

ストレスと言えば、メンタルにダメージを与える悪い意味のストレスだけじゃなく、

良い出来事、嬉しい変化であっても、環境の変化はストレスになると言う。

そういう意味では、ここ一年は、私にとっては、物凄いストレスフルな一年だった。

 

息子に続き、娘も家を出て、本格的に一人暮らしになり、

ブログを始めてブロ友さんがたくさん出来て、

外に出て働き始めて、思いのほか楽しくて、

欲が出て、資格取得の試験を受けたり、

10年以上ぶりの海外旅行。

死別後初めて、恋をしたり。

泣いたり、笑ったり、怒ったり、拗ねたり。

友達の死。

能登半島地震。

そして今回の手術。

 

私の小さな器では、完全にキャパオーバー。

脳内の処理能力を超えている。

それらが原因で不安定になっているのか、

単なる更年期症状なのか、

加齢によるものなのか、

もう、何がなんだかわからない。

 

涙がすぐに出てしまう。

子供たちにも、涙もろかった夫にも、

「すぐに泣くな!」といつも叱責していた泣かない女の私が。

 

夫が亡くなってからずっと、私の涙腺の蛇口は壊れたまんまだけど

今も修復しない。

もうずっと死ぬまでこうかも知れない。

 


熱心な仏教徒でもなんでもないけど、

一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、、、、と節目の年度があるとするなら、

明らかに変わったことがある。

 

私も一緒に連れて行って欲しかったと、

今世に一人生きたくないと、そんなことばかり考えた一周忌や三回忌。

 

今回は、そうじゃない。

この世で、もう少し頑張ってみるよ。

さすがママ!かっこいいね、いいね、いいね、その生き様!って

天国で言ってもらえるように、

私らしく生きるから、応援しててね、

どんな事も、どんな時も、応援しててね、って。

 

心からそう思う、今年は七回忌。


年末の北陸道のSA。この季節に北陸がこの青空は珍しい。

今現在は、灰色の空で雪が散らついているよう。

避難所の皆様が、一刻も早く暖を取れますように。

 

 

 

 


 

 

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