昨日は、朝からがんセンターに行ってきた。

先日、チラッと書いたかもしれないが、私は年に数回、子宮頸癌の経過観察で通院している。

癌になってるわけではない。癌化する前の状態の異形成段階の真ん中、中等度異形成なのだそうだ。

もう一つ上の高度異形成になると、円錐切除法という患部を切り取る外科的手術が視野に入ってくるらしい。

もちろん私の状態でも、手術は適応内なので、経過観察にエンドレスに通うのが面倒なら、切っちゃった方がいいかもよ

と、医師は薦めてくる。 いやいや嫌よ。痛いしグロいし絶対嫌よ。

夫が身体にメスを入れるたび、加速度的に衰弱していった姿を思い出す。

医療者達は気軽に切ったり貼ったりを薦めてくるが、私はもうそれしか選択肢が無いという状態になるまでは

手術は受けないと決めている。

なので、年に3回ほど、結果を聞きに行く日を入れると年6回ほど通っている。


がんセンターに行くと、毎回癌を患う人の多さに驚く。

県内だけじゃなく、近隣の他県からも来られているだろうから、朝から人でごった返している。

ここにくると、健康の有り難さと、健康は当たり前では無いことを、思い知らされる。

夫は、がんセンターに来る事はなかったが、どうしても夫の闘病と重なり何年通っても泣きそうになる。


市の検診で異常が見つかったのが、夫の一周忌が終わって暫くした頃。

不整脈の心臓カテーテル術を終え、夫の一周忌を終え、辛さは益々深くなり、

亡くなった直後より今の方が辛いじゃないか、、、と狼狽えているところに子宮検診の再受診の手紙が届いた。

医学的根拠は無いが、癌あるあるで小耳に挟んだのが『乳がんは遺伝の占める割合が高く、子宮系はストレスが

大きく起因している』と。 昔から、女は子宮で考えるなどと言うが、確かに思考の影響を受けやすい臓器なのかも。

夫を亡くすと言う最大のストレスに晒されて、癌になっても、決しておかしくない。


「次はこうくるのかよ…」 夫が癌で亡くなって、その涙も乾かないうちに今度は私が子宮癌?

こんな不幸デパートみたいな話、ホントにあるんだ…笑っちゃうくらい不幸な家族だな…と

半ば他人事のような気持ちだった。

子供達がいるっていうのに、『無治療』のワードも頭に浮かんだ。

あの頃の私は今と違って、『生きたく』なかったんだと思う。

近所のクリニックで、細胞診より精密な検査の組織診を受けた。

子宮内部の奥の方の組織を鋏みたいなので、パチンパチンって3箇所切り取るのよ〜ゲロー

痛いのよ〜ゲロー 麻酔無しで。 たまに意識が遠のく人もいるらしい。

男性は失神しちゃうかもねw  


夫の痛みや辛さは、こんなものじゃなかっただろう…私はまたしても内診台の上で泣いていた。

こんな思いをしてまで、生きるって何のためだろう…ってパチンパチンって切られながら

諸行無常の涙を流した。

そして、結果は中等度。軽度ならそのままクリニックで経過観察でいいのだが、

それ以上という事で、大きな病院を紹介された。


夫の時には私がいつも付き添ったけど、私の受診は当然ひとり。 いつも、ひとり。

がんセンターに来る人達は高齢の方が多い。 私の両親くらいのご夫婦が多い。

夫か妻か、どちらかが患者で、どちらかが付き添い。

でも、私は、ひとり。いつも、ひとり。(←しつこいw)


初めての診察の日。待合のロビーで私は必死に涙を堪えていた。

夫の病院とは違うから、大丈夫とタカを括っていたが、予想外に、辛い思い出が迫ってきた。

気を抜くと、涙がこぼれそうになるから、なるべく違う事を考えて、考えて…


診察室で、優しい森のクマさんみたいな先生に、一年前に夫が癌で亡くなった事なども話した。

再度検査を受けて、結果はまた来週という事で帰ろうとした時、1人の看護師さんに呼び止められた。

中年の、私より若干年上かな?と思われる看護師さんは、私の両手を握って

「あなた、大変だったわね、ご主人が亡くなって、お子さん達がいるのに、癌の疑い有りなんて。

 今日ここに来るまで、どんな思いだったかって思うと涙が出るわ。 来週結果を聞く時に、ひとりで

 先生の話を聞くのが不安だったら、このがんセンターでは専門の看護師が一緒に聞く対応ができるの。

 必要だったら、言ってね。」

看護師さんの目には涙が滲んでいた。


う、う、うわぁーーーんアセアセえーん   

私は、あの時夫が病気になって以来初めて、病院で他人がたくさんいる所で

子供のように大声で泣いた。

初めて会う人の前で大泣きしたのは、後にも先にもあの時だけだ。

一旦堰を切ったように、泣き始めたら途中で泣き止む事が出来なかった。

その時に思った。

陳腐な励ましや、教訓なんていらない。

「大変だったね」 「辛かったね」 ってわかってもらえるだけでどんなにうれしいか。どんなに安心するか。


そして昨日。 盲腸の時の病院での指摘もあり、念入りに超音波で調べてもらった結果、

子宮内膜の厚みの原因は、なんとまだ女性ホルモンが働いてて、極軽いけど生理が起きてる状態の為らしいと。

片方の卵巣が少し腫れてて、排卵を起こしてるような状態だと。

すっかり閉経したものだと思っていた私は、なんかまだ『現役の女性よ☝️』って言われてるみたいで、

ちょっと微妙に、嬉しかったりしたのでした。爆笑 







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