こんにちは。

 

自らのHSP傾向と付き合いつつ、

精神科医として働きながら、

イヤイヤ期真っ盛り(もうすぐ終わり?)の男の子のお母ちゃんしてます。


今回はこちらの続き。


精神科に進むことを決めた一つ目の理由は、

中島らもに憧れていたから。


二つ目の理由は、

ある患者さんとの出会いでした。

(個人情報の観点から一部改変しています。)



病院実習で出会った患者さん


医学部四年生になると、病院実習が始まります。

精神科の実習は五年生の時でした。


一人の入院患者さんを担当し、

2週間勉強するのです。


私が担当させてもらったのは、

40代の男性、Aさん。


初めて病室に行く前に、

カルテをちらっと見ると、

病名は「アルコール依存症」。


検査結果から、相当肝機能も悪いことが分かります。

内科でも入院を繰り返しているようです。



初めましてのご挨拶、そして


Aさんはとっても優しくて穏やかな方でした。

でも、肝機能が悪いのでグッタリしています。


初日は簡単な挨拶に留め、

ナースステーションに戻って

カルテを見て勉強します。



ん…?


どういうこと…?


当時は紙のカルテだったのですが、

読めば読むほど衝撃が心の中に広がりました。



アルコール依存症、その原因は


40代男性、アルコール依存症。


こう聞いて、どんな人を思い浮かべますか?


・元々飲める体質で、若い頃から飲酒習慣があった


・何かのストレスで飲酒量が増えた


・段々歯止めがきかなくなり、昼間も飲むようになり日常生活に支障をきたすようになった


こんな単純な話ではないでしょうが、

当時は漠然とそんなストーリーを考えていました。


ところが、Aさんは違ったのです…。


続きます。