こんにちは。

 

自らのHSP傾向と付き合いつつ、

精神科医として働きながら、

イヤイヤ期真っ盛り(もうすぐ終わり?)の男の子のお母ちゃんしてます。


前回はこちら。


今回は、以前何度か行った鍼灸院でのできごと。


「慢性的な体調不良には鍼灸が良いよ!」

と友人に聞き、

以前から東洋医学にも興味があったので、

初めて鍼灸院に行ってみたんです。

どこに行けばいいのか分からないので、

とりあえず自宅近くの鍼灸院へ。



先生は30代半ば、

メガネをかけていて、色白で

ほっそりした、優しそうな方でした。

 


待合室には女性が数人、診察を待っています。



問診票を記入し、

服を着替え、施術室で待ちます。



その鍼灸院には、

いくつかの小さな施術室があり、

薄い壁で仕切られています。



私が待っている間に、

隣の部屋で診察が始まりました。



こんな時、私のHSP傾向も相まって、

聞きたくなくても

隣の部屋の会話は全部耳に入ってきます…。



…この声、どこかで…はてなマーク

 


どうも患者さんは、

私の知り合いのAさんのようです。

Aさんは60代半ば、

普段は飄々としたイメージの方です。



先生は、Aさんの身体を触りながら

(見てないけど)


「ここ、この肩甲骨のあたり…

ここはね、『気苦労のツボ』

と言ってね…


あなた、

自分のことは後回しにして

頑張っているんでしょう


その途端、Aさん号泣!


「そうなんです!

いつも家族のことばっかり優先して、

私のことなんて…(涙)」

とオイオイ泣きながら、

「自分がいかに普段我慢して頑張っているか」

を語ります。



これはヤバい…

何だかすごく気まずいぞ驚き

絶対に後で待合室で

顔を合わさないようにしなければ…



変な緊張感で、

診察を受ける前からぐったりです。

 


そして、待ちに待った私の番!

先生はどんな診立てをしてくれるのか、

わくわくして診察に臨みました。



先生は問診票を見ながら、

「あー、小さいお子さんがいるのね。

それは大変ですよね。」

と優しい口調で話します。


そして、背中を触りながら言ったのです。


「ここ、この肩甲骨のあたり…

ここはね、『気苦労のツボ』 と言ってね…


あなた、

自分のことは後回しにして

頑張っているんでしょう



さっきとまるっきり同じやないかい!

営業トークやったんか!

誰にでも言っとるんかい!


それを聞いた途端、

自分の中で、

サーっと気持ちが冷めていくのを感じました。


その後、いくつか鍼を打ったり

お灸を据えてもらって

その日の施術は終わりました。


あの先生は、

毎回患者さんに

同じ決めゼリフを言ってるんだろうなぁ。


「自分のことを後回しにして頑張ってる」と

言われて、

嫌な気になる人はいませんものね。

初対面の方の心を掴むには、

間違いのないセリフです。


私も、Aさんの診察を聞いていなかったら

オイオイ泣いてたクチかもしれません真顔


それから数回、

その鍼灸院に行ったのですが、

どうしても先日の決めゼリフが頭にちらつき、

先生の言葉を信じられなくなって、

通うのをやめてしまいました無気力


私は普段、

完全な個室で診察しているので、

他の患者さんの診察の様子が

垣間見れたのは良い経験でした


女ゴコロを掴む技も盗んでみようかしら…飛び出すハート