先々週、会話のテストをした。面接テストとペーパーテスト。
ペーパーテストは「て形」「ない形」「た形」などの基本的な問題。
全体的には、よくできていた。99点など90点以上がクラスに15人ほどいる。平均は82.4。
しかし、一方で29点という学生もいて、かなり学力のばらつきのあることがわかった。
今やっておかないとできる子との差はどんどん広がると思い、先週返却した時に、日本の高校でのやり方で、
「80点以下の人は月曜日の昼休みに教室へ来なさい。再テストをします。」
悲しそうな、暗い表情を浮かべる学生が何人か。
中国では補習や再テストなんてしないのかなあ。
さてさて、昨日は作文の授業。
「えっと、今回書いてもらうテーマは友だちです。」
「エッーーーーーー!!!」(ブーイングの声)
初めてのブーイングに、「え、なんで?」と驚きの私。
「1年生の時に何回も書いた!」
なるほど。
今、作文の授業は、テーマを決め、そのテーマの作文でよく使いそうな言葉を30ぐらい、そして同じくよく使いそうな表現を5つぐらい取り上げた上で、作文を書かせている。
今回は、言葉としては「ほがらかな」「まじめな」「仲のいい」「相談する」「慰める」など。こちらから一方的に説明しても面白くないし、いくらかはすでに知っている語もあるようなので、事前に辞書で調べた中国語を板書し、「は~い、これは日本語で何でしょう?」とやっている。関連表現としては、今回は「相談にのってくれる」「助けてもらう」「教えてあげる」などの「授受表現」をとりあげていた。
言葉は一つひとつ辞書で中国語を調べるので、準備に結構時間がかかる。関連表現もテーマにあわせたものだ。
突然ブーイングされても、簡単に「じゃ、テーマを変えましょう。」というわけにはいかない。
「そうか、じゃ、友情・恋愛・人間関係ということでどう?」と、値切られた店員のように妥協案を出す。
「はい、いいです」
あっさり交渉成立。さっきの大きな声のブーイングは何だったのかと思う。
一通り説明した後、例の「が」と「は」の違いに入った。
本当に分かっていない。分かっているのは、
「彼は日本語が上手です。」の「~は~が~」と、
「日本の将棋はできるが、中国の将棋はできない」の対比の「は」。
まず、
①「彼は先生です。」
②「彼が先生です。」
の違いが分かっていない。
「前に疑問文があるとしたら、どんな疑問文ですか?」と聞くと、
①は「彼は何ですか(何をする人ですか)?」
②は「誰が先生ですか?」
と、ちゃんと答えが出て、これはクリアー。
次に、「私が中国へ来た目的は・・・」の「が」。
連体修飾の中では「は」は使わないというと、初めて聞いたのだろう、
「おっー」というような感動のような声があがった。
③「友人が来た時、私はテレビを見ていた」
④「友人は来た時、花を持っていた」
は、こちらからは説明せずに学生の方から答えがでるのを待った。
あまり今まで手をあげたことのない学生が恐る恐る手をあげ、
何か言おうとするが、うまく言えない。
めったに手をあげることのない学生だから、ここはなんとかしてあげたい。
「中国語でいいよ。だれかが日本語に訳してくれるから」と言うと、
ほっとしたように、中国語でなんか言う。
「なんて言ったの?」と私。
かなり話せる学生数人に目を泳がせる。
一人の学生がしっかり私と目を合わせる。
「私をあてていいよ」と目が語っている。
「お願いします。」
「③は文の後ろが「私」だけど、④は「友人」。「~時」の前と後ろで、主語が同じ時は「は」、違う時は「が」と言っています。」
「正解!」と私。中国語で言った学生もうれしそうな顔。
みんなの共同作業?で正解にたどりつく。なかなかいいものだ。
「は」と「が」の違い。思い切って取り上げてよかったと思う。
さすがに力のある学生たちだから、同じタイプの問題が2回、3回と出てくると間違えなくなる。
そうなると、「なんとなくわかったぞ」という自信の表情に変わってくる。
ゲームとかの楽しい雰囲気とはひと味違う、達成感・一体感を感じることのできた授業だった。
いつも以上に、帰りの足取りが軽い。
やはり、教師を元気にさせてくれるのは教室だなあと再確認した。