私の大学は郊外にあるので、街へはいつもバス利用。
1元払えば、どこまででも乗れるから、日本のバスのような料金表を見る必要もないので気楽だが、いつ急ブレーキが踏まれるかわからないので、立っている時は絶対につり革などを持っていないといけない。
でも、もうそれも慣れた。ただ、道路がデコボコで、バスが浮き上がり、突然エアーポケットに入るのはいまだに慣れない。
結構どこにでもゴミを捨てる人が多い中国だが、バスの中でゴミを捨てる人はあまり見ない。降り口にゴミ箱がわりのバケツが1個置いてあり、みんなちゃんとそこに捨てている。
バスの運転手は制服はない。だから、一見、白タク(いや、白バス)の感じ。運転中、たばこはもちろん、携帯で話していたりする。しかも、大きな声で。乗客と世間話をしていることも多い。
先日、携帯で話しながら突然バスの前に出てきた女の子がいて、バスは急ブレーキ。
窓から顔を出して怒る運転手の怒り方は半端ではない。ま、女の子の方もまったく知らんふりで、勝負は引き分け。というか、勝負になっていない。
さて、バス停が近づいてくると、「降りるヤツはいるか~?」(たぶん)と叫ぶ。その語調からして、決して「降りる人はおられますか?」ではない。乗客の中から「下(シャー)」の声。声がなければ、バス停は素通り。
中国語がわからない人間がひょっとして乗っているんじゃないかなんて配慮は、23世紀ぐらいになっても、中国ではありえない気がする。
挨拶の言葉以外で私が最初に覚えたのはこの語だ。これが言えないと、降りたいバス停で降りられない。
車がクラクションを鳴らして走ってくる所でも、結構平気で車の間をぬって道路を横断するようになったが、バスの中で、自分が降りるバス停が近づいてきた時だけはとても緊張する。
さて、市内から夜帰ってくる時のバスはいつも混んでいる。
昨日も混んでいた。途中のバス停で60歳代ぐらいの女性が乗ってくる。学生風の男の子がすぐ立って席を譲る。しばらくして、別のバス停で若い夫婦が乗ってくる。女性の方はお腹が大きい。別の学生風の男の子がすぐ席を譲る。
われ先にとバスに乗る連中なのに、こういうところは本当にマナーがいい。この辺のアンバランスが面白いと思いながら見ていて、いやいや、そうではない。彼らはマナーなんて持ち合わせていない、彼らが席を譲るのは、マナーだからではなく、自然な気持ちなんだろうと思い至る。
昨日は途中でたまたま目の前の乗客が降りた。でも、もうあと少しだから、横にいた女工風の若い女の子に、手で「どうぞ」と合図を送る。私は外国人には見えないので、中国語でなんか言っている。「私はもうすぐ降りますから」だろうか、「歳とってんだから、お前が座れ」だろうか。中国人は愛想笑いをしないから、よく分からない。
譲り合っていると、どこかのおっさんがさっとすわってしまった。
しまった!