これ以降は要項書にはありません。私の施工記録です。
換気扇の設置
排気口と換気扇を繋ぐアルミの蛇腹パイプ。手前に天井を開口したユニットバスの排気口が見えます。このベニヤ板に換気扇をビスで取り付けます。あまり厚い板ではありませんので、ビスの長さには注意が必要です。
外へ排気が漏れないように換気扇の取り付け面にシリコンシーラントを塗布し、乾く前に施工を終えます。
それと、蛇腹パイプを換気扇入り口に差し込んだだけにしていたのですが、途中、外れていることに気が付きました。上からテープでもバインド線でもなんでもいいですが、キチンと留めておいた方が良いと思います。
F86 排気ファン取り付け後の様子
換気扇は東芝製です。丸型に排気口を切り取ったため、掃除が大変しにくかったです。やはり、換気扇を取り付ける場合は角型に切り取るべきです。
配線の種類や取り付け方法は換気扇の取り扱い説明書に詳しく書かれています。
F87 現在の様子 汚れています。換気扇からの配線を壁の外へ出して、それに延長コードを繋ぎ、下の写真のテーブルタップに繋いでいます。
F88 現在の様子 テーブルタップのスイッチで換気扇のON-OFFをしています。
換気扇は13年間ほとんど回しっぱなしで使いました。異音がし始めましたので交換しましたが、そこまで一切トラブルは無し。大変優秀な機械だと思いました。現在は同じ形式の新型DVF-T10Lに交換しました。
回しっぱなしにしておくと、バス内がすぐに乾燥します。カビも比較的つきにくく、錆等も発生していません。湿気がこもりがちな洗面の換気にもなります。電気代は年間で2000円台です。コスパ、悪くないと思います。
電灯の配線
写真の通りです。既存の室内灯への配線が出てきていましたので、そこへユニットバスの電灯配線を直接つなぎました。
接続は圧着端子を使っています。(上からテープを巻いています。)ホームセンターで電源側の配線の一部と、電灯側の配線の一部を切り取ったものを見せると適切な圧着端子と、圧着器具を教えてくれると思います。この作業には電気工事士の免許が要りますが、まあ、聞いた話ですが、スイッチの交換やこういった簡単な作業は、ある程度の割合の人が、免許が無くてもやられるようです。自己責任ということです。(作業は必ず電源を切った状態で行ってください。)
電気工事士免許取得の講習会があるそうで、ホームセンターの方に勧められました。DIYをやっていると、あった方が良いなあと思うときは何度もありました。その内にと思っている間に時間だけ経ってしまいました。
配線は圧着端子で留めた後、必ずある程度の力で引っ張ても抜けないことぐらいは確認しておいた方が良いのではないかと思います。
この配線で既存の浴室照明スイッチをそのまま使えます。
集中配管の設置と給湯、給水配管の接続
水道管は古い鉄管製で、外部の水道メーターから洗面下に来ています。風呂場のセメント床の下を通り、風呂場への給水用に一本配管が出ていたのと、洗面へ一本、トイレへ一本、それに台所へも一本繋がっています。
これらのうち、前に書きました通り、古い風呂場への配管はカナ鋸で切断しました。残りは3本になりますが、台所への配管はそのままになります。
F90 トイレへ向かう配管を切断してパイプレンチで取り外したところ。この先がトイレになります。中は錆が出てるのが分かります。
洗面への配管は壁の中を通してありましたので、以前に外し、メクラ栓がしてあります。トイレに繋がっていた配管はパイプレンチ(ウォーターパイププライアー?)を使って外し、代わりにバルブを入れました。バルブを入れた理由は、何かトラブルがあった場合でも、そこで水流をストップできるからです。それに、作業の度に外まで出て水道の元栓を閉めるのも大変です。これで、作業をしながらでもキッチンは問題なく使えますし、トイレの水はバケツに汲んで流しても良いのです。とにかくこれで一通りの生活は何とかなります。
F91 現在の様子 下から見た水道配管-集中配管への接続状況。
後付けのバルブ(オレンジ色)が確認できます。バルブの奥のT字管の反対側にメクラ栓と密封用のシールテープが少し確認できます。この一番手前にある真鍮製のブロックを集中配管と言い、ここには分岐配管を繋げるためのジョイントを接続する、ネジが切られた穴が空けられています。
これはタブチという会社がやっている配管システムですが、当時ホームセンターで、概略の説明が出ていました。
F92 ホームセンターにあった樹脂ヘッダー工法の説明図
詳細は以下のタブチHP、樹脂配管システムでご覧いただけます。
https://www.tabuchi.co.jp/product/water_supply/plastic_conduit/aguna/
私が行った水道管工事は基本、全てこのシステムを使いました。
塩ビパイプでも出来ないことはないのですが、面倒なのです。安価ではありますが、圧がかかりますのでリークの問題もありますし、それに、配管がフレキシブルにはなりません。
実は、一度鉄管でも配管を組んでやろうと、ダイスを買って来たこともあったのです。こちらは輪をかけて難儀でした。どうしてもやるということなら、出来が悪くてもよければ、やってやれないことはないのでしょうが、そこまでしても…。これはやっぱりプロの仕事だと諦めました。
また、どちらも、配管を一度組んでしまうと、床下でそれが大変邪魔になることもあるのです。また変更もできません。
ところがこのタブチのシステム、簡単です。テレ朝のビフォーアンドアフターで出ていましたので見たことはあったのですが、こんなに簡単にやれるものとは思っていませんでした。
F92 現在の様子 配管工事と言っても、この集中配管にシールテープでねじ部分を巻いたタブチのコネクターを取り付け、そこへ樹脂製配管を挿し込むだけです。但し、このコネクターが大変高価で、さらに一度配管を挿し込むとそれを抜いてもう一度利用することは出来ません。
施工方法ですが、マニュアルにかなり詳しく説明されています。スキルというほどのものも要りませんし、DIYerには有難いシステムと思います。
集中配管にメクラ栓を付けたり、樹脂管に繋なげるコネクターを集中配管に取り付けるやり方が少し特殊ですが(配管工事をしたことのない場合)、これにはシールテープという密封用テープを使います。
シールテープはテフロン製のテープですが、水道配管だけでなくガス管の施工にも使われます。ガス管は工事に国家資格が要るようですし?、下手にやると危険ですのでとても素人が手を出せませんが、水道管の場合は、素人なりに何とかなります。
普通、水道配管の出口の水栓を着けるけるような所は必ずネジが切ってあり、そこへ、水栓、ジョイント部分などのネジ部分を回し込んで取り付けます。ところが、そのままでは必ず水がリークしますので、それを止めるための密封用にシールテープを、オス側のねじ部分に巻いてから、そこを回し込んでいって取り付けるのです。テフロンのお陰でネジの隙間が塞がれ、水が漏れなくなるのです。
シールテープの巻き方ですが、オスのネジ側に、大体、3回転と半分くらいタイトに巻いていきます。ですが、これ、文章で書いたものを読んでも分かりにくいと思いますし、私のような半端な素人が書くより、”シールテープ 巻き方”で動画検索をかけてみて下さい。いくらでも出てきます。これが出来れば、恐らく、ほとんどの水道配管周りの施工は素人なりに完結できるようになります。但し、一つ注意点は、こういったジョイント部分に切ってあるネジにはインチ寸とメーター寸があるということです。これを間違えると、同じように見えるネジでもそもそも取り付けが出来ません。
さらにもう一つ、こういった集中配管のようなものに切ってあるネジには、テーパーが切ってあるものがあるということです。つまり、ねじ部分がストレートになっているものと、少しだけ先細にネジが切ってあるものとの2種類があるということです。これを間違えると、いくらシールテープを巻きなおしてもスローリークが止まりません。厄介なことに、このネジ、仮に間違っていてもなんとか入っていくのです。
まあ、同じタブチの配管をセットで使う場合は特に問題になることは少ないと思います。
それと、シールテープを巻きなおす時があると思うのですが、必ず、ねじの溝に残っている圧着されたシールテープのカスをピンセット等で綺麗に掃除してください。後で、繋がっている機械のトラブルの原因になったりすることがあります。まあ、普通、機械にはストレーナーという網が付いていますので、大丈夫とは思いますが。
いずれにしましても、配管を接続するときは、接続部にゴミなどが付いていないよう綺麗に掃除をしておかないと、いくらシールテープを巻いても、リークが止まらないということになりかねませんので注意が必要です。F90の写真にある古い配管の様子を見ていただくと、どういうことか少しお分かりいただけるかと思います。
DIYをやっていると、タブチのシステム以外にも水道配管なんかはよく変更が必要になってきます。ホームセンターでいろんな配管や水栓、ジョイント、ニップル等を探される機会が出てくると思いますが、よく注意されるのが良いかと思います。特に、こういった水道配管等の部材は、下流にはとりわけ高価なものが多いですから。
(その中でもタブチは飛び抜けて高額で、さらに、配管のコネクターは一度使うと、2度と抜いて挿し直すことが出来ないというものです。簡単便利ではあるのですが、下流DIYerにはお値段が唯一の難点です。)
所詮は素人DIYerなのですから、どちらにしても、どんな場合でも、やってみて様子を見るのは大変大事なことと思います。特にこの水道周り等は漏れるとまずいですから、しばらくは毎日見ていました。その後はほとんどほったらかしの配管ですが、このタブチのシステム、大変良くできているようです。トラブルは施工後一度もありません。当然と言えば当然なのでしょうか?こういったものは当然そうでなければ困るのです。
F93 現在の様子 右側から給湯器、ユニットバス水栓Cold、洗面台、トイレの順で繋がっています。配管の先にも同じようなタブチのコネクターがつながっています。
ユニットバスの組み立ての終わりに。
ユニットバスは、現在、ネットでいろんな組み立ての動画を見れます。どうやら、かなりコンパクトに梱包されているようで、下部本体の湯船の部分が2つに分離されているようです。これだと一人で運んだり組み立てたりできそうですし、それ以外にもいろいろ進化しているのでしょうか?
私の、かなり昔のバスのDIY組み立てが果たして、現在、これをDIYでやろうとする人に参考になるかはわかりません。でも、製品自体の品質、耐久性は極めて高く、少なくとも、素人のやっつけ仕事でもツボさえ押さえれば、15年ほどの間無事に使い続けることが出来、そして今後も恐らく10年ぐらいは何とでもなるのではないか(大きな災害が無ければ)という、そのぐらいの示唆にはなるのではないかと思っています。
現在のユニットバスはどうかわかりませんが、ご覧のとおり当時の要項書はとても一般向けのマニュアルといえるようなものではなかったと思います。
現代は、当時と比べずいぶんとDIYが盛んになり、大きなDIYショーまで開かれる時代になっています。ユニットバスだって、ヨーロッパやアメリカのように、DIY向けの商品をホームセンターに置いてくれたらいいのになあ、と思います。もちろん、一般向けの精緻なマニュアルを付けて、ということです。
補足
もし、ここまでお読みいただいた方がいらっしゃいましたら、多少ユニットバスをDIYで考えられておられる方なのかもしれません。念のため、初めて工事される方に少しだけ補足しておきます。
工事にかかる前の、少し事前練習が必要な項目を書いておきます。
1.ドリルでの穴あけ。鉄板、FRP、木材等。センターを出すためのポンチの打ち方。
実は、私はセンターポンチ使っていません。釘やなんかで適当にやっています。かなりいい加減なのです。
2.ジグソーやホルソーでの薄い鉄板への穴あけ。
F96 ジグソー この小さな刃が上下して木材でも鉄板でも自在な形に切れます。これ、やり始めるとかなり面白いです。どんな形でも作れます。合板、鉄板、アルミ板、プラスティック、何か作ってみて下さい。コツがつかめます。
3.塩ビパイプ(VU)の切断や接着剤での接合。
F98 左がVP50 右がVU50 厚さが違います。排水にはVUパイプで十分です。切断はカナ鋸でしましたが、柔らかいので普通のノコギリでも切れます。良いノコギリは使いたくありませんが、ボロのノコギリで切ったことはあります。問題ありませんでした。
F99 接着剤 汚れています。蓋に刷毛が付いていますので、それで接着剤を塗れます。15年経ちますが、いまだに現役で使えます。
4.水準器の使い方。
F100 水準器 透明のガラス管に空気?が少し入れてあります。この水準器を水平を測りたい対象物の上に置くと、この空気の泡がちょうどこのガラス管の真ん中に来るようになります。仮に水平がずれていると、泡の位置がどちらかにズレます。DIYには必需品だと思います。
5.モンキーやスパナを使いボルトやナットを締めたり、SUS(ステンレス)のフレキシブル蛇腹配管をパッキンを入れてつないだりできること。そのほかの配管も同じように。
F100 モンキーレンチ 締めたり緩めたりするボルトの径を可変できますので便利です。
F101 スパナ インチ寸があるので注意。
F102 フレキ管とパッキン
両サイドの袋ナットにパッキンを入れ、スパナで締めていき、配管を繋ぎます。webには沢山下記のような説明のページや動画があります。
https://p-ranger.com/other/packing
F104 パイプレンチ
水道管の取り外しはパイプレンチ?ウォーターパイププライヤー?でしますが、これは練習できません。ぶっつけ本番になります。
6.ドライバーを使い薄い鋼板同志をビスで留めたり、FRPに鋼板をビスで留めたりする。
鋼板やプラスティック板を買って来て、ドリルで穴を空け、実際にやってみて下さい。
7.シリコンシーラントの使い方。
F105 シリコンシーラントとコーキングガン
このシーラントの容器の先にポリエチレンの半透明のネジ式の蓋が付いています。これを外すと、中の本体側にアルミ箔が張ってあり、これを破って内容物のシリコンシーラントが出てこれるようにします。蓋を戻してその先を小さくカッターで切り取ります。この切り口の大きさは使う場所に合わせます。後はガンに装着して使えます。
保存の仕方は難しく、テープ等でふた先を巻いておいたりしますが、必ず固まってしまいます。内部まで固まるにはかなり時間がかかりますが、基本、一度蓋を空ければ使い切った方が良いのだと思います。まあ、私なんかはそんなに余裕があるわけないので、何年も経ったものを引っ張り出して使うことがよくあります。使えないことはないのですが、寿命はどうなのかまでは分かりません。
これら一連の作業はやったことがある方には大したことない作業ですが、初めての方には少しハードルが高いように思います。少し事前練習するのは良いことと思います。
ホルソーやジグソーは無くても組立不可能ということはありませんが、大変便利なものです。この機会にこれらを買っておくと後でよく使います。また、やすりは、どの道、いろんなところで必要です。それほど高価でもありませんので一通りそろえておくべきだと思います。
個々の機材の使い方はネット上に良い動画や情報が山のようにあります。何かやったことない作業をやる場合には必ずこれで自分なりのシミュレーションをするのが良いと思います。
但し、プロの仕事をそのままアップしてある動画などは少し注意が必要です。なんかずいぶんと簡単そうに見えるのですが、甘く見るとハマります。というか私は失敗しました。よく考えてから、まず少しやってみるのが良いと思います。少しは難しさが分かるようになれば上出来なんだと思います。
何度も書きますが、練習なしのぶっつけ本番はうまくいかないことが多いと思います。器用な方もいらっしゃるようですが、そうでないと自覚される方は、必ず少しは練習をするべきだと思います。私自身のことでなのですが…。
それでもぶっつけ本番の作業は、DIYやってるとどうしたって出てきます。仕方がないのです。まず逃げ道を最初に考えておくようにしています。ダメだったらどうするのか?最悪どうすれば何とかなるのか?そうやっていても、”こりゃダメだ。”、ということもありました。なかなか考えたようにはいかないのだと思います。でも、何とかしてみる。完壁は無理でも、近付けるところまで近づける。やれるところまでやってみる。これが下流素人DIYerの気概と流儀のようなものかなあ、と思っています。