映画や芝居の感想

映画や芝居の感想

映画や芝居の感想、言いたいことを言いたいように自由に表現します。毒があるかも

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AUDIBLEの怪談の中の一つだった。

外国の小説だったのでさぞ面白いに違いないと思い、audible、1.5倍速で聴きました。

その後、興味を惹かれて映画を鑑賞。

 

ストーリーbyアマゾン

あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。姉のコンスタンスといっしょに、他の家族が皆殺しにされたこの屋敷で、ずっと暮らしている……。惨劇の起きた資産家一族の生き残り。村人から忌み嫌われ、外界との交流も最低限に止める彼女たちは、独自のルールを定めて静かな生活を送っていた。しかし従兄チャールズの来訪をきっかけに、美しく病んだ箱庭世界は大きな変化をむかえる。“魔女”と称された異色作家が、超自然的要素を排し、無垢な少女の視点から人間心理に潜む悪意が引き起こす恐怖を描く代表作。

 

作者紹介by WIKI

シャーリイ・ジャクスン(Shirley Hardie Jackson, 1916年12月14日 - 1965年8月8日)はアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ生まれの作家。日常と非日常の境界、日常生活のなかの人間心理の異質さを描く作風で知られる。

 

違和感の残る話は掘り下げないといけないらしく、考察頑張ってみたい。

 

登場人物は少ない

おじさん、メリキャット(主人公)、コニー(姉)、いとこ(チャールズ) 村の人々(普通の人に潜む邪悪たち)

ヘレン(村のカフェのおかみ)と医者は悪意と主人公たちのはざまにいる人たち。

 

姉コニー、料理や家事全般を完璧にこなし、人柄もよく美人。

ブラックウッド家の人間でありながらチャールズが指摘するように奴隷のように働いている。

好きだから、とはいっても誰が彼女に料理や掃除を仕込んだのか。

ブラックウッド家では上の娘を女中代わりにこき使っていた可能性がある。

 

妹、主人公のメリキャット

虐待されていた可能性が濃厚。

映画では姉を救うため、家族を毒殺したように解釈されているが本では毒殺の動機に言及されていない。

単に気に入らなかったから、誰も彼女を愛さなかったから、ひどく虐待されていたからなどが考えられる。

 

そういえば弟がいたなぁ。

 

ブラックウッド家では男子だけを貴び、女子は虐待の対象だったのかもしれない。

 

村人に嫌われていた原因

幹線道路への近道を私有地だからといって村人のアクセルができないよう細工するなど、心のせまさは感じる。また、貧乏は怠け者の帰結と解釈しており、隠そうともしなかっただろうことからいけ好かない奴と思われていたのは間違いない。

ただ、ここまでの憎しみを買うからにはそれ相応のひどい行いで村人を逆上させる出来事があったと思われれる。

 

中間の人々

根が善人なのだろう。

ただ極端な村社会では嫌われたものに加担すると自分もつまはじきにあってしまうため、善人だけど偽善者見たく見えてしまう。 それでも邪悪な人々よりはよほどいい人には違いない。

気付いているのに傍観者でいるのは卑怯と言えなくもないが、まぁそうなりますよね。

 

暴動の怖さ

人々の憎しみに火が付き集団ヒステリックを起こすとこんなに怖いんだぞ、という。

そして加害者は加えた破壊を過小評価し、貢物で償えると考えている。

被害者側はチャンスさえあれば皆殺しにして死体の上を踊りながら歩いてやると考えている。

そんなものですよね。

 

最後

魔女はこうして誕生した。

村人の悪意が際立った小説で、多数が少数を苛め抜く構図が怖かった。

 

そして村人は自分がした仕打ちの仕返しをわずかばかりの良心があるがために恐れ、延々と供物を持っていき、時には子供が犠牲になるのかもしれなかった。

いけにえと魔女のはじまり。

 

おじさん

狂人のごとくいてまっとうな会話もするなど、謎が残る。

メリキャットを死んだものとして会話するところを見ると、彼は真犯人がメリキャットと知っており、メリキャットに関わらないよう細心の注意を払っていたようだ。

コニーには話しかけるがメリキャットと会話することはなく、自室への出入りは固く禁止していた。

メリキャットに何らかの方法で生き残った自分が殺害されるかもしれないと考えており、呪いをかけられることを防ぎたかったのだろう。

そして自分に言い聞かせるあまり、メリキャットの姿さえも見えなくなっていたのかもしれない。

 

ねこ

メリキャットのねこ。 彼女が家族と考える猫。

魔女だから猫??

偵察におじさんの部屋にも入っていく(ただし死後)

 

 

映画について

映画では独自解釈が追加されているし時間もぐっと短縮されている。

私は蔓の絡まるお屋敷が見てみたかった。

あと、小川や花々も。

キッチンやダイニングのインテリア見たさ400円払ってみた。

とてもかわいらしく、壁紙が素敵だった。

 

メリキャットは小説のイメージと全く違った。

小説を読んだ感じでは髪の毛が蜘蛛の巣みたいになっていて梳かした形跡がないが、顔はかわいらしく背が低い。ドレスを着ていて背筋はピンと、威厳を損なわないように勝気な表情をし眼光鋭い感じ。なんだけどなぁ。

 

姉が恐れるもの

蜘蛛=メリキャト

 

姉はかわいい妹の狂気と狂気に捕まることを恐れている。

 

面白かったです。

シャーリイ・ジャクスンの「くじ」も読んでみたい。