今日紹介したいのは稲盛和夫(いなもり かずお)の「生き方」という本です。
稲盛さんは京セラの創業者で、日本の経営者といえば名前が上がるというぐらい有名な方です。彼の代表作がこの「生き方」です。
今回はビジネスマンなら誰でも知っておくべきことを 3つ紹介していきます。
①考え方を変えれば人生が 180度変わる。
人生をより良く生きて、幸せになる方法として、稲盛さんはある方程式で表している。
人生・仕事の結果=考え方x熱意x能力
つまり、人生や仕事の成果は考え方や熱意や能力、この三つの掛算によって得られるです。
能力は才能や知能、熱意は情熱や努力で、自分の意識でコントロールできる後天的な要素です。一つだけ考え方が違います。
これは心のあり方や生きる姿勢であり、さらに掛算ですから、その考え方がマイナスだと成果はすべてマイナスにしかなりません。
良く能力と熱意に恵まれて、最初は順調だったのに、考え方を間違えて失敗する人がいますよね。
まさにそういった人をこの方程式が指しているのです。
なぜ考え方が大事なのか?
分かりやすいように稲盛さんのエピソードで紹介しますね。
大学卒業後、京都外資製造メイカーに入りました。
しかし、その会社はうんぼろ会社で、給料の未払いが当たりまえ、経営者の一族で内揉めをしているところです。
そこまで来て自分の考え方を180度変えた。
これ以上悪い状況なんてない。愚痴や不満を捨てて、ひたすら仕事に励んでみよう。と仕事に精出し、必死に毎日研究に取り込みました。
研究室に泊まり込みで、仕事に没頭したそうです。
その結果、当時にはなかったテレビのブラウン管に使用するファインセラミックス材料を日本で初めて開発することに成功したそうです。
そしてこの時身に付けた技術が後に京セラを作る実績になったそうです。
どうですかね。
もし、稲盛さんがいつまでたっても愚痴や不満を言って同僚と同じような考え方をしたら、こんな成功することは絶対になかったですよね。
稲盛さんだって辞めていた同僚と同じ状況だったんですよ。
起きている現実は同じ、でも考え方一つで自分の未来は変わるということをこのアピソードは表しているんだと思います。
あなたの今の状況や仕事の成果もあなたのその考え方が生み出している可能性があります。
ぜひ、意識してみてください。
二つ目、求めたものだけが手に入るという人生の法則 という話です。
あなたの願いや思いはまず願わなければ叶うことがありません。
稲盛さんはそれをパナソニックの創業者松下幸之助(Kounotsuke Matsushita) の講演を聞いて気づいたそうです。
その講演で松下さんはダム式経営の話をしたそうです。
ダムを持たない川というのは大雨が降れば洪水を起こし、日照りが続けば涸れて水不足が生じてしまう。
だから、ダムを造って水を溜め、天候や環境に左右されることなく、水量を一定にコントロールする。
それと同じように経営も景気がいいときこそ、景気が悪いときに備えて蓄えをしておく。
そういう余裕のある経営をすべきだというお話をしていました。
それを聞いていた人たちはどんな反応をしいていたのか
何を言っているのか
その余裕がないからこそ、みんな汗水たらして悪戦苦闘しているのではないか。
余裕があれば、だれもこんな苦労はしない。
我々が聞きたいのはどうしたらそのダムが作れるのか、ということだと言ったそうです。
それに対し、松下幸之助さんは何と答えたのか。
そんな方法は私も知りませんのや。知りませんけども、ダムを造ろうと思わんとあきまへんな。と答えたそうです。
それを聞いた人たちは失望して失笑したそうですが、著者の稲盛さんはその言葉に大きな衝撃を受けたそうです。
これはズバリ、まず思うことの大切さを伝えているんですよ。
こころがまず思わなければやり方も見えてこないし、成功も近づいてこない。
だから、まずしっかりと心の奥から思いを持つということが大事だということなんです。
ここから、私の意見なんですが、思いって確かに大事なんですが、思うだけではかなわないですよね。
例えば、プロ野球選手になりたいと思っても、それを思った人の中のほとんどの人は
叶えることはできませんよね。
ただ、一つだけ確かなことが有って、それはプロ野球選手の中にプロ野球選手になりたいと思ったことのない人は一人もいないんですよ。
つまり、皆が思ったから、叶うわけではないけど、まず思うことから始めないと絶対に叶うことはない。
そう言ったことを教えてくれているエピソードだと思います。
まずは思うこと、難しいことは考えず、これだけでもまずやってみましょう。
最後三つ目、細心の計画と準備なくしては成功はありえない。という話です。
稲盛さんは会社を大きくしていく中で誰もやったことがないことにどんどん挑戦していきました。
でもその度にある問題にぶつかったそうです。
それは新しいアイディアを幹部に話すと、特に難関大学を出た優秀な人ほど反応が冷やかで、反対されてしまい、仕事が進みにくかったそうなんですよ。
しかも、頭がいいので、その反対理由も事細かに説明されてしまいました。
しかし、出来ない理由ばかり言っていたら、良いアイディアも実現されないですよね。
そこで、稲盛さんはどうしたのか。
稲盛さんは相談する相手をガラッと変えたそうです。
新しいアイディアの提案は少しばかりおっちょこちょいなタイプであっても、その提案をそれは面白い!ぜひ、やりましょうとポジティブにとらえてくれる人にしたんですよ、
そして、重要なことがここからです
そのアイディアの構造を具体的に計画するときは先ほど反対していた人たち、悲観論を基盤にしてあらゆるリスクを想定して、プランを立てられる人材に任せたんですよ。
そして、実行するときはポジティブに捉えるメンバーを中心に行ったそうです。
つまり、アイディアを実行に移す時は、楽観的に構想し→悲観的に計画し→楽観的に実行すること
これを実行することで成功させたんですよ。この楽観と悲観をうまく組み合わせていく方法は私の中ではなかったので、すごく勉強になりました。
そして、あともう一つこれ読んでいて感じたのはマネジメントの重要性です。
だれがどんな特性を持っていて、どんな仕事を任せるのがいいのかを稲盛さんは的確に判断していたんですよね。
たぶんどの会社にもこの悲観的に捉えて反対するだけの人っていると思います。
そう言った人がいるとプロジェクトが進まなくて本当困る場合もあると思います。
でも、そういった人は悲観的だからこそ、リスク管理に優れていて、リスクを計算した計画を立てることが得意だったりするんですよね。
この様に稲盛さんは社員の特性に合わせて仕事をしていてこれはまさにマネジメントの極意だと思います。
もし、あなたの中で、プロジェクトがうまく行かなくて困っているという人がいたら、もしかしたら、社員の特性に合わせて仕事を任せることができていないだけかもしれません。
チームのメンバーがどんな長所と短所があるのかもう一度考えなおしてみましょう。
これまで3つのことについてお話ししましたが、ここでまとめです。
①考え方を変えれば人生は 180度変わる。
人生と仕事の結果=考え方x熱意x能力であり、考え方によりプラスにもマイナスにもなる。
同じ環境でも結果が異なるのは考え方が違うからである
②求めたものだけが手に入るという人生の法則
まずは思うこと。すべての始まりはそこからである。
③細心の計画と準備なくして成功はありえない。
楽観的に構想して、悲観的に計画し、楽観的に実行することが成功する秘訣であるという話でした。