道。
登校中に、野乃子が肩からさげた鞄の中から頭だけ出して喋るマカロン。

マカロン「いい?今日から僕の言う通りに行動してみて。
      そしたら絶対うまくいくから!」
ののこ 「うぅん、わかった…」
  
と言いつつ、半信半疑な野乃子。

マカロン「まず、いつも野乃子はこっちの裏の階段を使うけど、
今日は玄関に近いあっちの方の階段を使うんだ」
ののこ 「えぇ、なんで?
     裏の階段の方が近道なのにぃー」
マカロン「いいから!」
ののこ 「はぁーい」


階段。
野乃子、しぶしぶ玄関に近い階段を使う。
すると、後ろから足音(カンカン…。

ゆうき 「おーい、おはよー!」
  肩ポンっ

ののこ 「へっ?ぁ、おはよぅ…」

  びっくりして立ち止まる野乃子。
  優輝はそのまま野乃子を追い越して先に行ってしまう。
  野乃子、そのまま立ちつくしながら。

ののこ 「きゃーっ、朝から早速、優輝くんに声かけてもらっちゃったぁ!
     超ラッキー☆」

跳びはねんばかりに喜ぶ。(大げさに

マカロン「ね、いいことあったでしょ?」
ののこ 「うん!マカロンすごいすごい!!
     どうしてわかったの?」
マカロン「わかるに決まってるじゃん、
僕は野乃子の恋を応援する為に喋れるようになったんだから!」
ののこ 「そっか!(深く考えずに
     それじゃぁマカロン、次はどうすればいいのー?」

マカロン「次はね…野乃子、きのう数学の先生にクラス全員分の夏休みの課題、
    職員室まで持ってくるようにって言われたの、忘れて帰ったでしょ?」
ののこ「あーっ、すっかり忘れてたぁ!」
マカロン「それを今日の放課後に職員室に持って行くといいよ。
    そしたらきっとまた、いいことがあるからさ」
ののこ 「今日の放課後、だねっ☆わかった!」

  すっかりノリノリな野乃子。


  廊下。
  言われた通り、課題を運ぶ野乃子。
  しかし量が多く、うまく運べない。

ののこ 「うぅん、重いよぉーっ」
よろよろ。
うっかり足をひっかけて転ぶ。

ののこ 「きゃぁっ」  
  課題をぶちまけてしまう。(バサバサーっ

ののこ 「はわわゎ、どうしよう…!」
  辺り一面にぶちまけた課題を見て、おろおろする野乃子。
  すると、通りがかった人が拾って、野乃子に渡してくれる。
  (足のみ→課題を拾う手など。まだ顔は見せない。
ののこ 「ありがとう!…って、えぇっ!?
優輝くん!?」
    そのとき顔を上げて初めて、
拾ってくれたのが優輝くんだったということに気付く野乃子。

二人で拾いながら。 
ゆうき 「ぷっ、ドジなヤツがいるかと思ったら。(さわやかに。 
     お前アレじゃん、昨日の。えーと…?」
ののこ 「ぁ。ののこです。花町野乃子!」
ゆうき 「そっか。花町ってドジなんだな。(笑
     こんな重い荷物、女子1人じゃ持って行くの大変だろ? 
     誰かに手伝ってもらえば良かったのに」
ののこ 「でも、これくらい、1人で持てるもん。
     手伝ってもらうなんて悪いよ!」
ゆうき 「そう?そんなこと言って、さっきよろよろしてたじゃん。
    そういうときは、女のコは無理しないで手伝ってもらっていいんだよ」

  野乃子、きゅんっ

ゆうき 「ーという訳で、こっからは半分持つよ」
  課題を半分(より少し多め)ひょいっと持ってくれる優輝。
ののこ 「えっ、いいの!?」
ゆうき 「いいのいいの。
     それに、どうせ俺も職員室に行くところだったし」
ののこ 「あっ、ありがとぅ…!!」

  そのまま、並んで歩く二人。

ののこ 「ゆっ、優輝くんは、何しに職員室に行くところだったの?」
ゆうき 「俺は、部活の入部届けを出しに。
    バスケ部に入ろうと思って。中学でも、前の学校でもやってたからさ」
ののこ 「へぇ、そうなんだぁ…!」

フェードアウトしていく二人。
それに合わせて、音楽がクレッシェンド。
♪(恋愛ソング。コイスルオトメとか?